「おりぞめネーム」名乗り続けのススメ
●「おりぞめ染伝人」
おりぞめの活動を続けるうえで「おりぞめ染伝人」と自称しています。
いつ頃から名乗るようになったのかはっきりわかりません。しかし,2010年にブログを開始した時に〈おりぞめ染伝人ブログ〉とタイトルをつけたので,その時にはすでに名乗っていました。
教材としておりぞめに出会い,《おりぞめ発表会》を発明したのが1999年。はじめは,障害児教育の教材として積み上げていました。2000年に墨染めした紙に着色するステンドおりぞめを発明して,それを広めたくて〈おりぞめを伝える〉ということを始めました。
しかし,ステンドおりぞめは広まらなかったので,それなら,まずは,紙を折って染める〈折り染め〉から始めようと方針を変えました。このときに,広める人ということで〈宣伝する人〉の〈宣伝〉を〈染めを伝える人〉ということで〈染伝人〉はいいなということで使い始めました。始まりは覚えているのですが,それがいつ頃かは分からないというわけです。
(2005年にはまだ使っていないことは分かっているので2010年までの間のいつかです。課題として置いておきます。)
●「おりぞめツカイ」
2001年の三重県鳥羽での仮説実験授業研究会の夏の大会のナイターで〈ステンドおりぞめ〉を紹介した時に浦木さんが参加されて,それから浦木さんはおりぞめの活動に参加されるようになりました。浦木さんは,染めた紙をどう使うかということに関心を持たれました。そして,自らを「おりぞめツカイ」といっていました。「魔法使い」のイメージで「おりぞめツカイ」ということです。なるほど,おもしろいと思いました。これは2010年ごろですが,いつからとはっきりはしません。
●「認定おりぞめ講師」
2018年7月に群馬県の峯岸さんの学校に行き,教室で子どもたち,放課後に大人の人相手におりぞめを実施しました。この時に峯岸学級での授業の結果,何を教えて何を教えないかということを整理することができて,〈広げ水〉を授業プラン化するきっかけとなりました。その学校で保護者だった田村さんと出会います。それから,田村さんはおりぞめにはまり,すごい速さでアクティブにおりぞめを進めていきます。そして,2019年8月に〈認定おりぞめ講師〉になります。
どうしたらなれるの?と思った人がいるかもしれません。
誰がどのようにして認定するの?という疑問が出てくるかもしれません。
この「認定おりぞめ講師」が生まれた事情を書いておきます。
2019年に神奈川でおりぞめフェスティバルが開かれた時,突然,田村さんから「おりぞめ講師として認定してほしい」と自作の認定証書をもって,わたしのところにやってきました。そう田村さんから認定してほしいといってきたのです。その時の顛末はわたしのブログに書いてあります。
その後,田村さんは,おりぞめ講師として,学校・幼稚園・学童など教育関係などで活動しています。また,〈おりぞめやさん とらきち堂〉としても地域での活動に取り組んでいます。
●〈おりぞめネーム〉を思いつく
2020年にコロナによる全国一斉臨時休業が6月に終わりました。そこで,たのしいことから始めたいとおりぞめで学級目標を作る人たちがいて,それに刺激を受けて大田さんがたまモノとつばめで学級目標を6年生で作りました。それがきっかけで学校でおりぞめを実施するとともにご自身もおりぞめにはまり,その後zoomでのおりぞめ講座などに参加をされることが増えました。リアルな会が増えてくると実際にお会いすることもふえました。
2024年10月にわたしの自宅でのおりぞめ来楽部〈はさみプレートを使う〉というのに参加された時の10月6日の感想にこんな一文がありました。
「おりぞめ初心者の私は、おりぞめ来楽部を通して学べることはどんどん学びたいと考えています。」
大田さんは,いろいろなことを体験しているし,〈おりぞめパネルづくり〉〈筆箱〉など,小学校で初めて授業した人であります。しかし,何かをやるときは,ほとんど初めてということが多く,わたしはやる気があり,できることもあるけれど,たしかに初心者。そこでスーパーな初心者だと思いました。
そして,こんなメールを送りました。
===
今回,大田さんの言葉から考えたのは,それぞれが芸名ならぬ〈おりぞめネーム〉を持つのもおもしろいと思いました。田村さんは〈認定おりぞめ講師〉と名乗っています。浦木さんは最近は使いませんが,一時は〈おりぞめツカイ〉といっていました。魔法使い,みたいでおもしろいなと思っていました。
