
インタビュー 弘田しずえ シノドスを取り巻くうねり(一)――女性助祭をめぐる流れ
ひろた・しずえ●ベリス・メルセス宣教修道女会会員、タリタ・クム日本運営委員長、カトリック正義と平和協議会専門委員。
女子修道会国際総長連盟の働きかけ
今回は女性助祭について、どういう流れでシノドスで扱われ、現在に至るかを分かち合いたいと思います。
総長連盟は、世界を地理的に分け、五〇数カ所の星座(コンステレーション)として組織されています。ローマの星座は世界一修道会本部の多いところなので、七〇名以上いる女子修道会の総長たちが毎年集まっています。フランシスコ教皇は二〇一三年に教皇に就任されますが、男子修道会の総長たちとの最初の謁見は、従来の在り方ではなく、自由に質疑応答し、時間も二時間以上の豊かな内容でした。
一方女子修道会国際総長連盟(以下、UISG)の総会での謁見は、水曜日の一般謁見前のぎりぎりの時間に一〇分程度しかいただけず、しかも「あなたたちは何も話さなくていい」ということでパパ様と次長の大司教が話しただけでした。
そういうことがあったのでローマ星座の私たちは教皇フランシスコに手紙を書きました。いくつかのお願いを書きましたが、そのうちの一つは「三年に一度しか私たちは集まらないから、総会の時の謁見にもっと時間を取って欲しい」ということでした。ところがそれに対する返答がまったくありませんでした。バチカンの何がどうなっているのか分かりませんが、結局最終的にUISGの会長が、家庭についてのシノドスの時に直接パパ様に会って話したところ、「そんな手紙はもらってない」ということで、手紙を手渡したところ、次の日に手書きの、「いいですよ」というお返事が届いたということがありました。
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