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優秀で鬼のように厳しい副会長は実はツンデレな女の子 20
ナーハフォルガー学園理事長、飛鳥馬昌幸からの突然の全学園生徒入寮制を告げられ唖然、呆然、混乱する生徒達
入寮は明日までと告げられ慌てふためく
臨時に休校となり午前中で終わり一斉に下校するが
ごく一部のものは気づく
「…明日は土曜日、明日より入寮っていっただけ…日曜日も使えばいいじゃない」
屋上から慌てて下校する生徒達を見下ろす
「…なんだかね、こんな事もわからないなんて」
飽きたと言わんばかりに生徒達から空を見上げる
「…嵐が来るのかもね」
祐希:へっ?明日までに引越ししなくていいの?
蓮加:理事長は一言も言ってません、明日より入寮、全生徒必ず入寮だけと言っただけです
祐希:うぇ〜騙されたぁ!てっきり明日までに入らなきゃいけないと思った!
蓮加:そんなわけないでしょ…
久保:全校に向けての正式な書式来ましたけど、明日から入寮で1週間以内までに済ませることだそうですよ会長
祐希:お〜!じゃあのんびりできるね〜
蓮加:のんびりしないでちゃっちゃとやってください会長
祐希:…ふぁい
御前会議が終わり私達生徒会は今回の入寮の件で事務仕事に追われている
今いるのは会長と史緒里と私
私と書記の史緒里が入れば終わる仕事なので、他の生徒会メンバーは引越しのため帰ってもらった
会長は責任者なのでいてもらうだけ
祐希:それにしてもさ〜急だよね
久保:本当ですよ、生徒会にも事前通告なしだなんて
蓮加:…○○のお父様らしいわよ…何考えてるかわからないところ
久保:あ、そか、蓮加と会長はお会いになってるもんね
蓮加:とは言ってもほとんど喋ったことなんてないわよ
久保:え、でも○○君の許嫁なら話ぐらいするでしょ
蓮加:一回だけよ、ちゃんと話したなんて…話しかけられたとしても、時間だからって秘書の人が遮ってたから
祐希:私もそんな感じかな〜ほとんど話してないよ
久保:えっ!?理事長って会長にとっては叔父さんでは?
祐希:うん、でも蓮加と一緒だよ
……なんだろう
理事長と深い関連がある二人がほとんど話したことがない
だとしたら○○君と和ちゃんはどうなんだろう
蓮加:史緒里、そう言えば全生徒の寮の振り分けは来てない?
久保:ううん、それはこちらには来てないよ
蓮加:……また独断のようね
久保:…蓮加、顔怖いから…
蓮加:…こんな顔もしたくなるでしょう
久保:生徒会ないがしろにしてるのはわかるけど…
蓮加:それだけじゃないの…会長?
祐希:ん〜?なに〜?
蓮加:先程から何をしてるんです?
祐希:え?ガンプラ作ってる
蓮加:……は?
久保:ガン……プラ?
祐希:そっ、ガンダムのプラモデルだからガンプラ、いやぁ〜最近作るのハマってさ〜
蓮加:…聞いてませんし生徒会室で作らないでください
祐希:……よし!できた!ガンダムバルバトス、ギブバース!
久保:……えっと…
蓮加:…直訳すると赤ちゃんが生まれる事ね、プラモデルが完成したって事じゃない?
久保:そ、そうなんだ…
祐希:んー!完成すると気持ちいいね…ところでさ
蓮加:……なんです?
祐希:…次はどうすればいい?蓮加
プチっ…
あ、あれ?
蓮加からなにか切れた音したような…
会長……にげ…
蓮加:会長はしがらき焼きのたぬきの置物みたいにジッとしてなさい!!阿頼耶識システムつけますよ!
祐希:ひゃぅ!?ごめんなちゃい!!
あ〜あ…やっぱり会長怒られた…
毎度なにかで怒られるんだから学習しないのかな
ところで阿頼耶識システムってなに?蓮加…?
祐希が蓮加に怒られると同時に3人のスマホからメールが届く
それに気づくのはもう少し先のこと
遥香:メール来たね…
さくら:うん、来たね
和:なにかドキドキしますね…
3人は学園近くのファミレスにいた
寮の話をしてるうちに部屋割りを一緒に見ようと言うことになりファミレスで待機していた
和:では見ましょう、遥香さん、さくらさん
さくら:うん
遥香:緊張するぅ…
3人同時にメールを見る
しばらくの間静寂が訪れていたが口火を切ったのはさくらだった
さくら:2人ともどうだった?
和:私はヴァイゼ寮と書かれてます
遥香:…私はマーギアー寮…
さくら:さくはへクセ寮だよ
遥香:見事にバラバラ…
和:残念です…
さくら:学校では会えるんだしLINEでお話できるんだから気にしない、気にしない
和:ですが夢のお友達とのお泊まり会ができません
遥香:それは憧れるね
さくら:和ちゃん?お泊まり会はたまにやるから感動が生まれるんだよ?毎日顔合わせてるのにお泊まり会やっても感動は生まれないよ?
和:確かに…確かにです!
遥香:(いや…良く言ってるけど…さく、めんどくさいだけじゃ…)
さくら:かっきー?
笑顔だけどなんか威圧感半端ないんですけど…
…勘がいいと言うか…
遥香:と、ところでさ、他の人達はどうなったかな?
さくら:気になるね
和:私はお兄ちゃんと一緒です!
遥香:えっ?○○さんから連絡来たの?
和:連絡はありませんが私にはわかります、だってお兄ちゃんとは赤い糸で結ばれてますから♡
遥香:…はいはい
さくら:相変わらずのブラコンだね
遥香:これがなければ良い子なんだけど…
さくら:だよね
遥香とさくらが苦笑してる中、和は兄を思い浮かべ身悶えしてる
確かにブラコンがなければ完璧だったかもしれない
一方その頃
あやめ:…これは
眉間に皺を寄せPCのモニターを見つめる者
牧村:…なるほどな
夜空を眺めながらガウン姿でグラスを傾けながら呟く者
美波:……
無表情でスマホを見る者
そして
○○:なにか企てるなこりゃ
やはり無表情で呟く者
各々想いとは裏腹に寮分けは決まった
ヴァイゼ寮 岩本蓮加 与田祐希 飛鳥馬和 筒井あやめ
マーギアー寮 賀喜遥香 久保史緒里
牧村デューク虎吉
へクセ寮 遠藤さくら 伊藤理々杏
この時点ではお互いどの寮かなど知らない
○○と美波、桜は果たしてどの寮になるのか
この寮決めで波乱が起きるとは誰にもわからなかったのである
続く