あわてなくてもいいけれど,ネームを考えるのはおもしろいと思いました。
わたしが個人的に思ったのは,〈初心者〉というのが今の大田さんにはわたしはあっていると思っています。わたしにとっては,〈まれな初心者〉〈すごい初心者〉ですが。
それで,〈しょしんしゃ〉と読めるように漢字をあてるとか,ローマ字にするとか,英語の〈beginner〉つながりで考えるとか。
そして,いつかは名前を変えるというのもおもしろいなと。落語家の名前が変わるとか,野球でいうと,選手からコーチや監督になると背番号が変わるとか,そんなのもおもしろいなと。(10月7日)
===
〈いつかは名前を変える〉というのはわたし自身考えていることです。〈染伝人〉として活動しなくなったときは〈染人(せんにん)〉になろうと思っていました。
この時,初めて,それぞれの人が芸名のように〈おりぞめネーム〉を持つのはおもしろいと思いました。
●「おりぞめ遊者」誕生
大田さんから返信がありました。
===
〈おりぞめネーム〉ですが、ドラクエというゲームにちなんで、「おりぞめ遊者」にしてみようと思っています。
ドラクエは、勇者が旅に出て経験値を獲得しながらレベルを上げていきます。
勇者というより私は遊び人感覚でおりぞめを楽しんでいるので、「ゆうしゃ」の勇を遊にしたら、なんとなくしっくりきました(笑)
おりぞめという、壮大な世界を冒険する遊者です。
経験値はほとんどないのでレベル1ですが、これからいろんなところで、いろんなおりぞめをしてレベルを上げていきます😊 (10月15日)
===
「おりぞめ遊者」いいなと思いました。
更にこんなことも教えてくれました。
===
おりぞめ遊者という名前を考えたときに、私の中で、おりぞめは仕事ではないし、それでお金を稼ぐということも一切考えていないし、ただただ自分がやっていて楽しいというイメージ?があって。
それなら「遊び」という言葉が一番しっくりくる。そして、ドラクエ世代でもあるので(笑)すぐに遊ぶという漢字が「ゆう」と読むことに気付き、
勇者がなかまとともにいろんなところに行くことや、経験値を積んでいくところなんかも、今の自分とちょっと重なって、「ゆうしゃ」になったわけです。(10月26日)
===
●〈遊者〉で広がるイメージ
大田さんの〈遊者〉のイメージで結びついた言葉があります。おりぞめをしていると〈芸術〉や〈技術〉という言葉が身近になりますが,わたしは以前から何か違うと感じていました。それで〈遊術〉という言葉にたどり着いて,わたし自身はかなり気に入って使っています。
2017年1月号 染伝人流おりぞめ遊術ガイド〈たまモノ〉
2023年11月おりぞめハンドブック おりぞめ遊術プラン「おりぞめパーティー」
これ『たのしい授業』(仮説社発行)に掲載された〈たまモノ〉と〈おりぞめパーティー〉の記事のタイトルです。
こんなあやしい言葉をそのまま載せる仮説社の編集者は大したものだと思っています。
〈遊者〉という言葉で遊術のツカイ手のイメージもついてきて,わたしの中でどんどんイメージが広がっていきました。
遊者のレベルが上がっていくことで,使える遊術もふえていく,そんなイメージもできました。
遊者がどうなっていくかわたしも興味あります。
●〈おりぞめネーム〉を名乗りつづける
わたしは,〈おりぞめ染伝人 山本俊樹〉と名乗ることで,自分がやることを意識し続けられた気がします。
浦木さんや田村さんも同じだと思います。
名乗り続けることで,わたし自身のおりぞめの世界が広がってきた気がします。
***
〈おりぞめ遊者〉はどんなクエスト(冒険の旅)をするのか楽しみです。
わたしもおりぞめクエストをする一人と考えれば,〈おりぞめ遊者〉の中の〈おりぞめ染伝人〉と思っています。
新しい〈おりぞめネーム〉を考えるのもいいし,〈おりぞめ遊者 ○○○○〉〈おりぞめツカイ ○○○○〉〈おりぞめ染伝人 ○○○○〉と名乗って,それぞれ活動するのもたのしいかもしれません。
そうそう,〈認定おりぞめ講師〉という限りは認定証が必要な気がします。誰に認定してもらうのか。そこもたのしいかもしれません。
名乗り続けたいと思う〈おりぞめネーム〉を考えて,使ってみませんか。
〈おりぞめネーム〉のわたしのイメージは,〈おりぞめ〉という言葉が入っていればいいなと思っています。