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あなたが宿主で、私が旅人で

 そんな妄想をしてみると、自分は宿の人が欲しいであろう情報を良きタイミングで伝えようと頑張る。例えば予約の際には、簡潔に、でも少し温度を持って「そちらに住む友人を訪ねに行きます。チェックイン時間の前に荷物を置きたいですが可能でしょうか? その場合はあらかじめ到着時間をご連絡しますので」と書き添えたり、チェックインで宿を訪れた際は少し微笑みながら「こんにちは〜、お世話になります」と声をかけてみたり、立て込んでいるようであれば「急いでないので大丈夫です〜」と伝えてみたり。

 そんなふうに私が宿の人とコミュニケーションをはかろうとしたとき、宿に人にはどんなふうに返してほしいか。例えば「お友だちがこちらにお住まいとのこと、再会が楽しみですね。荷物預かりの件、承知しました。事前にご案内できることがあれば、お尋ねください」と返信があったり「こんにちは、○○さんですね。おかけになって、お茶でも飲みながら少しだけお待ちいただいてもよいですか」のように少しの温度と丁寧さを備え、かつきちんとあなたのことを認識・準備をしていましたよという状況が見えると嬉しい。

 ありがたいことに、自分がお客としてお店などに入る際に、温度を持って丁寧に迎えてもらえることが多い。でも一方で、機械的だったり目を見てもらえないこともある。そういうとき、顔には出さないが、心のなかではズコーってこけてる自分がいる。

 自分の宿のスタッフには、いつも「あなたが宿主で私が旅人で」という目線を持って業務にあたってもらいたい。


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