教員の処遇改善を求める要望書
令和6年7月22日
浦安市長 内田悦嗣 様
千葉県議会議員
折本龍則
教員の処遇改善を求める要望書
内田市長におかれましては、日々市政運営にご尽力下さり、誠にありがとうございます。
先般、市内公立学校で勤務される現役の教員の方から、最近の教員を取り巻く勤務環境について相談を受け、ご意見とご要望を承りました。その後、当方でも県市の教育委員会に対して事実確認などの聴き取りを行い、この度、➀教員の学校給食費と②教職員の学校内駐車にかかる使用料の徴収の二点について以下の通り要望いたします。
➀教員の学校給食費について
本市では、本年度から市内小中学校における全ての児童生徒の学校給食費が無償化されました。これは市長の英断によるものであり、衷心より敬意を表します。
ただその一方で、学校の教員が負担する給食費は食材費高騰などを理由に値上げされました(小学校は月額4,690円→5,150円、中学校は月額5,370円→6,000円)。
教員が、自分が食べる分の給食費を負担するのは当然だと思われるかもしれません。しかし、他の県職員と異なり、千葉県下の全ての市町村では、教員も児童生徒と一緒に学校給食を食べるのが慣例となっており、自前で昼食を用意する事は出来ません。これは学校給食も教育指導の一環であるとの考えに基づくものです。
「浦安市給食センターの運営方針」では、「食育の視点」として、下記の6つを食に関する指導の目標に定めています。
◇ 食事の重要性、食事の喜び、楽しさを理解する。【食事の重要性】
◇ 心身の成長や健康の保持増進の上で望ましい栄養や食事のとり方を理解し、自ら管理していく能力を身に付ける。【心身の健康】
◇ 正しい知識・情報に基づいて、食品の品質及び安全性等について自ら判断できる能力を身に付ける。【食品を選択する能力】
◇ 食べ物を大事にし、食料の生産等に関わる人々へ感謝する心をもつ。【感謝の心】
◇ 食事のマナーや食事に通じた人間関係形成能力を身に付ける。【社会性】
◇ 各地域の産物、食文化や食に関わる歴史等を理解し、尊重する心をもつ。【食文化】
つまり教員が児童生徒と給食を共にすることは、食育という公務の一環であり、したがって教員の給食費は、公務遂行上に発生した費用であり、本来は公費によって弁償すべきものと考えます。
特に、慢性的な教員不足が問題となるなか、教員の処遇改善の観点からも、児童生徒と同様に格別の配慮が必要ではないでしょうか。
※仮に、市内小中学校在勤の703名の教員(校長・教頭・主幹教諭・教諭・講師・養護教諭)を対象に、給食費を半額に減免する措置を講じた場合でも約1000万円の予算で教員の金銭的負担を軽減することが可能です。
②教員の学校内駐車にかかる使用料の徴収について
現在、浦安市では教職員が通勤で使う自家用車の学校敷地内駐車を許可していますが、市の行政財産使用料として毎月6,000円を徴収しています。令和3年度までは月額2,500円でしたが、4年度から4,500円に引き上げられ、さらに今年度からは6,000円に引き上げられました。わずか2年で3,500円の引き上げであり、年間だと42,000円の負担増になります。
これは、令和3年度まで浦安市の要綱(「浦安市教育施設における職員等の通勤用自動車の駐車の特例に関する要綱」)で駐車料を5,000円と定められていたのが「市長が特に必要があると認めるときは、駐車料を減額し又は免除することができる」との規定により2,500円に減額され、それが令和4年から料金が6,000円に改定されたのが4,500円に減免され、さらには、この減額措置も本年度から廃止され、定額通り6,000円が徴収されるようになったと伺っています。
しかし、車で通勤している教職員はやむを得ない事情により車で通勤しているのであり、自家用車で教材や備品、児童生徒の作品を運ぶなど公務にも使用しています。
上述した市の要綱では、職員等が学校に通勤用自家用車を駐車するには、「自動車を使用しなければ通勤することが困難であると認められるとき」か、「千葉県教育委員会が規定している「学校職員の自家用自動車の公務使用に関する取扱要綱」に基づく通勤用自動車の公務使用登録がされていること」に該当する場合に、施設管理者である校長の承認を得た上で教育委員会に申請することになっています。
そこで上述した県の「取扱要綱」を見ると、自家用車の公務使用は、「用務先が複数の地域にわたる場合」や「交通不便な地域である場合」の他、「運搬する物品等が多く、庁用自動車等では載せきれない場合」「業務が早朝から、又は深夜に及ぶ場合」など、「校長がやむを得ないと認める場合」の何れかが要件になっています。(「取扱要綱」の運用について)
つまり、本市において教職員が通勤に使う自家用車は、やむを得ない事情があるとして学校長が承認し、県の公務使用登録を受けているものであり、あくまで「公用車」に準じるものです。
現在本市では、286台の車両が県の公務使用登録を受けており、今般の使用料の引き上げ措置が、現場の教員にとって大きな負担増となっている事を危惧しております。
なお、近隣他市の事例を見ると、市川市では学校敷地内での駐車は禁止されている一方で、船橋市や県立の中高では駐車を許可し、料金も徴収しておりません。
こうした事情を鑑み、一般の行政財産使用と同様の基準で教職員から使用料を徴収するのは、不適当ではないかと考えます。特に過酷な勤務を強いられている教員の処遇改善の観点からも、再検討が必要ではないでしょうか。
以上の理由により、教員による給食費の減免と教職員の通勤用車両への使用料の減免を要望致します。
市長ならびに教育当局に於かれましては、賢明なるご高配を賜ります様、何卒宜しくお願い申し上げます。
以上