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おりぞめの表記

1953年春に武藤六郎さんが紙を折り畳んで染めるということを始めました。
武藤さんは〈折染〉と表記しています。その後,わたしの知りうる範囲で〈折染め・折り染め・おりぞめ・折りぞめ・おり染め〉と表記されています。
こんな風にいく通りもあるという表記の多様性がおりぞめそのものの多様性につながっているとわたしは考えています。
どれが正しいというより,どれもありというわけです。
〈おりぞめ〉を紹介している本がどのように表記しているかをわたしの手持ちの本から調べてみました。

1974年2月10日発行 『千代紙 型染紙』保育社 加藤陸朗 折染紙 折染め
1974年5月11日発行  『紙工芸技法大事典 上』東陽出版口絵カラー 折り染め 本文156ぺ 片野孝志 折染め
1978年1月17日初版 1990年10月13日 第21刷 『染めてあそぶ』草土文化 徳村彰/杜紀子 おりぞめ 折り染め(どちらも使われています)
1978年1月31日発行『版画と折染』思文閣出版 武藤六郎 折染
1980年1月25日発行 『染紙の技法』総合科学出版 片野孝志 折り染め
1980年3月10日初版 1992/3/30第8刷『紙そめ』国土社 羽場徳蔵 折りぞめ

●わたしはどうしているか
基本的には〈折り染め〉と〈おりぞめ〉の二つを使っています。
〈ステンドおりぞめ〉〈切り紙おりぞめ〉〈絞りおりぞめ〉という風に,ただ紙を折り畳んで染めるのではないのを〈おりぞめ〉といっています。そして,紙を折り畳んでただ染めるのを〈折り染め〉と表記を変えています。
広げ水などの染め方を〈水を使う折り染め〉と表現しています。先ほどの3種の〈○○おりぞめ〉と〈折り染め〉を合わせて〈おりぞめ〉といっています。
●英語では
ちなみに英語だと〈orizome〉と思うかもしれませんが,ネットなどで調べると〈orizomegami〉もあります。わたしの持っている英語の本は〈Orizomegami〉です。オーストラリアで2011年に出版されました。
〈origami〉の流れで〈orizomegami〉となったとわたしは予想しています。
ドイツ語やフランス語,スペイン語などではどういうのか興味があります。
わたしの調べた範囲では中国語では〈折染〉です。読み方は分かりません。

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