ダンスパフォーマンス【ひび割れの鼓動】 旅の形跡_vol.01
ダンスパフォーマンス 「ひび割れの鼓動」
2021年12月3日に神奈川芸術劇場KAATにて初演を迎えた作品「ひび割れの鼓動」。このパフォーマンスがつい先日東京世田谷区にあるシアタートラムにて千秋楽を迎えた。
この作品は劇作家の前川知大氏との共作と言っても過言ではないくらいどっぷりと話し合い=「ブレスト」をしながら創作した。更にゲストとして薬丸翔さん、川合ロンさん、そして佐藤真弓さんを迎えたことで、いつものOrganWorks単体公演の布陣とは異なったチーム編成となり、結果としてOrganWorksの新たな側面を発見できたし、僕の作家としての新たな領域の拡張を実現したと思っている。
企画の特徴は他にもあって、関東圏の中の二つの劇場、KAATとシアタートラムで3ヶ月以内に再演を行うという企画であったこともかなり特殊な公演形態であった。当初はその3ヶ月の間に広島と名古屋でツアーの予定もあったが、コロナウィルスの影響で公演中止に見舞われ悔しい思いをしたが、その間もリハーサルを重ねられたことは結果として非常に大きかった。
音楽担当は名古屋のトラックメーカーRAMZAさん、衣装はスズキタカユキさんと僕が尊敬する二人のアーティストにも参加してもらいこれまでのドメスティックなカンパニー編成を強みとしてきたOrganWorksにとっては本当に新たな経験だったといえる。
今回の連載は数回に分けこの企画の発端から無事に千秋楽を迎えた経緯を紐解き記す機会を設けるものである。自分達がどのように考えどのように発想したかを書き留めておく備忘録としての側面も兼ねながら。
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