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綺譚花物語

今年初めて購入したのは「祖母の母校が舞台で、しかも在学していた時期が漫画化されている」という稀有な作品。原作者の楊双子さんは未読ですが「台湾漫遊鉄道のふたり」を書いたということで存じていました。本書はあまりにもピンポイントで私が読むべき作品と思えたので、こちらを先に読むことにしました。
未読の方もいらっしゃると思うので、詳細な内容への言及は避けますが、私の祖母と姉妹たちが卒業後は職業婦人の道に進んだのとは対象的に、物語の中の同級生たちは結婚という問題に直面していたことが印象的でした。私の曽祖父は女子教育に関する仕事にも携わっていたのですが、少女たちをめぐる状況にも関心が深かったのかもしれません。安定した仕事についてはいても、決して裕福な家庭ではなかったそうですが(大叔母のセーラー服は祖母が仕立てたそうです)、息子だけではなく娘たちにも高い教育を受けさせたのは曽祖父なりの考えがあったのではと改めて感じました。
ところで訳者注にあったのですが、祖母の母校の校則は自由な校風で有名な私の母校とは違ってかなり厳しかったそうです。女生徒でも容赦なく「手を後ろに組め!! 歯を食いしばれ!!」という厳しい声が先生から飛んだこともあったと母づてに聞いたことを思い出しました。
改めて物語に描かれた場所をじっくり訪問したいという気持ちが強くなりました。作画の星期一回収日さんにも感謝の気持ちで一杯です。時代考証の面でご苦労も多かったことでしょう。親族にもぜひ本書を紹介したいと思います。

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