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#70: こんなときだから♪ストラヴィンスキー〜不協和音の魅力「ペトルーシュカ」

ストラヴィンスキー:バレエ『ペトルーシュカ』より 「ロシアの踊り」〜「ペトルーシュカの部屋」(1911)

#64 -70のテーマは「可愛い? 怖い? それでも魅力的な人形たちー人形と音楽」

舞台はロシアのサンクトペテルブルクの市。メリーゴーラウンドやブランコ,様々な屋台が並んでいます。そして,伝統的な操り人形のショーが始まります。怪しげな人形遣いが笛を奏でると,人形たちは命を吹き込まれ踊り出す……..。

このペトルーシュカはオガクズで作られた人形であり,人間に憧れたり恋をしたりという心を持っていますが,周りからは邪険に扱われ,絶望の象徴として描かれています。

音楽は,前作の『火の鳥』で時代の寵児となったイーゴリ・ストラヴィンスキー(1882-1971)。カーニバルの賑わいや喧騒,そしてペトルーシュカの悲劇的な環境と絶望を不協和音で巧みに表現しています。詳しくいうと,ハ長調と嬰ヘ長調が同時に演奏されるという複調性で描かれており,初めて楽譜を見たオーケストラ団員からは,あまりの斬新さに笑い声がおこったとか……。

また,このペトルーシュカの振り付けも,今にも崩れそうな弱々しさを表すように,終始身体の軸がわからないようなポーズで踊り続けなければなりません。これが,本当に超絶極まりない。今日の演目の中でも,男性ダンサーにとって最もチャレンジングなキャラクターの一つであると言っても良いでしょう。

このように,舞台装置・振付・ダンサー,そして音楽とすべてが斬新でセンセーショナル。

家主は上京して,出来たばっかりの新国立劇場で見たのがこの「ペトルーシュカ」でした。東京はやっぱりすごいなーーーと思ったものです。はやく生の舞台が見たいですね。

本日は,伝説のダンサー,ルドルフ・ヌレエフのペトルーシュカをお楽しみください。素晴らしいです。

今日もみなさんにとって,素敵な一日でありますように!


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