『君の名は・・・』Vol.4
第三場 サンドラ達のたくらみ 宮殿内
暗転幕前 下手よりサンドラ、ジェノーバ、従者入ってくる。
サンドラ:一体いつになったら、私の前にアストレイアの首を持ってきてく
れるのかしら。
従者:(片膝をたてて)はっ、くまなく探してはいるのですが・・・近いう
ちに必ず。
サンドラ:そう言って3年よ。この役立たず! アストレイアの首が先か、
お前の首が先か。
下がりなさい!!
従者、頭を深々と下げ、逃げるように下手に退場する。
サンドラ:どいつもこいつも、役に立たない者ばかり。
3年前のあの日、一緒に片づけるべきだったのよ。
ジェノーバ:まあ、そう言うな。偶然、あの場にいなかったのだし・・・
それにジブラルタル海峡に飛び込んで、命が助かる奴はそうい
ないさ。
サンドラ:でも、死体は上がらなかった。私は確かに死んだという証拠が欲
しいのよ。
ジェノーバ、サンドラの後ろから抱きつく。
ジェノーバ:そんなことより・・・
サンドラ:やめてよ。よくそういう気になれるわね。第一人に見られたらど
うするのよ。
ジェノーバ:何をいまさら・・・俺たちのことは、暗黙の了解だよ。今まで
だって、二人で力を合わせてここまで来たんじゃないか。グロ
ンフォルス伯爵を殺った時だって・・・
サンドラ:しっ、(人差し指を立てる)声が大きいわ。わかったわよ。続き
は部屋で・・・
ジェノーバ:そう来なくっちゃ。
二人、寄り添って下手に退場。