マナイズムレクイエム制作秘話~キャラクター制作の裏 ソフィア編~
どうも皆様こんばんは、織坂一です。
今回、満を持して(もとい時間的に余裕がなかったので後回しにされまくった)ソフィアのキャラクター制作裏側となります。
ちなみに、同一人物に間違われがちのヘレ・ソフィアについては(別人ですし)またの機会に語らせていただきます。
前回のキャラクター制作秘話である『原初の災厄』編はこちらです↓
では、ソフィア編をどうぞ!
ソフィアの人物像
「はい、これすごく語りたかった~!」とか思ってましたが、割とTwitterとかで呟いていたようなとなっていますが、改めてソフィアの人物像を色々明かしてしまいましょうか。
まず1つ。忠臣キャラですね、ここはよくTwitterで狂うように呟いていました。
元々、彼には中間管理職という渾名がありまして、多分プロットの時点で中間管理職には就いていました。多分。
その中で、リアム君と対照的にしたいのと織坂の性癖の1つである忠誠心高めのキャラが欲しいという欲に従った結果、ソフィアが出来上がりました。
そして2つめ、マゾです。これは『ゲヘナ・ハーモナイズ』でお察しの方も多いかと思います。
これはマナレク本編を執筆してから追加されたのですが、割とリアム君並みに身を削りそうな感じがして、「このままではリアム君と同じになってしまう……!」と頭を抱えた結果、自ら喜んで身を削ってもらうことに。は?
さらに3つめ、ナルシストです。前作を読んで下さった方ならばもうおなじみですね。
例のパピルスの件然り、能力の可視化然り、自己肯定感低いし自分のこと嫌いなはずなのによくもまぁここまでナルシズム拗らせられるなというのがソフィアです。矛盾オブ矛盾。
この3つが見事重なった結果、あのようなキャラクターとなったのですが、まぁ扱いが色々酷かったです。
後、後々に追加されたのですが、超人設定ですね。
一応彼は中ボスなので、そこそこ強くなければ話になりません。まぁここは能力解説で明かすとしましょう。
ソフィアもソフィアで色々と抱えた子
これも『ゲヘナ・ハーモナイズ』で詳細が明かされましたが、ソフィアもソフィアで悲惨な過去を抱えています。
内向的な性格であるがゆえに親から見放されるわ、弟からは馬鹿にはされるわ、挙句に家を追い出されて問題のある使用人を押し付けられて辺鄙な村に飛ばされるなど、散々な目に遭っていますね。
おかげで生きていくために自身の智慧でなんとか食いつないでいくのですが、バチクソビビリのソフィアは相談役に向いていません。
元々、ソフィアもリアム君も根っこは似ている設定があったので、幼少期の彼もリアム君同様ビビリです。
なので、はっきりいえば相談役なんて向いていないんですよね。けど、そこはなんとか頑張ったのでした。
後、彼の容姿も彼のコンプレックスの1つです。
マナレク本編開始時では、既にナルシスト拗らせていたので自分は世界一美しい認識となっています。
ですが、アールミテ家屋敷全焼事件が起こるまでは、特徴的な瞳の色や髪の色が大嫌いだったようです。
それは彼が人外めいた美しさの持ち主という裏返しなのですが、美しすぎるのも罪ってやつですね。
マナによって変わった人生
これはソフィアの人生を変えた出来事ですね。彼の人生はマナによって狂っています。
幼少期の頃はマナに救われ、大嫌いな学校にもなんとか通えて、たまにマナに助けられるなどしていました。
しかし、ここで彼女に恋心を抱くもリアム君がいたため、兵役のお達しが来たのを機に一旦身を引くことに。
ただ、マナが1人寂しい思いをしていると知れば、やれ養うだのなんだのと手紙を送り付け、やがてマナから手紙が返ってこなくなりました。そりゃあそう。
そして恋心を拗らせた彼は、自分の未来視を使って普遍無意識という概念を知ると速攻それを利用して、遠隔的にマナの様子を逐一確認するというストカー行為に出ます。
そんな中、マナがリアム君が返って来るように村の結界を弄った際も、マナに被害が及ばない様に遠隔から結界自体を弄りました。これのせいでリアム君への防御作用に出なかったのです。(これは初情報かと)
ソフィアがマナを見守ってから2年後、いよいよあの悲劇が起きます。
『ゲヘナ・ハーモナイズ』を読んでいただけるとより彼の心情が分かるのですが、マナが『ゴースト』に喰われてから彼は足掻きました。
しかし、どれだけ足掻いてもマナを救えず、そんな中で『原初の災厄』と出会います。
『原初の災厄』と出会った際、『原初の災厄』は既にマナの身体を依り代にしていたのですが、ここでソフィアは自分の知っているマナとは違うと気づきます。
