『壊れゆくサイバネ』(ニンジャスレイヤーTRPG2版・ファンメイドオプションルール)
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はじめに
この非公式オプションルールはニンジャスレイヤーTRPG公式のプラグイン環境ルールプレビュー3月号の「サイバネ関連ルールと防具の見直し」に取り上げられている「サイバネへのリスクの追加」の案を元に、サイバネのリスク面を強調したい場合に利用できるオプションルールとして独自にまとめたものです。
2版の環境において初版環境およびニンジャスレイヤー第1部のアトモスフィアのゲームや、サイバネの調達が制限された過酷なシチュエーションをプレイするために使用することができます。
このオプションルールを利用する場合にはTRPGの参加メンバー間でよく相談し、卓のアトモスフィアや求めているゲーム性に適しているかどうかを必ず確かめてください。このオプションルールについてはNM、PL相談の上で適宜調整(場合によっては適用中止)することを推奨します。
男はカウンターに置かれた古風なショーユ瓶に目をやる。それから、義手の右手と生身の左手を交互に見比べ、結局左手でショーユ瓶を掴み、タールのようにどす黒い液体をタマゴにかけた。
旧式サイバー義手は力の加減ができず、繊細作業に向いていない。その上、重金属酸性雨に弱く、維持に金がかさむときている。とんだ負債を背負ってしまったものだ。男には溜息を吐く気力も無かった。
- 【レイジ・アゲインスト・トーフ】より
このオプションルールでできること
・サイバネで調子に乗ってインガオホーを受けるサンシタのロールプレイ。
・ニンジャスレイヤーにサイバネを破壊されてブザマにのたうちまわる。
・ストリートのニンジャ(あるいはアマクダリにより最新技術を押さえられたソウカイ・ニンジャ)として、粗悪なサイバネしか利用できない苦労を体験する。
注意事項
このオプションルールを適用した場合、ダイス事故で早々に『サツバツ!』で重要なサイバネを破壊されてしまい、シナリオ中にほぼ何もできなくなってしまった、などの状況が発生しうる事になります。
これによってプレイ体験がつまらないものになってしまわないようNMはゲーム内外のフォローやシチュエーションの設定に気を配る必要があります。
「はじめに」の繰り返しになりますが、本オプションルールはプレイグループ全員と相談の上で適用し、ルールを強制することの無いようにしてください。もし、このオプションルールが参加メンバー内で負担になるようであれば適用の中止も検討してください。
追加のペナルティ(部位損傷関連)
この追加ペナルティはサイバネ部が部位破壊を受けた際のリスクを増加させるものであり、厳しさ別に以下の3段階のペナルティがある。
1.能力値ダメージの増加
カジュアル・モード~サツバツ・モード向け。
2.基礎サイバネの機能停止
サツバツ・モードかそれよりも厳しい環境向け。
3.部位損傷を受けたサイバネ部位の全機能停止
キャラロスト前提のデッドリーな単発シナリオ向け。またはナラティブ・モードで過酷なシチュエーションをプレイしたい場合。
「サツバツ・モード」「カジュアル・モード」などの「ゲームモード」については公式の「11:マスタリング&ゲーミングオプション集」を参照。
1.能力値ダメージの増加
このオプションを適用した場合、サイバネ、バイオサイバネを問わず、戦闘用サイバネを装備している部位に対して『サツバツ!』などの部位破壊効果を受けた場合に【カラテ】/【ニューロン】/【ワザマエ】への能力値ダメージが本来より+1される。
『◉サイバネ殺し』については単純に能力値ダメージの増加が重複するか、下記のように効果を変更する。
前提:【ニューロン】7以上+【ワザマエ】7以上
効果種別:特殊戦闘行動(特殊)
このスキルを持つキャラが、戦闘用サイバネ化された敵の各部位に対して『サツバツ!』などの部位破壊効果を与えることに成功した場合、【カラテ】/【ニューロン】/【ワザマエ】への能力値ダメージを本来より+1する。バイオサイバネに対しては効果を発揮しない。
↓
このスキルを持つキャラが、戦闘用サイバネ化された敵の各部位に対して『サツバツ!』などの部位破壊効果を与えることに成功した場合、その敵はフェイズの終わりに追加で【体力】が1減少する。これは部位破壊を与えた1発の攻撃ごとに発生する。
2.部位損傷による基礎サイバネの機能停止
戦闘中に部位損傷を受けた場合、戦闘終了まで該当する部位の基礎サイバネの効果を得られなくなる(カスタムパーツによるダイスボーナスや効果は継続して得られる)。それが胴体部サイバネであった場合、それから得ている分の【体力】、【精神力】も一時的に失われる。
この追加ペナルティの影響を緩和したい場合、プレイグループで次のようなオプションスキルを追加してもよい。
オプションスキル:『◉サイバネ緊急再起動』
戦闘中に損傷を受けて機能を停止したサイバネに対して再起動を試みる。当然、重度のサイバネほど再起動の難易度は増加する。
前提:【ワザマエ】7以上
使用タイミング:手番「移動フェイズ」、「攻撃フェイズ」
コスト:精神力1、1行動(移動もしくは「その他の行動」を消費)
ターゲット:自分自身の装備している基礎サイバネ1つ
発動難易度:▶1つで【ハッキング】HARD。▶が1つ増える毎に難易度+1
無効:バイオサイバネに対しては使用できない。
