“隻腕”クライマーのパラクライミングTALK⑫
片腕のクライマー・大沼選手が主催する、パラクライマーたちによるインスタライブ。日曜日の夜に不定期でゆる~く開催。悪ふざけだったり、パラクライミングへの熱い思いだったりが繰り広げられています。
▼今晩のお相手は…
▼オフの日は何をする?
大沼和彦(AU1):きょうも登ってきたんですか?
高野正(RP3):きょうはオフにしました。
大沼:クライミング以外にオフの日ってすることってあるんですか?
高野:何もしない。
大沼:自分もそうですね。なんかクライミングしかやることがないというか。高野さんはいつも登っているイメージなんで、オフの日でも登りに行ってそう。
高野:行くと登っちゃう人から行かない。それで何もしない
かなぁ。ストレッチとかやってるかな。
大沼:なんかクライミング以外に趣味ってあります?
高野:何もない。仕事ぐらい。
大沼:自分も最近は仕事かクライミングしかしてない。旅行って行きます?
高野:あんまり行かないな~
大沼:高野さんの場合、ジム遠征が旅行ですよね(笑)
▼おすすめのジムは?
大沼:荻パン(B-PUMP 荻窪)っていいですね。
高野:1回ぐらいしか行ったことない。
大沼:自分も1回しか行ったことないんですけど、カンテウォールとか、タワー壁みたいのとか、すごく広くて楽しい。課題がめちゃめちゃ辛い。
高野:確かにコンペ課題が多い気がする。
大沼:ふだん6級はアップで登っているが、荻パンの6級を登ったら、どんだけやっても登れなかった。なんか2グレードくらい違うんじゃないかっていうイメージでした。
高野:俺も2級で必死だったな。最近いろんなジム行くけどさ、課題の数だとか、ホールドのバリエーションとか、自分の中で、面白い面白くないっていうのがある。ラインセットだけだと課題数が少ない。まぶし壁だと自分たちで課題を作って登り合える。
大沼:ラインセットだけで、まぶし壁がないと物足りなくなって終わっちゃいますね。ましてや片手だから、登るものがなくなる。
高野:リードでおすすめは、ロックランズ(東京・葛西)とベースキャンプ(埼玉・入間)かな。ボルダリングでいうとアオロク(茨城・鹿島)。課題数が半端ない。あと川越にあるロッククラフトに行ってきたんだけど、ボルダーがすげえ面白い。
大沼:楽しさで言ったら、カンテウォールができた水戸ゼロ(クライミングジムゼロ@茨城・水戸)。
▼課題のセットはどうしてる?
大沼:トレーニングするんだったらボルテックス(茨城・笠間)。店長さんが自分のために、激悪な課題を作ってくれる。本当に鍛えられました。
高野:そういうの欲しいんだよね。
大沼:高野さんは自分でセットすることが多いですか?
高野:周りのみんな作ってくれるときもあるけど、12前半くらい。一人、14クライマーがいて、ときどき「高野くん用の課題作ったよ」って言って、13aとかdとか、左足を少なくして、俺でも登れるような課題を作ってくれる。
大沼:リードでそういう課題を作ってくれるのはすごくありがたいですね。
高野:13台になると、作れる人が限られてきちゃう。
大沼:課題の設定って個性出ますね。
高野:めちゃくちゃ出るね。
大沼:足技の細かさだったりとか、ダイナミックな動きが好きだったりとかね。
高野:カチが好きだとか、ガストン好きだなとか。
大沼:自分が作るときもガストンが多くなっちゃいますね。
高野:俺なんか体幹で登るルートが多いのかもしれない。會田祥くん(B1)がエナジークライミングジム(さいたま市)に来てくれて「あれ、高野さんが作った課題ですか?」って言ってくれて。「左足があんまりなかったんで、高野さんが作った課題だと思った」って。
大沼:すごいな、祥くん。見えていないのに感じ取ってる。
高野:見えないからこそだな。
▼前回のジャパンシリーズについて
高野:次の日本選手権は、ルートセッターのマーシーさん課題を完登したい!前回大会の決勝課題を登れたら、間違いなく世界で金メダルとれる。
大沼:あのボテのところ、どの選手も決まりそうで決まらない感じだった。
高野:結城周平くん(AL2)も足はめてたじゃん。俺は、あそこに入ること自体できなかった。
大沼:ニーバーなのか、体を入れてサンドイッチさせるのか。なんかいろんな選手がいましたね。
高野:あそこはニーバーでしょ。間違いない。
大沼:高野さんが落ちた、あのでかい2つのホールドがあるポイントって、リクションも悪い?
高野:右手のはめちゃくちゃ悪い。
大沼:ちっちゃいカチみたいなのを中継して行く感じでしたよね。右手は抑えられなかった?
高野:効いてない。薄い角度で効いてるか効いてないかなってくらい。あんなホールドあるんだって思った。
大沼:あそこって傾斜もあるんでしたっけ?
高野:傾斜は多少ついてる。
大沼:次の左のホールドも同じような感じ?
高野:左もカチ。持てるカチなんだけども、その時点でもう腕にきてたから。
▼自分の腕と会話しながら登っている
大沼:登っていて感情的になることはありますか?僕はゴールを取ったときは「よっしゃー!」ってなります。
高野:感情的になることはあんまりないかな。
大沼:声を出したり?
高野:出さない。自分自身が相手だから。
大沼:「俺の腕、なんとかつかんでくれー!」って。
高野:腕と会話はするかも。
大沼:「どうなんだい」とか「いけるのかい、いけないのかい」とか言うんですか(笑)
高野:それはない…でも、ワールドカップのときは、自分の手と会話しながら登っていた。
大沼:大内秀之さん(AL1)が企画してるキャンパラバトルはスタッフ参加します?
高野:参加する。みんなコテンパンにしてやる。
大沼:出るんですか(笑)
高野:アンジェリーノ(オーストリア代表のAL1選手。車いす)がキャンパでリードやっている動画をあげているじゃない。俺もあれやってみようかな。
(了)
▼障害別クラス分けについてはこちらの記事を↓
▼“パラクライマー”大沼和彦【日曜日のインスタライブ】22年10/23
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