ですが、意識を同伴させた今目の前にいるマナには、少なからず『原初の災厄』に通ずるところはあると理解。以降、彼は『原初の災厄』の忠臣となったのでした。
つまり、ソフィア・アールミテという存在もマナによって救われて、マナによって人生を壊された1人なのです。
最悪で過酷すぎる過去
リアム君の回では語り忘れたのですが、ソフィアの過去もマナレク本編執筆当時にはなんとなく決まっていました。
元々彼は伯爵家の長男ですが、父親によって疎まれてあの村へと捨てられます。
そして、徴兵令が出たのを機に村を出ますが、その後に自身の肉親を屋敷もろとも燃やします。
その後に彼は家督を継ぎ、没落しかけていたところをなんとか回復させて、今では若当主となったという部分まではです。
『ゲヘナ・ハーモナイズ』を執筆するにあたり、父親から疎まれていたのは内向的な性格ゆえ、「次期当主には相応しくない」といったのが追加されています。
後は、この性格ゆえに母親や弟からも馬鹿にされており、屋敷に幽閉状態で勉強は全て独学とかもです。
これを見る限り、リアム君や続編にて登場するカゲフミ並みの不遇な子で、こんな家庭環境じゃあ自己肯定感なんて低くなりますわ……。
挙句にはあの辺鄙な村に飛ばされて、「伯爵家の長男のくせになんでこんな場所にいるんだ?」というのをきっかけに周囲から色々嫌がらせを受けるなど、散々な人生ですね。
ですが、彼もまたマナを救う大義というか、今後マナの身柄を預かってもいいように肉親たちへの報復を開始します。
そして色々あり、父親が抱えていた借金を全額返金。さらには家の建て直しをするどころか、侯爵とも交流を持つようになるなど、「お前本当に15歳そこらか!?」とツッコみ満載でした。
しかし、肉親という枷がいなくなったことで自身を表立って虐げる人間はあの村にしかいないと思い、彼は人生そのものを建て直しました。
他人と視線を合わせることすら怖かった臆病者(とはいえ、これは村の人間がソフィアにエグいことしてたために悪化しただけですが……)が、自身の上の立場の人間と話したり、交渉を行ったり、表では慈善活動などを行うなど社交的になります。これはソフィアの努力といえるのではないでしょうか。全ては自身へ関わった者全てへの復讐とマナへの愛です。
このハングリー精神も、リアム君への対比としています。
リアム君とは正反対なキャラクター
リアム君のときも書かせていただきましたが、ソフィアとリアム君は正反対なキャラクターです。
根は臆病者で、凄惨な過去を送って来たまでは同じなのですが、マナへの愛によって働いた行為が逆なのです。
リアム君は少なくともマナの身を案じていたとはいえ、全ては自分のために戦いに身を投じました。
ですがソフィアの場合は、マナへの愛1つで世界全てを敵に回すような真似をしています。
正しくは『原初の災厄』へなのですが、それでも自身の愛した主のために、どこまでも身を尽くし、作中にもある通り、魂や体を使い潰されようとも関係ない(むしろそこまでして当然、それこそ愛の証明)というのがソフィアの理念です。
おかげでリアム君の株に色々影響しましたが、本当にこいつは自分よりもマナや『原初の災厄』を選んだ格好いいやつ……で済ませるとお思いで?
この裏に関しては、続編の『マナイズム・レクイエム ~Allrgory Masssiah~』にて少し改変しています。
むしろ、マナ個人ではなく愛情に対して狂った男に近いですね。それはどうぞマナレクAM本編にてどうぞ。
詠唱について
詠唱についてですが、もう正に忠臣というキャラクターを全面的に押し出した感じですね。
結構ソフィアは詠唱自体組み上がっており、使うワードも結構決まってました。織坂の考えた詠唱の中では珍しい方です。
というのも、彼が忠臣(というより、リアム君という悪食の狩人を裁く執行官)ゆえに、大体使えそうなワードというか、思い浮かんだワードがそうなかったのです。語彙力のなさ……。
ただ、修正して投稿している最中に「あーでもない、こーでもない」と何度もリテイクを出しています。更新当日まで直してましたもん。
ただ、この詠唱もリアム君と対比しています。
例えば、「俗世と人は強欲に塗れ、己の欲を留める術など委細知らず」の後に続く「故に鬼畜。見るに堪えないその様を、この世の泰平を担うことを私は赦すことが出来ない」の部分は自分が裁く側であり、欲に塗れた人間を許せないという意思表示があります。
マナレクシリーズにおいて、詠唱は個人の人生や性質を現すものなので、ソフィアは不正や秩序なきものを嫌っています。(あんなことをしておいてか!?)