部位損傷により機能停止した基礎サイバネの効果を復活させる。能力値へのダメージおよび部位欠損は回復しない。
【6,6,6,6】:基礎サイバネの再起動だけではなく能力値ダメージも回復する。「全機能停止」のオプションを採用している場合、能力値ダメージを回復するか、▷のカスタムパーツも再起動させるかを選択できる。
バイオサイバネに関しては機能停止を無視するか、代わりに下記の『急性バイオインゴット欠乏症』を適用する。
追加オプション:『急性バイオインゴット欠乏症』
戦闘用のバイオサイバネを装備しているニンジャは大量出血などに見舞われた場合、血液と共に体内のバイオエキスも流出してしまうため、一種のショック症状に陥ってしまうことがある。
バイオサイバネによりスロットが埋まっている部位はすべて『●脆弱性:部位破壊(体力1)』を持つ。加えて部位損傷を受けた場合、次の自身の手番終了まで『不覚状態』となる。
「腕が無くなって寂しいか?」ニンジャスレイヤーは呆然とするナンシーの横を通り過ぎ、階段を降りてゆく。「グワーッ!」コッカトリスは切り株のような両腕の断面から緑のバイオ血液を噴き出し、床をのたうちまわった。「ならばリー先生とやらに植え直してもらえ。先に行って待つがいい、地獄でな!」
- 【ベイン・オブ・サーペント】より
3.部位損傷を受けたサイバネ部位の全機能停止
部位損傷を受けた場合、基礎のサイバネだけではなくその部位に埋め込んだカスタムパーツを含めた全機能が停止する。単純にダイスが減るだけではなく内蔵型の武器なども一切使用できなくなるので、キャラクターによってはほぼ何もできなくなってしまうことに注意すること。
バイオサイバネに対しては前述の『急性バイオインゴット欠乏症』を適用する。もしくは部位破壊を受けた場合にバイオ武器などが使用不能になるメイン部位をあらかじめ決めておく。
追加のペナルティ(精神力負荷の増加と狂気)
この追加ペナルティは初版ような『狂気』ルールを追加の精神力負荷を軸に2版環境に加えるものである。このペナルティルールを導入した場合、初版における『狂気』の獲得タイミングである埋め込み数5に到達した時点でそのキャラが精神力負荷が+1される。以降、この追加の精神力負荷は埋め込み数が増えて奇数に到達する毎に+1されて累積していき、更に埋め込み数18でも+1される。その他のペナルティも通常通り発生する。
この追加の精神力負荷は後述の狂気系スキルを獲得することで無視できる。
※補足:この非公式オプションルールにおける狂気系スキルについては、公式の狂気系スキルが発表された場合に名称や内容、取り扱いが大きく変わる可能性があります。
追加の精神力ペナルティによる負荷の変化
サイバネ埋め込み点数/【精神力】へのマイナス修正
0/ 0 → 0/ 0
1/ 0 → 1/ 0
2/ 0 → 2/ 0
3/ 0 → 3/ 0
4/-1 → 4/ -1
5/-1 → 5/ -2
6/-2 → 6/ -3
7/-2 → 7/ -4
8/-3 → 8/ -5
9/-3 → 9/ -6
10/-4 → 10/ -7
11/-4 → 11/ -8
12/-5 → 12/ -9
13/-5 → 13/-10
14/-6 → 14/-11
15/-6 → 15/-12
16/-7 → 16/-13
17/-7 → 17/-14
18/-8 → 18/-16
追加の狂気系スキル
以下の狂気系スキルはどちらも『前提:サイバネ埋め込み点数5以上』『除去困難』であり、初めてサイバネ埋め込み点数が5に到達した時点で自動的に1つを取得してもよい。それ以外の場合は余暇を使った通常のスキルトレーニングで獲得する必要がある。
◉狂気:獣化
この狂気スキルを持つものは、追加のペナルティルールによる精神力負荷の増加を無効にし、『狂戦士化2』を得る。その代わり、【体力】や【精神力】を回復させるアイテムの回復量が本来より−1され、『交渉判定』の難易度も+1されてしまう。加えて、『●脆弱性:火炎(精神力1)』を持たない場合はこれを得てしまう。これらの効果は『◉バイオニンジャ化』と重複する(『◉◉戦闘兵器化』『◉危険生物化』を得た場合、重複および干渉する効果はそれらに上書きされる)。
◉狂気:自我希薄化
この狂気スキルを持つものは、追加のペナルティルールによる精神力負荷の増加を無効にする。ただし、『交渉判定』などで『◉知識系スキル』『◉交渉系スキル』のボーナスを得る場合や、『即応ダイス』『緊急回避ダイス』を使用する際、非戦闘中の判定1回もしくは戦闘中の1フェイズ毎に追加で【精神力】1の消費が必要となる(『交渉判定』などは精神力1の消費で知識・交渉系スキルのボーナスと即応ダイスの使用の両方が可能になる)。
加えて、『●アドレナリン・ブースト』の【精神力】コストが+1される(『◉危険生物化』によるコストの倍化とは重複しない)。
改訂履歴
2022/ 4/16 記事公開
2022/ 6/ 9 『急性バイオインゴット欠乏症』による状態異常を『不覚状態』に変更。
終わりに
このルールセットのデータが含まれるリプレイなどを公開する場合、公式ルールとの混同を避けるため可能な限りこのページを引用元として明記すること。「ダイハードテイルズ」公式以外による無断の商用利用は法的に認められた例外を除いて原則不可とします。
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