3年後もまた会いたい〜クラッシックギターコンサート〜
行ってきました!! 大好きな木村大さんのギターコンサート!
もう、何度も同じことを書いてる気もしますが「素晴らしかった」に尽きます。絶対に回を重ねてパワーアップしてるし、泣いたり笑ったり忙しかった〜。
あっと言う間の2時間でした。5時間ぐらいやってていただいて良いのですが、ちょっと足りないぐらいが美味しさのピーク。また次回のお楽しみです(3年後にまたこのメンバーでやるって約束してたし)。
さて本題。
本日は、押尾コータローさん、アンドリュー・ヨークさんをお迎えしてのコンサートです。なんと、発売5分で売り切れたとか。良かった〜、先行予約当選して。互助会の割引チケット待ってないで本当に良かった。
押尾コータローさんは、うちにもCDがあったぐらいの有名人。のせいか男性陣も多かったです。このシリーズ、ゲスト目当ての方も結構いますし。段々チケット取るのも争奪戦になってきたから、そろそろファンクラブ入ろうかな。
まずは1曲目。木村氏ソロ。
穏やかな曲調の「星めぐりの歌」。
宮沢賢治作曲。耳慣れたメロディーが心地よいです。今まで、音を揺らす(ビブラート?)とき弦を抑える指を揺らすだけかと思っていたのですが、ギターそのものを体で揺らしたりもしてました。ギターの中の残響音をギターと一緒に揺らしてる感じです。説明が下手で伝わらないかもですが、それがまた新たなる発見で、ボディに大きな空洞を持つ楽器ならではかと。
しんみり聴かせて、続けて2曲目「Moontan」
アンドリュー・ヨーク氏作曲。木村氏曰く、僕を輝かせてくれた曲。
1曲にギターので技工が詰まってるような曲です(ギター詳しくないのに生意気言ってすみません!)。少しアップテンポの明るい曲。
毎度の事ながら思います。ギターって本当に、何でたった一本の楽器であんなに多彩なんでしょうか。弦を弾く、撫でる、叩く、ネックで弦を弾く、ボディを叩く、揺らす、その他諸々。あらゆる手段を駆使して、音を紡いでいく。他の楽器では見たことがありません。1つの楽器の役割は一つで、打楽器の代わりをするクラリネットとか見たことないし。でもギターはたった一人でそれをやってのけます。私の知る限り最強の楽器だぁ。
3曲目「天国への階段」。
段々、記憶が怪しくなってきました。確かソロだったと思うけど…。ゲストが参加する時に、ちゃんとプログラム見とけばよかったな。
こちらもしんみりした曲。レッド・ツェッペリンの代表曲の一つらしいです。
こちらのホールは舞台の背面がアコーディオンカーテン状のガラス張りになってるんですが、ふと見やればスポットライトの中、その1枚に俯き加減でギターを弾く後ろ姿が映っています。曲調と相まってまるで美しい絵画を見ているよう。
そして4曲目。押尾コータローさん登場!! いやトークが、この方のギターの爽やかな音色からは想像出来ないトーク力が。毎度口を開くたびに爆笑の渦。木村氏に「関西人だから」って言われてましたけど。楽しかったです。
曲は「Precious」
作曲/押尾コータロー
木村さんが演奏するのを作曲家として座席で聴いてたそうなんですけど、インタビューとかされて「いや、素晴らしいですね」とかやってたそうなんですけど、じゃあ、お前弾いたらどうなんだよ、ってことでの選曲だそうです。木村氏とのデュオ。
ギターの違いも説明してくれて、木村氏使うところのナイロン弦のクラッシックギターと押尾氏のスチール弦、昔で言うところのフォークギター。二人で弾き比べして、同じFm(だったかな)でも木村氏が弾けばスペインフラメンコ調、押尾氏が弾けば耳慣れた歌謡曲調になると。なるほど。お二人の音はどちらも好きですけどね。
曲の感想は音源なくて思い出せないのでpassしますが、途中2人でよく目を合わせながらタイミングを取っていました。が、曲の最後2人の消えてゆく残響の長さまで一緒、という息の合い方。素晴らしい。
そして5曲目、押尾コータローさんソロ。
「戦場のメリークリスマス」
言わずと知れた故坂本龍一さんの名曲です。前回のコンサートでは木村氏が弾いていました。あの時はウクライナ戦争が始まったばかり。戦場の兵士の姿が目に浮かんできて涙が止まりませんでした。あれから1年。戦争はおさまるどころか、新たなる戦いが始まりました。暗がりの中、押尾さんの奏でる曲を聴きながらガザ地区の子どもたちの声が聞こえるようです。生きたい、生きたいと。再び溢れる涙。止まらないけど放おっておきます。前回、平和を祈りはしました。でもこの1年。私は何をしていたんだろう、何をすれば良かったんだろう。結局、泣いただけで何もしませんでした、きっと(何をすれば良いのか、何をすれば)そう悩みながら、何かをしなくてはならなかったのでしょう。本来なら。2人の演奏家がこの曲を選んで私たちに伝えてくれたように。
5曲目「JOKER」
再びデュオ。一瞬前の涙を吹き飛ばすような(心に思ったことは忘れてませんよ)爆笑トーク。
曲は押尾氏作曲。怪しげな曲と紹介してました。前半締めにふさわしい快活な曲です。
休憩を挟んで後半戦。
いきなりソロでアンドリュー・ヨーク氏登場! 青い民族風な衣装が白い豊かな髭と相まって格好いい。イケオジです。