また、リアム君が自身のしていることは本当に正しいのかという葛藤も欲しかったので、リアム君の理念は悪だと否定する要素は必要不可欠です。
結果、彼の詠唱は忠臣らしくもリアム君とは別のベクトルでマナへの愛を現すものとなりました。
『原初の災厄』との決戦編においてもそれは変わらず、むしろこのときは自分の全てを捨ててフルバーストで攻撃を仕掛けているので、より厄介になっています。肝心な出番全部取り上げられたけどね!
能力について
ソフィアは織坂からの寵愛を受けに受けまくった不幸者なので、能力に関しては最強ともいえます。
最初、ソフィアの能力は氷結能力でしたが、「これじゃありきたりじゃ!嫌なんじゃ!」と駄々を捏ねた織坂はより厨二的能力にしようと決意するのですが、ここだけサイエンスファンタジーじゃねぇか―――ッ!!
なんなんでしょうね、分子結合とか分解とか操作とか。おかしすぎるでしょ。
ただでさえ頭の悪い私は、この能力に矛盾はないか色々と学生時代に学んだことを脳味噌フル回転で振り返りましたが、なにも成果は得られませんでした。
結果、「これってどうなるんや……!?」とGoogle先生やとても分かりやすい解説を見て、大丈夫かと調節を取りこうなりました。
ちなみに氷結能力に見せていたのは演出であり、後は読者の皆様の予測を裏切る行為ですね。
後、彼が主人公の『ゲヘナ・ハーモナイズ』を執筆するに辺り、ソフィアは未来視が出来るという設定も追加。
だけでなく、呪術への知識も豊富であり、さらに未来視を用いることで未来にて確立される法則などを知るなど、超絶反則野郎と化しました。
分子操作も未来視によって得たものですが、マナレク本編執筆当時はそんなことまで考えていません。
あくまで、ソフィアが実は神様の一部だったというのを補完するためにこのような設定が追加されました。そもそも、神様の一部設定も後付けですが……。
そういや『ゲヘナ・ハーモナイズ』でお前どうなった?
これは『ゲヘナ・ハーモナイズ』を読んだ方で思った方がいるかもしれません。
実は、『ゲヘナ・ハーモナイズ』には幻の17話が存在します。
ただ、これについては織坂の完全な性癖によるものな上、ちょっとインモラルだったので、「性癖開示は嫌や!」と駄々を捏ねた作者の手によって抹消されました。作者こそ作品における最強人物とは正にこのこと。
ちなみに、ソフィアはあのまま死ねればよかったのですが、続編のマナレクAMで肉体が回収されているということは死んでないんですよ。
正しくは、ソフィア・アールミテという存在が死んだだけで、肉体はセーナに回収されたのですが、その際にソフィアは存在(意識)を消すためだけにセーナにあれこれされています。
「結局なにされたんねん!」と気になった方は、続編のマナレクAMで少し明かしますので、ぜひ良かったら読んでいただけると彼の不憫さがよく分かると思います。
最後に
大変長くなりましたが、ソフィアの設定や制作の裏側とはこんな感じです。
結構いってますが、私自身ソフィアは大好きです。
おかげで彼は外伝の主人公になったり、続編でも所々出演するなどあのような退場の仕方をしたとは思えないキャラクターとなっています。
『ゲヘナ・ハーモナイズ』で色々頑張ったものの、彼の魅力を存分に出せたかは不明というか自信はないです。
ただ、こいつもただのボンボン&マゾ&不憫な奴ではないんだぞと抗った結果と、リアム君とは対照的な忠臣という点を分かっていただけると嬉しいです。
かなり長くなってしまいましたが、最後まで読んでくださってありがとうございました!
今回はこの辺りで失礼します。