優秀で鬼のように厳しい副会長は実はツンデレな女の子 18.5
遥香:さく〜機嫌直してよ…昨日謝ったじゃん…
さくら:ふんだ…いっぱいかっきーのこと心配したんだから…知らない
遥香:さくー!ごめんって!
さくら:…お友達とちゃんと仲直りしたのね?
遥香:した!これからも連絡しようて約束した!
さくら:じゃあみたらし団子奢ってくれたら許す
遥香:さく〜!
さくら:んにゅ…ぐるじいよ…かっきー…
急にさくらをめいっぱい抱きしめる遥香
しかしさくらは嬉しそう
和:二人とも…ここは駅のホームなんですからね
遥香:あ!ごめん!
和:私にも奢ってくださいね?何にも教えてくれなかったんですから
遥香:あぅ…はい…
さくも和ちゃんも笑顔で私をいじってくる
友達ってやっぱりいいな…
『遥香!』
私を呼ぶ声がした
遥香:菜緒!保乃も!
保乃:間に合ったわ〜
遥香:見送りなんてよかったのに…
菜緒:ちょっとしか会ってないんやから見送りに行くやろ…親友なんやから
遥香:菜緒…
わだかまりはなくなりあの後もLINEグループを作り直し深夜まで話をした
ホテルに帰ってさくが貧血で倒れたり私を心配して寝てなかったと聞き謝った
さくは泣きながら怒ってたけど私の事を心配してくれた
…友達って最高だよ
菜緒:遥香、あの人達おる?ちゃんと謝りたくて…
遥香:○○さん達?え〜と…あ、あそこだ
ホームの端のほうに○○さん、岩本さん、会長さん、筒井さんがいた
あと背の高い美人な人…あれ?確か…
さくら:梅澤さんいるね?
遥香:あ、さくの代わりに私見ててくれた人だ
さくと和ちゃんは菜緒と保乃に挨拶を済ませてた
保乃は「二人ともめっちゃかわいい!」と騒いでる
でも気づきなって…
「おい!?あの制服の子達ヤバくね?」
「めっちゃかわいい…」
「なあ?あの目がパッチリした子かわいいよな?」
「俺はあの背の高い美人な子だな」
うちの男子達も騒いでる
菜緒は聞こえてるらしく恥ずかしそうにしてた
これが本来の菜緒
菜緒の腕を掴み、
遥香:ほら、野次馬達は気にしないで行こ!
菜緒:あ、え?う、うん
強引に連れて行くのでした
○○さん達に近づくと○○と岩本さんが話している
他の人は見てるような感じ
○○:だからよ、何度も言わすなって
蓮加:それは言うわよ、納得いかない
○○:解散は解散なんだよ、ここまでわかったらやりずらくなる
蓮加:私達が信用できないわけ?
○○:そういう話じゃねぇんだよ…
揉めてる?でもそこまでもないし
解散とか信用って何の話?
遥香:あの…お話中すみません
蓮加:賀喜さん?あ、あなたは
○○:小坂菜緒じゃねぇか
私達が来たおかげなのか、周りの人達の空気感が緩んだ気がした
祐希:……あの子、めっちゃ可愛くない?昨日見れなかったからさ
あやめ:改めて見るとお人形さんみたいですわね
会長さんと筒井さんの褒め言葉に顔を真っ赤にして俯いてる菜緒……昨日とギャップが違いすぎる
遥香:菜緒が皆さんに謝りたいって言ってまして
○○:別に謝る必要なんてねえよ、解決したんだろ?
あやめ:同じくです、お互い分かり合えばいいですわ
蓮加:小坂さん、昨日はごめんなさいね
菜緒:い、いえ…皆さん本当にすみませんでした
深々とお辞儀する菜緒
蓮加:そんなに謝らないで…
○○:謝るなら蓮加だな
○○さんは岩本さんを見てニヤニヤしてる
蓮加:……あとで覚えておきなさいよ
○○:おー!こわっ!
……全然怖がってないし
菜緒:…あの時はああされてもしかたないし、むしろ分からせてくれたので感謝してます
蓮加:感謝だなんて…
菜緒:それから…帰ってからおじいちゃんには菜緒の気持ち全部話しました…
○○:じいさんはなんて言ってた?
