マナイズムレクイエム制作秘話~キャラクター制作の裏側 ラインバレル編~
どうも皆様こんばんは、織坂一です。
前回で『マナイズム・レクイエム』のキャラクター制作の裏側を全キャラ書ききりましたので、今度は続編である『マナイズム・レクイエム ~Allrgory Massiah~』のキャラクター制作の裏側になります。
また、今回からはまだ本編が続いているのもあるので、ネタバレを少々含みます。
なので、ネタバレを回避したい方はブラウザバックでお願いします。
では、1発目は主人公であるラインバレル君のキャラクター制作秘話です。では、どうぞ!
ラインバレルの人物像
これは第1回の制作秘話にても公言しましたが、ラインバレル君は生粋の善人キャラとなっています。
というのも、前作のリアム君がああだったため、「だったら、ピュアな子作るで!」と意気込んでいたのですが、物語が進んでいくうちにリアム君とよく似た香りがし出し始め、正直「こんなはずじゃなかったのに……ッ!」と崩れ落ちました。
また、現在は修正されてしまった幻の24話でも、カナタに対して3年の間に18回程詐欺に遭ったことを明かしていました。
さらに、彼は『原初の災厄』に騙されに騙され、1度死にかけています。
いや、5話でも十分危険な目に遭ったりなど、色々損をしやすい人間といった方がいいでしょうか。
どこか世間知らずな感じもあるので、そこは仲間であるカゲフミにツッコまれながら世間の厳しさを学んでいます。
後は、亡きお父さんの願いを継いで『正しき人間』であることにこだわり、努力を重んじて、不正などは大嫌いな性格です。
他にも他人に迷惑をかけずに気を遣ったり、発言なども気を配っています。
現に、仲間や他者を重んじる子でもあるので、目の前で誰かが苦しんでいたら手を差し伸べるような優しい性根の持ち主です。
ただ、正義感が強いことから、カゲフミとはよく衝突します。
結構、ラインバレル君は夢見がちなのでリアリストで常に冷静なカゲフミとは対極的ですね。
後は、リアム君との親和性についてですが、これはネタバレになる気がしたのであえて伏せておきます。
彼の憎悪の欠如
本編で結構強調されているのが、彼には憎悪という感情が欠落していることです。
そのため、彼は呪力が一切扱えず、家族の仇を討つべく『聖火隊』に入隊しようも門前払いを食らう日々を送っています。
これにはある理由があるのですが、現在本編でも明かされていません。
なので伏せさせていただきますが、この理由が彼の憎悪の欠如の大まかな原因です。
ただ、憎悪が武器であり通貨であるこの時代において、非常に希少価値の高い人物であることは確かでもありますね。
おかげで、カナタを初めとしたヒロイン3人(カゲフミとミシャ)はそんなラインバレル君が大好きです。特にカゲフミは。
また、『原初の災厄』もラインバレル君が大好きです。自分の大事な玩具ですからね。
彼の戦う理由
これは本編参照なので軽く明かしますが、建前としては『マタ』(リアム君の呪力による被害の1つ)で亡くなった家族の仇を取るためです。
しかし、実は隠された理由があり、これのせいでラインバレル君は後々自身の選択に戸惑います。
また、この理由が明かされたことにより、ラインバレル君の道は救世主か断罪者の2つに分かたれたのでした。
彼を救世主と断罪者に分けた理由
これは、先程の隠された理由が大きく関係しています。
同時に彼が過去とどう向き合うかによって、彼は救世主か断罪者になるかの分岐になってくるのです。
「断罪者と救世主ってなんぞや?」と思う方のために直接的なネタバレがないように説明すると、こんな感じです。
断罪者とは、この世の悪を憎んでそれを一掃する存在のことです。
ただ、この悪というものは範囲が広く、最悪ラインバレル君自身が気に入らない人間(悪とみなした存在)もまた断罪の対象となります。
そして救世主とは、読んで字の如く、この憎悪が通貨となった世界を救い、人々を守るための存在です。
そこに正しさはあるのかについてですが、断罪者にはほぼありません。ですが、救世主は他者のためにあるので……とはいえ、誰かを守ることが正しいとは一概にいえないので、なんともいえないですね。
結構な苦労人
ラインバレル君もリアム君、ソフィア同様、結構過酷な過去を送っています。
