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パンダの返還について、思ったこと。

先日、22日に白浜のアドベンチャーワールドにいたパンダ、永明、桜浜、桃浜の3頭が中国へと返されました。

日本にいるパンダは基本、中国からの借り物で、日本で生まれたパンダも所有権は中国にある……ということで、こうして時おり日本で育ったり生まれたりしたパンダが返されることになります。

おそらく関西の人間にとっては、パンダというと上野動物園よりも、白浜のアドベンチャーワールドということになるだろうかと思います。
そして、パンダファンの和歌山県民にとっては、「白浜には一杯パンダがいる」「アドベンに行けば、いつでもパンダが見られる」というのは、一つの楽しい事実だろうと思うのですね。
そして、「中国からの借り物」という事実はどうあれ、多くの和歌山県民にとって白浜で生まれたパンダは、「地元のパンダ」的な気持ちが少なからずあったんじゃないか……って気がします。

私がそう思ったのは、今朝たまたま見た地元の新聞の見出しでした。
3頭のパンダが中国に帰ることを報じた記事で、永明のところは「ありがとう!」となっているのに、桜浜と桃浜のところは「いってらっしゃい」になっていたのです。
「さようなら」でも「ありがとう」でもなく「いってらっしゃい」です。
私たちが誰かに「いってらっしゃい」と声をかける時って、相手がいずれ帰って来るという前提のことが多いですよね。

もちろんこれはあくまでも新聞の見出しの話なので、記事を書いた方や新聞社の主観が含まれているといえば、そうかもしれません。
けれど、新聞は公共のものでもあります。
つまり、この記事の見出しがそうなったのは、パンダファンの県民の気持ちに記者さんや新聞社が寄り添ったから……とも思えるのですね。

彼らが再び日本に戻って来ることは、ないのかもしれません。
そのことは、寂しいなとも思います。
ただ、「桜浜」「桃浜」というように、白浜で生まれ育ったパンダにはみな「浜」の字が入っています。
名前自体は公募でつけられたものですが、やはり「白浜」の「浜」をつけようという気持ちを持つ方が多いのか、みな「浜」の字がついているのです。
いってみればそれは、中国に行っても「白浜生まれのパンダだよ」ってわかるってことで……いつか、その子孫がまた白浜に来る時もあるかもしれないなって思います。

ともあれ、上野から戻されるシャンシャンを含め、4頭のパンダたちが中国でも元気に暮らしていけることを、願っています。

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織人文
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