菜緒:子供が気にするなって、なるようになるし諦めてるわけじゃないからって…菜緒は菜緒の人生を楽しみなさいと
あやめ:良いお爺様ですわね
菜緒:はい、話してよかったです
○○:親父さんはまだなんだな?
菜緒:はい、まだ連絡とれなくて…
すると○○さんはバックから一枚の封筒を渡す
○○:これを親父さんに渡してくれ、渡せないなら住所書いて郵送でもいい
菜緒:これは?
○○:脅迫状かな
遥香:は?
菜緒:え?
○○さんは笑ってるからほんとに脅迫状ではないんだろうけど
菜緒は渡された封筒をまじまじと見てる
菜緒:飛鳥馬○○さんって言うんですか?
○○:ああ、俺の名前だ
菜緒:飛鳥馬…どこかで聞いたような…
○○:お、そろそろ出発するぞ
美波:…○○様、誤魔化し方…列車は来ていません
菜緒:あの…もしかして○○さんて…
○○:俺はただの高校生だよ、ただな…親の力を利用してる愚かな奴だがな
菜緒は何かを感じたらしくじっと○○さんを見つめる
菜緒:……菜緒もできますかね…○○さんみたいに
○○:おいおい、俺の真似なんざ見習わないほうがいいぜ……だがな、利用できるものは利用するのも手だけどな、けどリスクは高いぜ
菜緒:…わかりました、菜緒は菜緒らしい方法を使います
○○:ああ、それがいい…俺達は親の操り人形じゃねえからな…違うと思うならあんたの方法で抵抗してみな
菜緒:……はい
菜緒はじっと○○さんを見てる
あれ…?
菜緒の顔……乙女の顔やん…まさかね
色々と話してるうちに学園の貸切列車がホームに入ってきた
……新幹線丸々貸切って…
あやめ:さっ、皆さん本当にお時間ですわよ
祐希:よーし!みんな乗るぞー!
蓮加:…会長、貸切だからって騒がないでくださいね?騒いだら校則違反にします
祐希:にゃ、にゃにぃー!騒がないもん!
和:お兄ちゃん♡一緒の席に座ろ♡泥棒猫達がお兄ちゃん独占するからお兄ちゃん不足♡♡
遥香:あれ?いつの間に?
さくら:和ちゃんが行きたいって言うから来ちゃった
保乃:保乃も来ちゃった♡
保乃は基本真面目な子
でもコテコテの関西人だからノリがいい
あやめ:……和さん、まだ言いますかそれ
蓮加:よく分からないけど泥棒猫って私も入ってるわね…
あやめ:確実に入ってますわ…
○○:わかったよ和、いいぜ
和:お兄ちゃん大好き♡♡
蓮加:ほんと和には甘いわよね
いつもみたいに騒がしい
でもこれが私達にとっては日常だから
菜緒:遥香……
保乃:もう行っちゃうんやな
遥香:うん…短い時間しかおれんかったけど…
保乃:せやな…でもこれからはいつでも連絡できるからそんな心配せんでもええんやで
遥香:もちろん!いつでも連絡する、だからなんでも話そ?
菜緒:うん…もう抱え込まへん、二人に相談するね
保乃:当たり前や、うちらは親友なんやから
遥香・保乃:うん!
出発ギリギリまで三人でハグしていた
…勇気出してよかった…
○○さん達にも感謝だよ
こうして菜緒と保乃に見送られ大阪をあとにしたのだが…
さくら:え?お友達、○○さんの連絡先教えて欲しいって?
遥香:うーん、菜緒は今後も相談乗って欲しいからって…保乃は…なにかの縁だから教えて欲しいって
さくら:保乃って子、めちゃくちゃ下心あるね
遥香:…あの子、惚れやすいんだよね…
さくら:どうするの?
遥香:○○さんには伝えるけど…岩本さんと和ちゃんいないところでね…
こっそり教えないとまた大騒ぎになるから…
…菜緒はおそらく○○さんの事好きになった
はぁ…揉めなきゃいいけど
一方、ナーハフォルガー学園の門の前に立つ人物がいた
「久しぶり…だね」
校舎を見上げる
凍てつく目をし感情が読めない
しかし、はっきりわかるのは氷のオーラに包まれた
…冷たさ
「さて…これからが楽しみだね…○○くん」
続く…