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黄色いさくさく。

 私はミスタードーナツが好きである。というかもう住んでいる。住んでいると言ってもいいくらいミスドに行く。私への誕生日プレゼントはほんとにミスドのドーナツチケットだけでいいくらいである。
好きな理由として、もちろん訳わかんないくらいポン・デ・リングが美味いのもあるが、なんの作業もできる店の雰囲気が好きなのである。私は、大抵の作業はミスドで行っている。大学のデカめのレポートを書く時につかったり、賞レースやライブ前にネタを書く時に使ったり、普通に本を読むだけだったり様々だが、どれをするにあたってもコスパ居心地共に完璧なのだ。実際に、初めての単独ライブで最後にやったネタは「ミスドにて」というネタである。これもミスドで書いた。

 ミスドが混んでいないは昼頃なことが多いが、私はあえて人で溢れかえる夕方頃に行く。そこには学校が終わり、浮かれるばかりの高校生や、お仕事帰りでおつかれの皆様、ご高齢の方々のおしゃべりパーティーなどあまりにもありとあらゆる層が溢れかえっている。

これは、あまり大きな声で言える話では無いが、私は人が話しているところが好きで、さらに人と人とが話しているのが好きである。決して聞き耳を立ててる訳では無いが、ミスドでは人と人との話が耳に入り込んでくる。ある時はマダムとダディたちがWiFiの使い方がわからない、契約の仕方がわからないと悩みを語っている日もあれば、女子高生がバレンタイン前に告白したいけどバレンタインのために告白されたと思われそうで無理すぎる自害するって左端のテーブルで大声で話しているのが、右端の私の座るカウンターまで聞こえてきたこともある。【ゴールデンチョコレート、ポン・デ・リング、お冷】と自分と全く同じセットを持った女性がカウンターの隣に座ってきたことがある。私が菅田将暉で、向こうが有村架純ならこの後押井守にあうことになるのだが、事実は私はひたすらノートに向かい、女性は私より遅く来て、私より早く帰って行った。でも、よく良く考えれば、その人とは食べ物の趣味が合うだけで、時間の感覚もものの価値観も何もかも違うし性格も合わなそうだな。って考えたら勝手にその人にガッカリしてしまった。世界一キモイ蛙化現象である。ミスドでロマンスなんか起こらない。でもそういうとこが好き。

そんなミスドにも一つだけ許せないことがある。先程あげたゴールデンチョコレートについてである。ゴールデンチョコレートは、チョコレートが練り込まれたドーナツ生地に、これでもかと黄色いサクサクのチョコみたいななんか甘いすんげぇ美味いやつがついている。私が1番好きなドーナツでもある。でもこの黄色いサクサクにイライラする。いわばゴールデンチョコレートはこの黄色いサクサクを摂取するためのドーナツなのである。黄色いサクサクが明らかに主役なのである。ドーナツはおまけであり、黄色いサクサクに私はお金を払っている。でも、この黄色いサクサクが、トングでドーナツを掴んで持ち上げた際、ドーナツが並ぶトレーにこれでもかと落ちることがある。いやいや、それを食べたくて取ってるのにメインが落ちるのは話が違うじゃない。どうにかならないのかいあれ。普通に風邪ひいた時と同じくらい落ち込む。でも、店員さんが取ってくれるタイプのミスドに行くのはなんだかミスド側に屈指た気がするので、私は今日も行きつけのミスドに向かう。今日こそゴールデンチョコレートの黄色いさくさくをより多く摂取してやる。

と、このnoteもミスドで書いている。もうドーナツを食べ終わり、このnoteも書き終わる頃なのでそろそろ帰ろうかと思ったが、横のギャル2人がもし自分が大谷翔平の妻だったら何をできるのかを真剣に話し合い始めたので、もう一杯くらいコーヒーをおかわりすることにする。

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