見出し画像

西村桃子 シノドス第二会期概要――宣教するシノドス教会になるためには

にしむら・ももこ●一九七五年東京都生まれ。セルヴィ・エヴァンジェリー宣教者の会宣教師。第一六回シノドス通常総会議長代理。

出発点――どのようにともに歩む教会になれるか

 私はセルヴィ・エヴァンジェリーという宣教会の奉献生活者です。東京教区には荻窪教会の近く、西荻窪に共同体があり、姉妹がいます。私自身は横浜教区・大和市の共同体に住んでいます。主に若者の同伴、福音宣教と宣教者の養成をしています。
 シノドス第二会期で主に話し合った内容は、「宣教するシノドス教会になるには」、というテーマです。この写真(次頁)は参加者全員の写真です。
 二〇二一年から始まった時に、どうしたら「ともに歩む教会」、私たちの本来の教会になれるかということが一番の問題でした。私たちのカトリック教会は、本来、三位一体に基づきお互いに助け合い、補い合いながら共に歩む教会であるべきですが、どうしたらそうなれるのか、またどんな教会がともに歩む教会なのか、ということを、二〇二一年から小教区レベルで話し合ってきました。信者、信者ではない人、教会から離れた人、すべての人に聞いてください、と教皇は願い、呼びかけました。このような願いであったからこそ、三年も続きました。

 第二会期――どのように宣教する教会になれるか

 一人ひとりの声をすくい上げて、教区レベル、国レベル、大陸レベル、そして去年、二〇二三年一〇月、世界レベルで第一会期が行われました。その時、「ともに歩む教会はどのような教会なのでしょうか」ということについて、各国、各大陸の現実を聞きながら「霊における会話」を行い、まとめ文書を作りました。
 その後、去年の一〇月から今年の九月までの間、話し合ってまとめた文書を元に、「どのように宣教するシノドス的教会になるか」という質問を携えながら歩んできました。
 今回、いままでの三年の体験を通して「宣教するともに歩む教会」とは何であるのかを改めて見つめています。それは内向きな信じている人たちだけの集まりではなく、本来の目的、すなわち神の愛を伝えるための集まりです。
 そのために私たちがどのような人であり、神様の愛を体験していて、そして証しできるような人、教会であるためにはどうしたらいいかを求めました。さらに質問として求めるというだけではなく、本当に「神の愛を証しする教会はこういう教会です」という答えを最終文書にまとめました。
 これからそれを実践し、生きる段階に今、なりました。そのための一カ月の会議だったのです。

 シノドス参加者の概要


 今回、投票発言権があるメンバーは三六五人いました。そのうち九六人が司教ではない人でした。そのうち五七人が女性でした。発言権のある特別招待の方たちが八名、そのうちにシスター弘田しずえさんも含まれていました。その他、フォコラーレやテゼ共同体の代表、カトリック・アクションの信徒代表も含まれていました。
 それから他のキリスト教会代表の方、プロテスタント諸教会、メソジスト派、ルーテル教会などや、東方教会の方など、一六名の方がたも発言権を持っていました。
 その他、講話担当のマザー・マリア・イグナシア、ティモシー・ラドクリフ、典礼代表者一名、そしてエキスパート(神学者、ファシリテーターおよび広報)七〇名、アシスタント協力者四五名、広報、計総勢四〇〇名以上の参加者がいました。
 その中で、個人的に印象的だった人々をご紹介します。会期初めの二日間の黙想会の土台を作って下さったうちの一人、ラドクリフ神父(写真右下)の講話は日本語に翻訳されカトリック中央協議会のウェブサイトに掲載されています。とても素晴らしい、祈りの助けになるものなのでぜひお読みになってください。
 ルカ・カサリーニさん(写真中央下)はイタリア人信徒で、Mediterranea Saving Humans という非営利組織の活動家で、イタリアのランペドゥーサ島などにアフリカからやってくるボートピープルが難破して亡くならないように船で自分たちで探し出し、助ける活動などをしている方です。探せば探すほど難民が増えるわけですから、経済的に豊かとはいいがたいところから非常に批判されていますが、日々難民のために働いて戦っている方です。こういう方も自分の体験をシノドスの中でご発言くださいました。
 下の左上の写真はアジアからの皆様です。今回よかったのは、地下教会ではない、中国本土の司教さんが二名参加でき、以前よりも関係が深まりました。

ここから先は

6,688字
この記事のみ ¥ 100
PayPay
PayPayで支払うと抽選でお得

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?