釧路生まれ釧路育ちのオーガニックビーフの”ごちそう”飼料について
今回は非常に多くお問い合わせを頂く「釧路生まれ釧路育ちのオーガニックビーフ」がどのような飼料を食べて育っているのか、一般的な牛肉生産の飼料と何が違うのかなを飼料にスポットライトを当てて公開していきたいと思います(この記事は2021/09/26に記載したもので、別アカウントから公式アカウントに引っ越ししたものです)。
有機畜産の飼料のルールはあるの?
まず、子牛が生まれてすぐは固形飼料を食べません。母牛の母乳を飲んで育ちます。この期間を哺育期間と言います。一般的には代用乳という粉ミルクを給与していることが多いです。しかし、有機畜産では哺育期間は母乳を給与しなくてはいけません。
釧路生まれ釧路育ちのオーガニックビーフの場合は約半年間、広大な草地で母牛と一緒に放牧をしており、お腹いっぱい母乳を飲んでいます。
哺育後、オーガニックビーフを生産する上で有機JAS認証を取得するためには飼料全体に占める粗飼料(生草、乾草、サイレージ、デントコーン)の比率が乾物(水分0%換算)で50%以上でなければなりません。
最終期間(屠畜直前期間3ヵ月又は生存期間の1/5のいずれか短い期間)は粗飼料比率が25%以上あれば大丈夫ですが、基本的に「釧路生まれ、釧路育ちのオーガニックビーフ」は最後までほぼ50%以上の粗飼料比率を保っています。
その他では、有機飼料比率というものがあります。有機飼料比率は飼料全体の有機飼料が乾物で85%以上なければいけません。(毎日の食事のメニューが85%以上が有機って人でもなかな難しいのになんて贅沢な!)非有機飼料が乾物15%未満であれば使用は出来ますが、積極的に非有機飼料を給与出来るよ!ということではなく、牛の成長過程で栄養的に必要だけどその有機飼料が入手出来ないなどしたときに使用してもいいですよ~というイメージです。成長過程で必要な栄養素を与えないことの方が良くないよねということですね。
有機飼料とは人が食べる有機野菜とほぼ同じ規格で作られた飼料です。
弊社でも非有機飼料を使用することがあります。特に子牛のときの高蛋白飼料が入手出来ないことがあるので、その際には使用したりします。
しかし、子牛がある程度大きくなり骨格が出来上がれば100%有機飼料に切り替えます。
一般的な牛肉生産に使用する飼料とは?
一般的に国内で牛肉を生産する際に使用される飼料は、とうもろこしや大麦、小麦、マイロ、ふすま、コーングルテンフィード、米ぬか、大豆油かす、なたね油かす等が使われます。
これらを各飼料メーカーが配合割合を研究し、配合飼料という形で使われていることが多いです。
牧草の使用量は肥育時でおおよそ餌全体の2割~3割くらいです。
釧路生まれ釧路育ちのオーガニックビーフは何を食べているのか?
まず飼料の筆頭はなんといっても全体の乾物(水分0%換算)で50%以上を占める有機牧草です。これは夏場に1年分の有機牧草を収穫します。
子牛のうちは1日に5㎏前後ですが大きくなると10㎏もの有機牧草を食べます。
その他は有機の醤油粕です。これは弓削多醤油(株)と(株)ヤマキの有機醤油の有機醤油粕を使用しています。実際に有機醤油粕を食べたことがありますが、思ったよりも全然美味しかったです。もちろん有機醤油も美味しいです。
弓削多醤油(株)or(株)ヤマキ←ここをクリックして頂き是非、有機しょうゆを購入し料理に使用してみてください。どちらも絶品です!
有機醤油粕の原料は国産有機小麦と国産有機大豆に塩と水です。一般的な醤油には脱脂大豆を使用していますが、弓削多醤油(株)、(株)ヤマキ共に有機国産丸大豆を使用しています。
栄養の特徴は良質な蛋白質が20%/DM(乾物)以上で丸大豆を使用しているので脂質が非常に高く30%以上あり、高エネルギーな飼料で、嗜好性も非常に良いです。
他にも有機ドライフルーツ類や有機ナッツ類の規格外品を使用しています。
有機ドライフルーツや有機ナッツの規格外品がなぜ出てしまうのかというと、外観や臭い、味などの官能検査を行って選別するのですが、日本の消費者は商品の見た目に対しても非常に厳しいため、割れていたり色が悪かったりするものは商品にはせずに、規格外品として食用には出回りません。
このような規格外品をただ単純に廃棄するのではなく、有機飼料としてアルファフードスタッフ(株)は再利用しています。
栄養の特徴は有機ドライフルーツはいろんな種類がありますが、糖分が非常に高く60%以上はあり、水溶性繊維も豊富で15%以上あります。
牛にとっては非常に嗜好性が良く良質なエネルギー源になっています。
有機ナッツ類の特徴は蛋白質が25%あり、脂質が40%と非常に高いため高エネルギー飼料となります。
嗜好性も悪くなく残さず全部食べてくれます。
他にも有機豆乳を作る際に出てしまう有機おからや小麦を製粉際に出てくる有機ふすまや有機末粉を使用しています。
ふすまは小麦の外皮で製粉する際に出て来ます。食用としても一部流通していますが、ほとんど飼料として流通しています。
末粉は小麦粉の中でも等級としては一番低く灰分が高いと言われています。主に工業用や飼料として流通しています。
あとは、時期や賞味期限切れなどにより様々な”ごちそう”ごちそう"飼料を食べています。
最後に具体的にここ最近、釧路生まれ釧路育ちのオーガニックビーフが食べた”ごちそう”飼料を列挙して終わりにします。
有機牧草、有機おから、有機醤油粕、有機ふすま、有機末粉、有機マスカットレーズン、有機ピーカンナッツ、有機ブラックキヌア、有機プルーン、有機アーモンドホール、有機カイサーブデーツ、有機カシューナッツ、有機強力粉、有機黒糖、有機デーツ、有機サルタナ、有機サンフラワーシード、有機チョコ、有機薄力全粒粉、有機くるみetc.
正直、私が食べたことのないようなものまで食べていて、ある意味贅沢ですね(笑)
しかしこのほとんどが、飼料として利用しなければ廃棄されゴミになってしまうようなものばかりです。
牛に給与する際にはとにかく何でもあげれば良いということではなく、細かな栄養分析をして牛の大きさなどによって過不足なく栄養を充足させるためにきめ細やかな飼料設計をしていきます。
なんとこのすべての飼料は飼料のために海外から輸入してきているものは一切なく、すべて国内で調達しているものばかりです。
よって、飼料自給率や食料自給率にも大きく貢献しています!
このようなに資源を有効に活用し、美味しい牛肉を生産し、皆様の食卓を彩ることが出来れば嬉しです!
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!