02「南極なら君と僕とペンギン」
1996年10月25日。
槇原敬之デビュー6周年となるこの日に発売されたアルバム「UNDERWEAR」に収録されているのが今回紹介する「PENGUIN」
「うん」や「THE END OF THE WORLD」、「LOVE LETTER」といった名曲を携えたこのアルバムの発売日は僕の親友2人が生まれた日なので運命的なものを感じる。
この曲のテーマは「叶わなかった恋」
曲中のカップルは愛し合っていたけど、2人の親族や周りがおそらくそれを認めてくれなくて、関係が終わってしまったんだと思われる。
2人の関係を誰かにとやかく言われるのに対して嫌気がさし、
『南極なら君と僕とペンギンだけしかいないから誰もとやかく言わない最高の世界じゃないか』と2人が悲嘆にくれながら笑っているシーンがなんとも切ない。
というよりもまずこの世界観。
ましてや南極とペンギンでこの表現ができるのはさすが槇原だなと思う。
またこの曲の歌詞に製鉄所のコンビナートや高速道路等が出てくるが、これはこの頃槇原自身が自動車免許を取得しよくドライブに出かけたかららしく、コンビナートもその時のドライブコースに入っていたみたいだ。
いたずらをして怒られても「ごめんなさい」の一言を
誰かに言えばそれでよかったあの頃にはもう戻れない
この歌詞も非常にいい。
今まで何をしても誤って許されていた時期が誰にでもあった。
ただ歳を重ねるにつれ、大人になり、責任も生まれる。
何をしても誤って許されたあの頃の意はもう戻れないのだ。
あとはこの歌詞のイントロ部分。
アイリッシュ系の雰囲気が感じられる。
槇原の曲でこういうテイストの曲ってそんなにないんだけどすごく好き。
この曲以外だと「loveable people」に入ってる「Elderflower Cordial」は歌詞にパブが出てくるあたり完全に曲調意識してる。
多分この曲は槇原の中でもかなり大事な曲なんだと思う。
というのもこの曲にはNorth pole ver.(北極点)というリメイク版も出してるんだけど、槇原の中でリメイクをするってことは本人の中で思い入れがあって、別の表現に挑戦したい姿勢なんだと思ってる。(しかもこっちのバージンの方がアイリッシュ感が強い)
もっとこういう曲調の作品を聞きたいなー。