お隣さんはかわいいんだけどとにかく雑な人
ピンポーン♪
○○:はーい
夜19時前
この時間に来る人はほぼあの人で確定だ
史緒里:こんばんはー
お隣の久保さん
OLさん
手には……え?
……寸胴鍋??デカいな……
史緒里:○○くん、ご飯食べた?
○○:いや、まだっすよ?
史緒里:よかった〜!あのね、作りすぎたから一緒に食べない?
○○:ほんとですか?いつもすみません
史緒里:いいのよ、いつも作りすぎて食べてくれるんだからこっちが助かるよ
○○:今日は何作ったんですか?
史緒里:今日はね……これ!
寸胴鍋の蓋を開ける
○○:……え??
中には……
○○:あ、あの……久保さん?
史緒里:なに?あ!お口に合わないかな?
○○:いや……美味しそうだし俺好きなんすけど
○○:……なぜ寸胴鍋にから揚げ入ってるんすか?
史緒里:えっ?!いやぁ〜○○くんをね、驚かそうと…
○○:……久保さんまためんどくさくなりました?
史緒里:ぎくっ…!
○○:(わかりやすい人…)
時々、こうやって俺にお裾分けしてくれる
料理は美味い
だが今日みたいに雑なことが多いのだ
○○:てかなぜ寸胴鍋なんです?
史緒里:お皿出すのめんどくさくて目の前にね、これあったから…あはは
○○:……から揚げを寸胴鍋に入れないすよ…
史緒里:ま、まあまあ!味は保証するから!ご飯食べよ!ね?
○○:いいんすけどね…あの久保さん
史緒里:え、なに?
○○:あの……今日はなにかあったんですか?
史緒里:えっ?なんで?何もないよ?
○○:そうなんですか…
史緒里:…なぜそんな憐れむ目してるのかな?
○○:…久保さん…何か忘れてますよね
史緒里:ん〜?なにが?
○○:気づいて…ないんすか?
史緒里:だからなに!
○○:……なんでそんな格好してるんですか?
史緒里:ん?……あぁあああぁ?!
久保さんは全身見回してようやく気づいた
○○:……
史緒里:あ、あ、あのね…違うの…//
○○:いや、いいんす…人には色々趣味ありますから
史緒里:ちがーう!趣味じゃないの!
○○:じゃあなぜ猫耳?
史緒里:今度新年会の余興で使うから試しに付けて外すの忘れただけ!
猫耳付ける余興ってなにやるんだ?
そっちが気になる
○○:なるほど……
史緒里:わかってくれた?
○○:はい、てか久保さん猫耳似合ってますね
史緒里:へっ?!えっ…?!
○○:かわいいすよ
史緒里:お、おてなをからかうにゃ!//
顔を真っ赤にして抗議するが噛んでるし
おてなって…猫になってるし
史緒里:あぶっ
慌てて外に出ようとして扉に激突
○○:ほら、久保さん、中入って…手当てしてご飯食べましょ
史緒里:……あい
こうして大人しくぶつけたおでこを手当てして久保さんが持ってきたから揚げをおかずにご飯を食べた
しかし、猫耳は付けたまま
また忘れてる…
俺はわざと何も言いませんでした、面白いから
久保さんは雑でおっちょこちょいでもあるのでした
史緒里:から揚げ美味しい〜♪
○○:(なんで猫耳気づかないかな…もしかして気に入ってる…?まさか…)