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環境先進国デンマークからのヒント

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”デンマーク発信、未来への解決策”
Food Nation Denmarkがオンラインで開催したウェビナーのまとめを紹介をしたいと思います。

2月22日に行われたウェビナーには4名のゲストが招かれ、サスティナブルな農と食のシステム構築に向け、それぞれの立場から議論を展開しました。デンマーク農食水産大臣 Rasmus Prehn氏、IFOAM Organics International 国際有機農業運動連盟の世界理事Paul Holmbeck氏、デンマーク国内最大の小売業者であるCoop Danmark のCEO、Kræn Østergaard Nielsen氏、乳製品協同組合 Arla FoodsのCMOおよびEVP Hanne Sondergaard氏が皆同じく指摘したのは他業種のコラボレーションが必要だということでした。

デンマーク農食水産大臣のプレン氏より
●有機農業推進政策は、現在我々が直面する逼迫した課題:生物多様性損失・水環境の保全・気候危機・動物福祉の改善の「全体的な解決策」として積極的に活用する、と指摘。そして、国が政策を進めることで、有機農業と市場を発展させる。
●公共調達でのオーガニックと全国のオーガニック料理認証(30、60、90%オーガニック)はオーガニック成長の原動力となっていて、キッチンに関わるスタッフが自信を持ってサスティナブルなサービスをすることに繋がっている。

IFOAM世界理事のポール氏より
●オーガニック市場は世界的に伸びていて、オーガニックな成長産業である。
●生物多様性の喪失、土壌の枯渇、気候変動、飢餓の解決策の有効な一つとして、有機農業は農法としても、生態学の認識としても進歩し続けている。
●世界では何百万もの小規模&家族農家が有機物を循環して土壌改良、多収量、多品目、高栄養価、より良い収入を実践しており、これらのベストプラクティスを広める必要がある。

Coop DanmarkのCEO カレン氏より
●オーガニックは食品の価値を高めるための戦略であり、COOPの考える高品質を達成することに繋がっている。
●有機食品を取り扱うことは、従業員(特に若いスタッフ)にとって仕事のやりがいを高めている。
●待たないこと。今すぐにオーガニックを取り入れ、PRし、サプライヤーやオーガニック関係のNGOと協力することが成功につながる。マーケットは既にある。

乳製品協同組合 Arla Foods ハン氏より
●オーガニックの価値を伝えること。食べる人の健康のためになるだけでなく、生物多様性を豊かにし、土壌を回復し、動物福祉を守ることになることを伝える。
●大きな規模で取り組むこと。そうすることで有機農業による環境や社会へのメリットが大きくなるだけでなく、価格プレミアムが大きくなりすぎない。はじめのうちは小売におけるプレミアムを取りすぎないこと。
●オーガニックもより良くなって行くことが必要。環境負荷の提言だけでなく、再生して行く手法を増やすなど。オーガニックの価値をより高めることが必要。

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デンマークからのメッセージで腑に落ちたのは「みんなでこの世界を良くしよう」という強いリーダーシップ。サスティナブルな社会にはエコロジカルなアプローチが必要であり、それは包括的なパートナーシップで創り上げていくしかないのだと改めて納得しました。

分断や紛争、競争がいまだに絶えないことに胸を痛めながら、今のあり方は続けられない。と皆が確信している2022年だと思います。

Food Nation Denmarkについてはこちら
https://foodnationdenmark.com/news/recap-from-food-nations-global-food-talk-organic-production-and-consumption-an-important-contribution-to-a-sustainable-global-food-system/


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