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プロジェクト成功への道-操縦桿を手放したらプロジェクトは簡単に破綻するよ?

はじめに

プロジェクト管理において、クリティカルパスの選択はプロジェクトの成功に直結します。しかし、中には(本人自覚ない場合もあるのは承知で敢えて言いますが)"故意"に困難なクリティカルパスを選択する人が存在するのも事実だなと改めて思ったのでポエムっときます。

どっちを選ぶ?

プロジェクトで問題が発生した場合、通常、複数の解決策を考え、リスク等を踏まえた上で対処を決めます。そんなとき、たとえば以下のような案が上がったとします。

  • 案A:内部チームだけで解決できる案

  • 案B:他チームの対応に依存する案

あなたはどちらを選びますか?

私なら、案Aを選びます。

案Aを選ぶ理由

わたしが案Aを選ぶのは、チーム内での対処ですので単純にコントロールしやすいからです。一般に、チームの稼働であればチームの都合で調整できますし、事情も汲み取って動いてもらえるという節もあります。そもそも、チーム内の事情であれば「あぁ、その件ね」と事情の説明も省ける可能性が高いです。つまり、管理がしやすく、コミュニケーションコストも低い、目的達成に向けた最短経路と言えるからです。

案Bを選んだらどうなる?

これが他チームが関わってきたらどうでしょう。他チームの稼働は管轄外ですから自チームの都合で調整するにはそれなりの労力がかかりますし、他チームの稼働状況次第では「無理」と言われることもあります。なぜ依頼が発生しているのかの背景説明からはじまり、他チーム内でも(主に上長に対して)事情の共有が必要になります。伝言ゲームで話がねじ曲がることも多々あります。つまり、クリティカルパスに他者が関わることで、複雑性とリスクが増大し、プロジェクトの遅延やコスト増加の可能性が高まるわけです。

しかしながら、一部の人々は平気で案Bを選びます

案Aが存在しないのであれば案Bを選ぶしかありませんが、案Aがあるにも関わらず案Bを選択する、ないしは選ばれた案Bをマネージャーが承認するというのはおかしな話です。なぜなら案Bを選んだ瞬間に、クリティカルパスの命運を自チームではなく他チームに委ねることになるのですから。プロジェクトの遅延リスク、失敗リスク以外の何者でもありません。プロジェクトを成功させたいのであれば、こんな選択はまずとらないでしょう。

それでも案Bは選ばれる

それでも案Bを選択するのはなぜでしょう。個人的には、このような選択が行われた場合「やりたくないから」とか「責任を押し付けたいから」といった後ろ向きな理由が隠れている可能性が極めて高いと考えています。

プロジェクトの健全性を見極める場合、案Bを選ぶようなマネージャーが取り仕切っているプロジェクトは遅延・失敗を繰り返す可能性の高い、要注意プロジェクトと見るべきです。

おわりに

ある種、プロジェクトの成功は正しい意思決定に依存します。正しさの一面には効率的かどうかも含まれます。不必要に複雑なクリティカルパスを選択する行為は、プロジェクトの遅延とコスト増加を引き起こし、チームの士気にも悪影響を及ぼします。

正しくあることは難しいですが、マネージャーの立場にある人は、誠実に、冷静に案を比較し、少なくとも最も効率的な選択をする義務があるということを自覚してほしいところです。

プロジェクトの成功の鍵は「なるべく操縦桿を手放さないこと」だと思う、今日このごろでした。

以上

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