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飾らない詩「冬の夜を歩く」
サク サク サッ サッ……
冬の夜を歩く
町の灯りを 背に歩く
人の温もりを 避けて歩く
いくつもの足跡 眺めながら
落ちて落ちて 途方に暮れて
疲れきった心 手荷物の中へ
何故かしら
貴方を忘れたいのに
私の心から 離れない
雪道は 誰かが踏む足跡 続く
跡の主なく 何処へ続く
昔 はるか遠く北の町には
貴方の踏みしめた足跡が 沢山 残っている
見たことのない 軌跡……
私は 孤独が好きなのに
私は 貴方を憎むのに
どうしようもなく 愛しくて
冬の寂しさから 離れない
嗚呼、貴方の正体は
とってもとっても 寂しがりや
人に興味ないって 嘘なのね
雪はしんしん と降り積もり
貴方の嘘を 全て隠す
雪 とけて 春日和
それが 露-アラワ-になった時
貴方 足跡すら残さずに
遠く遠く 街へ消えた
サクサクサッサッ 独り歩く
鼻歌なんぞ 口ずさみながら
幻と共に 口ずさみながら
街の灯りは 遠い 遠い
人の群れから離れない 貴方のように人が好き
サク サク サッ サッ……
鼻歌なんぞ 誰にも届かない
ここは闇 幻は 側に
春の街 足跡なく
貴方は 新たな芽を 息吹く