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染伝人流 色づくりの変遷

●染料を使う
おりぞめは紙と染料を使います。1999年にはじめてであったときに仮説社の染料セットを使いました。それ以来,シリアス染料(直接性染料)を主に使っています。
といっても,染料の使い方が変わってきているので,それを残しておきます。
●《おりぞめ発表会》で使う色
1999年に授業プラン〈おりぞめ発表会〉を作った時は,北海道の豊田さんが作成し,仮説社で販売していた8色セットのうち,黒以外の7色を使っていました。
繰り返していくうちに,松本さんのキミ子方式に学んで三原色ということで,黄・赤・青の三色だけで実施しました。《おりぞめ発表会》は最初のおりぞめの授業としていたので,むしろ,三色という数の少ない方が楽しめました。三色しかないのに,緑や紫ができたりすることで驚くとともにおりぞめに興味を持つことになると思いました。
その後,印刷,特にインクジェットプリンターの基本の色のイエロー・マジェンタ・シアンに合わせて,〈黄・ピンク・青〉の三色に変えて,現在に至っています。
染料の基本の色は,〈黄・ピンク・青〉として,インクジェットプリンターと同じく,この三色の組み合わせで色ができるようになりました。
●色グループに出会う
その後,豊田さんたちによる色グループに出会います。
これは,わたしにとっては,大きな曲がり角になりました。
例えば,クリスマスツリーを作るのに,それまでだと,緑一色でするか,7色とも使うことになります。単調かごちゃごちゃしているかのどちらかになります。
しかし,色グループを使うことで,例えば,緑グループだと黄緑・緑・深緑・青緑と4色使います。
これだと落ち着いたいい感じのクリスマスツリーができることは想像できると思います。
そして,豊田さんたちの色グループの優れている点は,この4種の緑色の染料を用意するのではなくて,染料を混色して作るのです。
●わたしが色づくりを始めた2004年ごろは北海道の豊田さん提案のものを使用。

8色セットから18色を作るのです。単色は7色,二色混合が9色,三色混合が2色です。18色のうち,混ぜて11色つくるというわけです。
(詳しい説明:豊田さんは5つの色グループで,各色グループは5色づつです。これだと25色になります。しかし,例えば,黄緑は緑グループにも黄色グループにも所属しているので,重複が7色あり,18色です。)
●5色6本セット
2007年か2008年ごろ。豊田さんの色グループの数を5から4にして,各グルーの色数を少なくしても色グループとしては使えるということで色数を4つに減らすとともに豊田さんの染料セットにあった紫・緑・黒をなくして5色としてセットした。これが現在仮説社で販売されている5色6本セット。

(詳しい説明: 4つの色グループにして,それぞれ4色,全部で16色になります。しかし,2色は重複しているので14色というわけです。)
●「みんなのおりぞめ 三色セット」
2016年『みんなのおりぞめ』の出版に合わせて,染料を最小本数にすることにしました。将来の世界進出のためにも,最低どれだけの染料があればいいかということで決めました。染料をインクジェットプリンターのイエロー・マジェンタ・シアンに合わせて黄・ピンク・青の三色だけとしてそれから12色のセットとして使うことを提案。これが現在仮説社で販売の3色セット。

(詳しい説明:色グループは4色グループで,各色グループ3色で,計12色です。)
●2022年〈学校でおりぞめ〉の標準として〈これカラー〉のセットとして使うことを提案。
『みんなのおりぞめ』と同じ黄・ピンク・青の三色セットを使う。そして,色づくりの〈三色混合〉を使わないでより色数を減らした。

●2022年おりぞめキャンプ用セット
我が家で行うおりぞめキャンプ。とくに〈学校でおりぞめ〉を意識しないで,おりぞめを楽しむという点で用意するときの色のセット。5色6本セットに加えて,単色のオレンジ・グレー・茶を用意する。内容によってセットする色は変えているし,途中で変わることもある。

●奈良ビジターセンター 9色
2023年5月から奈良ビジターセンターで外国からの旅行者向けに,〈たった一枚染めてもらう〉というおりぞめ体験を実施しています。
この時の染料セットはこれから9の9色ですが,学校とは違って,単色の染料を使っています。
(単色)黄・橙・赤・ピンク・紺・青(二色混合)紫・緑・黄緑
どうしてこのようにしている?という問いには,今の時点ではこの方がいいとわたしが思っているということです。

●遊者のParty
2025年はおりぞめ来楽部で遊者のPartyというのを実施ます。
基本としては,5色6本のときの14色というのは決めました。単色の染料を増やそうと考えていますので,どれを単色で行くか混合色で行くかは最後まで決まっていません。
決まっているのは,<黄・赤・ピンク・青・紺〉の5色に〈橙・グレー・茶〉の合計単色8色。
〈黄緑・紫・青紫〉の3色は混合色。残り,〈緑・深緑・青緑〉を単色で行くか混合色で行くかを決めかねています。ただ,混合の場合は,三色混合ではなくて,二色混合で行きたいと思っています。

●おりぞめ染伝人流
おりぞめで用意する染料がこれでなければならないということはありません。
わたし自身が内容や状況によって,
・おりぞめの初めて体験・ステンドおりぞめで着色…3色 基本の3つでいろいろな色ができる体験
・学校でおりぞめ…6色で十分。掲示物によっては色グループが効果的。こいのぼりだと赤グループと青グループとか,七夕やクリスマスツリーだと緑グループというふうに。
・大人の楽しみ的として…9色あれば楽しめます。
・フルバージョンとして14色。
これらはスタンダードと考えて,あとはその時々で変えればいい。
例えば,染料の濃淡。絞りおりぞめだとわたしのスタンダードは紺と青と赤。
色の並べ方もわたしは色相環をイメージしていますが,一直線に並べるのもありです。
わたし自身は,スタンダードを決めておくことで楽に準備とかできます。そして,時にはスタンダードから外れるのも楽しむというわけです。
それぞれの〈流〉でやればいいと思います。
わたしはこうしているという報告でした。

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