お初にお目にかかるのですが、最初の一音聴いて「似てる!」となりました。木村大さんの小学生の頃からのアイドルだったらしいけど、大さんに音がそっくりです。ナイロン弦とかそういうことではなくて、やっぱり憧れの人に似るんでしょうね。
少し違うのは、やっぱりヨーク氏に重ねた年齢が感じられるってところかなあ。
で、後半1曲目は「Deepening」
曲調と音の優しさ、ギターを抱くように弾くさまなど、お祖父ちゃんに膝の上で昔話を聞いているような気持ちになります。
2曲目「The Dancer」
はい、イケオジ確定です。格好いいとしか言いようがない。緩急どちらも弾きこなす表現力。凄い。
3曲目で、木村大さん登場。2人で「三千院」の演奏。アンドリュー・ヨーク氏が日本の三千院を訪ねた際に作った曲だとか。2人、似た音質似た表現でハーモニーがとっても綺麗。それでもアンドリュー・ヨーク氏が暖炉の火なら、木村氏は外を駆け回る子犬のような音質かな。音楽ってそんな違いが混じり合って新たな表現を作っていくのでしょう。
4曲目「komorebi」
木村氏作曲。2人のデュオ(だったはず)。こちらもゆったりした曲です。2人の雰囲気に合ってる。
そして、やっと3人揃います。押尾コータロー氏再び登場! アンドリュー・ヨーク氏と一緒に演奏できることを大変喜んでいるのですが、本人に伝える英語力がないらしく「I love you」を連発。ヨーク氏、顔を赤らめて困ってました。押尾氏曰く、音質の違うクラッシックギターとアコースティックギター、交わることがなかったものをいとも簡単に結びつけてくれたのがヨーク氏なのだと。
私のしょうもない感想だと、木村氏、ヨーク氏の2人のデュオは暖炉のある部屋の中の音、押尾氏が入って3者のトリオになると爽やかな草原に出たかのような音になります(なんだ、この感想は)。スチール弦の響きが少しシャラシャラと風のように聴こえて、それがそんな感覚にさせるのかな。
5曲目はヨーク氏作曲「カリフォルニアの風」でした。
6曲目はカッチーニの「アヴェ・マリア」
ところがこの曲。カッチーニの作曲ではないという諸説があるそうです。既に有名だったカッチーニの名を冠せば、曲が高く売れるからと画策したとかしないとか。こんなにしっとりした良い曲にも、色々な紆余曲折があるんですね。勿論3人での演奏は心に沁みる沁みる。二度とこの3人のこの演奏は聞けないんだろうな、と思ったら激しく「一期一会」というものを感じてしまいました。このひとときを大切にしないと。
そして、あっと言う間に、公式最後の曲になります。
クラッシックギターの2人が曲ごとに調音し直す間、押尾氏がトークで繋いでくれるのですが、押尾氏は一曲ごとにギターをとっかえ引返え。その理由は、都度次の曲に合わせて裏でスタッフが調整してくれるんだそうで、ギターの多さを見せびらかしているのではないと。で会場笑い。で、スタッフ来ねぇな遅えな、と思っていたら次は調整の必要がない曲だったとか。で会場大爆笑。
さて、最後の曲「ボレロ」です。
そもそもオーケストラの曲ですが、ギターって本当に何でもできちゃうんだなと。しかも3本もあればオーケストラ並みの重厚感も出せてしまうのか。ボレロは大好きな曲でもあり、演奏前から楽しみです。そもそもボレロはスペインの舞踏曲の意味、ギターとの相性も悪くないはずです。
まずはヨーク氏の低音から始まります。静かに静かに始まるのはオケと一緒。3人で交互にメロディーを奏でたりハーモニーを作ったりしながら、いつの間にか音量も大きくなりユニゾンへ。もう、踊れるものならこの場で踊りたくなります。最後、3者で息を合わせて掻き鳴らすようにしてラスト! ブラボーの大拍手でした。
鳴り止まぬ拍手。勿論アンコールです。アンコール曲は「Returning Home」
木村大さん作曲。最新アルバムの代表的な曲。勝手に「お家に帰ろう」と呼んでいます。どことなく田舎の原風景を思い出させる曲です。
本当にラフトのラスト。
「Sunburst」
このホールは夕方の演出が最高で、アコーディオン型のガラス窓にかかっていたブラインドが開くと、眼前には夕焼けに浮かぶ運河と雲。茜色の空を航空機が横切り、川辺には帰路を急ぐ自転車。街に灯がともり始め、その中に流れる軽快で爽快な音楽。この楽しい演奏会のラストを締めくくるにふさわしい曲、演出です。
弾き終わったところで、皆でスタンディングオベーション。拍手鳴り止まずにいたら、木村氏がスタッフ呼んで客席含めて記念撮影。なんとなくアットホーム。
今回特に感じたのは「一期一会」。もう二度とこれらの曲を生演奏で聴く機会はないのかもしれません。例え3年後にまたこのメンバーが集まったとしても。この時この会場この客席、全てがこの雰囲気を作る役割を負っています。楽しいだけではない、色々な事を感じさせてくれる、そんな素敵なコンサートでした。
幸せなひとときギターの弦が揺れ
※一部、公式と思われるものからリンクにて曲の動画を貼りました。間違って違法なものをリンクしていたら削除しますのでお知らせ下さい。
2024.2.10 ㈯ 豊洲文化センター
木村大ギターコンサートvol.8
木村大×アンドリュー・ヨーク×押尾コータロー