01「もう恋なんてしない」
イシイレンコンさんという芸人さんがいる。
その人は僕と同じ槇原敬之のファンで、noteで自分なりの解説をしながら曲の紹介をし、自分で噛み砕き、よりマッキーの曲の味を楽しんでる。
「そういう楽しみ方もあるのか」
ファン歴13年目に入った僕も、そうやってマッキーの曲を楽しんでいこうと思い、パソコンをカタカタしている。
さて、いつまで続くかわからないこの企画。
最初の曲は何にしようか悩んでいたが、全てが始まったこの曲から始めることにした。
「もう恋なんてしない」(1992)
槇原敬之を代表する曲の1つで知っている人も多いのではないだろうか。
この曲との出会いはすごく鮮明に覚えてる。近所のライフに買い物に行った時、2階の衣料品コーナーのエスカレーターを上ると、見えたのは流行りの服を着せられたマネキン。その下にあるスピーカー。そこからこの曲が流れていた。
当時小学校6年生の僕は、かけっこで1位になったので父親からipod nanoを買ってもらったばかり。音楽を手に入れた僕は今までのフラストレーションを発散するように音楽を聴きあさっていた。
「この曲なんか聞いたことあるな。TSUTAYAで借りにいこう」
当時はサブスクなんてなかった時代。僕は基本TSUTAYAでCDを借りていたのだが、「なんとなくアルバムの方がいっぱい曲も入ってるしお得だろう」みたいなマインドで〈もう恋なんてしない〉が入っているアルバムを借りた。
そのアルバムがマッキーの初ベストアルバム「SMILING」なのだが
・遠く遠く
・SPY
・No.1
・SPY
・冬がはじまるよ
・北風 〜君にとどきますように〜
初期の槇原を代表する曲が勢揃いしたこのアルバム。そこからどんどん派生していき、今ではファン歴13年。筋金入りのマッキーファンになったからあのライフの選曲にはほんと感謝しかない。(笑)
さて本題に入ろう。
実はこの曲について語るのは、あまり気乗りしなかった。
なぜなら僕自身この曲の意味がいまだにわかっていない。
この曲の代表的な一節はもちろんここだろう。
もう恋なんてしないは、一緒に同棲していたパートナーが家から出て行ったというストーリーの曲。タイトルにもなってるこの歌詞は、二重否定になっていてもう恋なんてしないってことを絶対言わないといってる。ということは、つまり「失恋はしてしまったけど、僕はまた恋をするだろう」という意味だ。
ただ僕を惑わせるのは、この歌詞の前の部分であるここ。
強がりとは、弱みを見せないために実際よりも強く見せること。
ただここで僕が思うにこの強がりは、「思ってもないことを強がって言っている」じゃないかなと思ってる。
ということは、今からいう言葉は強がりで言った嘘だよとも捉えられるので、三重否定で結局もう恋なんてしないってことにも捉えられる。この強がりって表現がすごく曖昧すぎて、本当にどっちにも捉えられる。強がりの度合いなんて人それぞれだ。
(あとは歌詞の冒頭の紅茶と朝食の件は、出来もしないのにできるよと強がってるようにも思える)
ということで
僕自身もこの曲の本当の意味がまだよくわかっていない。
わかりたいようで、わかりたくないだけかもしれないけど。
ちなみにこの曲で他にも好きなところがあって、それがここ。
サビの冒頭で使われている歌詞。
恋人と別れた時、この歌詞が特段沁みた。
ずっと好きだった人に別れを告げられたが、僕はずっと好きという気持ちは変わらなかったので、なぜこんなにも好きなのにさよならという言葉を告げられたんだろうとこの曲を聞くたびに思い返したものだ。
恋人がいないことをこんな表現できるのが天才すぎる。しかも当時23歳で今の僕よりも全然若い。今でいうvaundy的センスを感じさせられる。
たぶんこの曲は僕の生活のポイントポイントにこれからも現れ続けて、あの時みたいに僕を満たしてくれるんだろうな。