『彼女の行方』【第11話】
「7枚目の写真」
日本海は少しひんやりする。
北陸新幹線で金沢に向かっていた。
時々東京に遊びに来ていた彼女の友人の結婚式に呼ばれ、
その後輪島の温泉宿に泊ったのだった。
写真は輪島の宿の前のようだったが、
どこに泊ったか記憶していなかった。
とにかく行ってみるしかない。
輪島に着いて観光案内所に立ち寄った。
写真を見せれば特定できるのではないかと思ったからだ。
予想通り宿を突き止めることができたが
連絡してみたところ奈緒が訪れたかどうかははっきりしない。
というので取り急ぎ向かうことにした。
宿で写真を見せて確認したが来ていないという回答だった。
ただ昔訪れたときのことを覚えていたようで
輪島塗の体験に行ったはずだとのことだった。
言われてみれば、工房でお猪口に絵付けをしたような気もする。
体験できる工房はいくつかあるとのことで
順番に尋ねてみることにした。
1つめの工房は空振りだった。
2つめの工房は門構えに少し見覚えがある気がした。
が、蓮の勘違いだったようでここも空振りだった。
3つめの工房で写真を見せたとき
やっと反応があった。
購入して預かっている品があるといい
奥から箱に入った漆塗りの黒いカードケースを持ってきてくれた。
軽く振ってみるとカタカタと音がする。
開いてみると中にパズルが入っていた。
店主の話だと10日以内に取りに来ると思うから
来たら渡してほしいと頼まれていたとのことだった。
受け取りに来なければ送る予定だったと言っていたので
ホテルの時と同じだった。
カードケースを受け取り帰路に着く。
これで手持ちの写真は終わりだった。
7枚の写真に写っている場所はすべて探したが、
パズルはまだ完成していない。
手がかりを失い蓮は途方に暮れていた。
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