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商品貨幣論17 ―商品貨幣論はマクロ経済学ではない―
それではざっとこれまで述べてきた、「商品貨幣論」に基づいた経済学的なキーワードないし、人物や学説を並べてみましょう。
貨幣ヴェール説(貨幣ヴェール観)
貨幣の中立性
古典派の二分法
貨幣数量説
レッセフェール(自由放任主義)
フランソワ・ケネー
重農主義(フィジオクラシー)
アダム・スミス
見えざる手
資本家
カール・マルクス
産業革命
ジャン=バディスト・セイ
セイの法則
共産主義
トリクルダウン
独裁者
供給側から需要側への貨幣の価値の分配=ミクロ経済学
マクロ経済学とは「貨幣の成り立ち」を示す経済学分野で、ミクロ経済学とは「貨幣の価値の移動」を示す経済学分野です。
もし、上記に上げた人物や、その人物の提唱した理論、用語等を「肯定的にマクロ経済学に適用する場合」、それは「商品貨幣論」をマクロ経済学に適用する、ということであり、
主流派経済学(古典派・新古典派経済学・ニューケイジアンなど)
マルクス経済学
ということになります。
そして、そこから導き出される政治的経済政策は、
「必ず失敗する」
ものになるでしょう。
これは冗談でも大げさでもありません。
正直この点に関して、理論上、例外事項を想定できないでいます。
1つ誤解が無きように言っておきたいですが、私は
商品貨幣論は、この世に存在してはならない、と、否定しているわけではありません。
商品貨幣論を「マクロ経済学」に適用することを否定している
のであって、
「ミクロ経済学」の「商業的な貨幣と商品の価値の移動」を否定しているわけではありません。
マクロ経済学とは「貨幣の成り立ち」を示す経済学分野で、商品貨幣論は貨幣の成り立ちではなく「貨幣の価値の移動」を示すミクロ経済学なのです。
商品貨幣論(ミクロ理論)では「貨幣の成り立ち(マクロ理論)」を示すことはできないのです。
さて、現時点においても、主流派経済学や、マルクス経済学において経済を研究し、貨幣を研究し、主流派経済学やマルクス経済学といった貨幣論で言うと商品貨幣論に分類される2つの2大学派が「如何にマクロ経済に影響を与えるのか?」を研究している真っ最中です。
その研究は否定できるものではありません。
新たな発見、新たな進展、新たな知見は必ず生まれるでしょう。
それは絶対に無駄ではありません。
しかし、同時に盤古の鉄則として言えることがあります。
商品貨幣論である、主流派経済学・マルクス経済学は
「貨幣の価値の移動(ミクロ経済学)」は示すことができるが、
「貨幣の成り立ち(マクロ経済学)」を示すことはできない。
ということです。
これを肝に銘じて、主流派経済学やマルクス経済学を勉強する人たちは同時に「ケインズ経済学」も勉強する必要があるのだろうな、と思います。