彼は9歳の頃には両親が他界しており、両親が『マタ』という病を発症してからは、ずっと生活費を稼ぐために子供でも出来る範囲で働いていました。
さらに、彼のお姉さんまで『マタ』にかかると、その分の治療費や生活費はまだ幼いラインバレル君が稼ぐことになります。
おかげで色んな危険なお仕事もしてきたのですが、本当にこれを見ると苦労人って感じです。
また先程紹介した性格も相まって、結構人間関係でもゴタついたことが多々あります。騙されたりとかね。
リアム君との親和性
これも本編のネタバレになるので、軽くになりますが、本編25~28話にて突如自身の中に紛れ込んできたリアム君との話を描いています。
そこで、ああだこうだと色んな理由をつけてはいるのですが、簡潔にいうとこんな感じです。(本編から抜粋)
生きる意味がないこと、大事な存在を失っていること、なにより自分のせいで大事な存在を失ったこと、これが彼らの共通点です。
他にも似ている面が多々あるのですが、そこはぜひとも本編を読んでいただけると嬉しいです。
詠唱について
ラインバレル君の詠唱はですね、一応頑張りました。前作の主人公達がそこそこキメてきた(作者目線)ので、ちょっとそれに対抗出来るような感じで。
コンセプトとしては嚇怒の面が強く、さらには「正しい者しか認めない、それ以外は全て許さない」といった、先程の断罪者寄りの詠唱となっています。
これも『原初の災厄』が深く関わっているのですが、最初はもう断罪者としてのルートまっしぐらではありますね……。
ただ、詠唱内ではたして弱者は悪なのか自身に問いかけていますが、それを全く理解していません。
詠唱コーナーで毎回解説していますが、マナレクシリーズにおいて詠唱は個々の人生を現わしています。
なので、これは断罪者ルートを歩みかけたラインバレル君の答えのようなものです。
また、64話での2つめの詠唱ですが、これは救世主寄りです。
主に彼の弱さや過去との決別を現わしており、そしてそれを乗り越えるべくの宣誓といったものでしょうか。
結構、こっちの詠唱は悩みまして、何度も修正していました。まぁ、大事な場面でしたし、今後も重要になってくるので。
能力について
「“我こそ地に墜ちて罪業を食らう破滅の使徒なり”」の方は、簡単にいうと汚染能力+カウンター攻撃付与です。
これについては、カウンター攻撃が結構リアム君を討つのに都合がいいためつけました。
というのも、この能力は呪力量によって効果が変わって来ていて、強大な敵程汚染しやすく、相手を自壊させます。
なので、リアム君のような強い相手かつ呪力量も多いと、その分攻撃力が加算されるのです。
また、さしてそこまで能力値や呪力量が多い人間でなくとも、汚染能力で自壊へと落とし入れます。ある種、逃げ場のない能力ですね。
そして、「“我は血を継ぎ、罪過の先を往く者 渇すれども盗泉の水は飲まず”」の方は、自身を通して相手を機能停止に陥らせる訳分からん能力です。
つまり能力の無効化であり、また相手を機能停止に陥らせるので反則もいいところです。
正直私自身、これはやりすぎかもしれないと思いましたが、後々に待ち受けている敵のことを思ったら、これぐらい出来ないと話にならないんですよねぇ……。
キャラクターデザインについて
これはpixivの方で上げていますので多くは語りませんが、『業火の仮面』(あのV系っぽいマスクのことです)や、呪力の貯蓄用である呪具(ピアスや指輪)を身に着けていることから、少々軟派的なイメージが強いですね。
決して強そうな感じなどなく、むしろなよなよしている男をイメージしたいのはあったのと、後はあの格好がほぼ『原初の災厄』によってコーディネートされているので、着せられている感もあります。
これも、彼が『原初の災厄』の傀儡として扱われていることに起因しています。
また、身長も体重も平均よりも少し上と、本当に平凡な感じを全面的に出しています。
キャラクターデザインはこんな感じです↓
最後に
とまぁ、ネタバレを含むので大体端折った部分もありますが、ラインバレル君のキャラクター制作の裏側はこんな感じです。
リアム君とは違い、また違った人間臭さがあり、恐らく織坂の作品において1番主人公をしているキャラクターですね。
とても魅力的なキャラではありますが、第4作目では結構やらかしてくれます。
では、今回はこの辺りで失礼します。