#26: こんなときだから♪合唱
ヴェルディ: 歌劇「ナブッコ」より 「行け、我が想いよ、黄金の翼に乗って」
今週のテーマは「翼を広げて青空へー鳥の音楽」
「日本の文化,として思い浮かぶものは?」と質問されたらあなたは何と答えますか?
歌舞伎,茶道,着物,アニメなどなど……それぞれ思いつくと思います。
それでは,イタリアの文化といえば?
イタリア人はきっとマンマのパスタとオペラと答えると思います。
本日お送りする作品は,イタリア国民に最も愛されている合唱曲であり,イタリア第二の国歌,いや,本物の国歌にすべきだ! と声の上がるほど,イタリア人が大切にしている曲です。
残念ながら,日本人にとって第二の国歌と呼べるほど国民から支持を集めている曲は見当たりませんよね。そのことからも,イタリア人にとって誇り高き文化としてオペラを大切にしていることがわかります。若者のオペラ離れはあるようですが,この曲だけは特別なようです。(Youtube のリンクにも表記されているように,サッカーのイタリア・ナショナルチームの応援歌だそうです!)
作曲者のジュゼッペ・ヴェルディ(1813-1901)は,プッチーニと並び,19世紀に花開いたイタリアのオペラの大家です。
旧約聖書をもとに,エルサレム国王ナブッコを主人公としたオペラは,ヴェルディにとって3作目にあたり,この作品の成功によって不動の人気を手に入れた,と言われています。
第3幕第2場,エルサレムからバビロンに連行されたヘブライの奴隷たちが故郷を思って「行け、我が想いよ、黄金の翼に乗って」と歌います。世界中を揺るがし続けるコロナに負けぬよう,家主は昨夜,黄金に輝く月にむかって願いました。これ以上の犠牲者が出ぬよう,そして,皆さんの健康と心の平穏を祈るばかりです。
この曲を聴いていると,思いや願いは自由に羽ばたく鳥のように,遠くにいる大切な人にも届くような気持ちにしてくれます。
今日もみなさんにとって,素敵な一日でありますように!
歌詞についてはイタリア文化会館の記事をご参考ください