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2025年1月号目次・年頭言・つうしん

割引あり

『福音宣教』2025年1月号 シノドス第二会期を振り返る

 今回のシノドスは、信者でない人、教会から離れた人からも話を聞きたいという教皇の願いから始まりました。大陸ステージのための作業文書では、教会から排除されている人として、再婚した離婚者、シングル・マザー、LGBTQA+の人々などが挙げられていました。第二会期では、枢機卿たちが、先住民・移民などへの虐待、性的虐待、家族・若者の問題に応じなかったこと、教義を非難の石として使ったことなどを謝罪しました。教皇は、今まで以上にこれからも、バチカンの各省庁で、信徒や女性を重要な役職に登用すると語りました。今回のシノドス会議は終了しましたが、シノドス自体はこれからが始まりです

<2025年 1月号 目次>

https://www.oriens.or.jp/fs/fs_back/fs_back_2025.html#fs_back_01

新年に寄せて
ともに旅し、福音の喜びを証しする教会をめざして  コンスタンチノ・コンニ・カランバ(オリエンス宗教研究所所長)

特別連続座談会

日本カトリック司教団『見よ、それはきわめてよかった――総合的な(インテグラル)エコロジーへの招き』を読む  1 文書の背景・特徴・全体構成、および第一部「観る」その①  成井大介(「ラウダ―ト・シ」デスク責任司教)×瀬本正之(「ラウダ―ト・シ」デスク)×光延一郎(イエズス会司祭、上智大学神学部教授)
 聖職者の性的虐待で揺れる中、フランスの成人洗礼の数の増加というニュースが世間を驚かせています。それに対して教会関係者が喜ぶことは不謹慎であるとの意見もあります。総合的なエコロジーに取り組むために、私たちを取り巻く現実とマスコミ、メディア、SNSの役割について、改めて考え直してみるべき時期にあるのではないでしょうか。

フォーラム

旅する「わたし」の、見たり、聴いたり、考えたり――フランス編 ①「第一の手紙、見たこと」  原 敬子(援助修道会会員、上智大学神学部教授)

月間テーマ シノドス第二会期を振り返る

シノドス第二会期概要――宣教するシノドス教会になるためには  西村桃子(セルヴィー・エヴァンジェリー宣教者の会宣教師)
 シノドス第二会期が終わりました。しかし、シノドスはこれから始まる、というのが、シノドスに参加した三者に共通するメッセージです。バチカンはすでに驚くべき変貌を遂げ、教区の仕組みも変わっていくようです。そこで「霊における会話」の効果的な実践が鍵ですが、成功に導くにはあきらめずに辛抱強く続けるべきだということが指摘されています。
インタビュー ともに歩む宣教、その先にある場所――シノドスの始まり、これからの道のり  菊地 功(枢機卿、日本カトリック司教協議会会長、東京教区大司教、国際カリタス総裁)
インタビュー シノドスの目的と、その経緯、意義  弘田しずえ(べリス・メルセス宣教修道女会会員、タリタ・クム日本運営委員長、カトリック正義と平和協議会専門委員)

連 載

見失われた羊に寄りそって 1 見失われた羊 英 隆一朗(イエズス会司祭)
京・江戸・博多、そして巴里 34 SNSは民主政治を乗っ取るか  南野 森(憲法学者)
旧約聖書のダメ男たち――ドキッ! それ私のこと? 1 モーセ  北 博(聖書学者)
ペラギウス派と古代東方神学――具体的自由としての恩恵 1
  プロローグ(1)――自由意志と恩恵の協働
  山田 望(南山大学教授)
 エキュメニカルな観点から、従来ほとんど顧みられてこなかったペラギウス派と東方教会の伝統とのつながりの、思わぬ側面を照らしていきます。そこから見えてくる義認(義化)の理解と、東方教会の隠修士的な伝統を、恩寵との協働という側面から調和的に考察していきます。
信仰を養う主日の福音 13 C年 神の母聖マリア~年間第3主日  雨宮 慧(東京教区司祭)
ヘブライの言葉、イスラエルの物語(続編)  第1回 「新年」という暮らし  高橋洋成(セム語〈ヘブライ語〉学者)

◆つうしん


年頭言 新年に寄せて●ともに旅し、福音の喜びを証しする教会を目指して  オリエンス宗教研究所所長 コンスタンチノ・コンニ・カランバ

 新年おめでとうございます。今年も、互いに温かく迎え入れ合う交わりができて、平和の担い手に変えていただけるようにお祈り申し上げます。
 三年にわたる世界代表司教会議(シノドス)第十六回通常総会が、昨年終了しました。総会後に使徒的勧告を出すのが慣例ですが、今回は異例なことに(初めてのことではありませんが)、最終文書はすぐに採択され、公開されました。それは、これまで行ってきたシノドスの道、参加者の労苦、喜び、悲しみを無駄にしないということを示したということでしょうか。あるいは「多様な状況における教会の宣教(使命)の指針となり得る、非常に具体的な示唆(指示)がすでに含まれている」(9)とあるように、それ以上専門家の見解を付け加える必要がなかったからでしょうか。

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