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舞台桃源暗鬼ー練馬編ー 感想

 1月12日昼公演、夜公演、13日昼公演に行きました。連チャンで3公演でした。
 色々忙しかったりなかなか書きたいことがまとまらなかったりで1ヶ月以上温めてしまってますし、この間に別の作品を見終わっているのでいい加減そろそろアップしなければと……。

 前回の舞台以降、続編製作決定からずっと心待ちにしていた公演です。本当は初日に行きたかったのですがなかなか当たらず……とにかく事前情報を入れないように気をつけながら練馬編に臨みました。

 会場は前回と同じ銀河劇場。前回の桃源暗鬼東京公演で初めて来ましたが、何となく雰囲気が好きなのでまたここでやってくれるのは嬉しかった。ちなみに観劇経験がまだ浅いので劇場の善し悪しはまだイマイチわかってないです。銀劇はなんとなく雰囲気が好き。
 そして12日昼の席が1階M列12番、ものすごい神席でした。1階の比較的後方にはなりますが、舞台全体が見渡せるのと、なんと通路脇。前回公演で1シーンだけ客席通路を通ったので淡い期待を抱いて行きましたが、前半からもう想像以上に客席を通る通る。服の裾とか当たってるんじゃないかと言うくらい至近距離を通るので良い意味でかなりびっくりしました。びっくりしすぎて体が前向いたまま固まってたので、もう少し振り返ったりとか隣を通るところをちゃんと見て目に焼き付けておけばよかった。
 ちなみに12日夜は元々席を取ってなくて当日券を買ったのですが、2階B列のほぼど真ん中で、これもまた舞台全体が死角なく見渡せるかなり良い席でした。当日券でそんな席当たることあるんだ。
 13日昼は先行で当たらなすぎてサイドシート枠で応募した結果、1階B列4番。2列目ですが目の前席無いのでほぼ最前です。正直かなり角度つくので下手側の手前はかなり死角が多いですが、それ以上に近さと機材の音圧、振動があって迫力は凄いです。ほぼ4DXのアトラクション。桃源暗鬼はバトルシーンが目玉なので座っていて楽しい席でした。

 席の感想が長すぎますね。ここからは内容の感想なのでもちろんネタバレです。

 まずは本当に前回に比べて演出のパワーアップが凄すぎる。本当にもうありがとうございます。
 オープニングの無陀野とのトレーニングシーンで上手く全員のキャラクター紹介を挟むの、すごくテンポ良くて好きでした。始まったなというワクワク感が良い。個人的には矢颪碇が原作からずっと好きなので、前回舞台のオリジナルシーンで使ってくれた槍をまたここで見られたのがすごく嬉しかったです。

 特に前作よりもパワーアップしてきたと感じたのが無陀野のローラーブレードのアクションシーンでした。前回は安全面的にやらないだろうなからの本当にやるんだ!? で度肝を抜かれたのですが、今回はより激しくなっている気がしました。確証はないけど、シーン自体も増えているような。でも気のせいではないと思います。
 無陀野と言えばやはり月詠戦ですね。練馬編新キャラの鬼4人はかなり個性的で舞台映えするだろうなと思っていましたが、実際見てみると本当に魅力的でした。月詠がとにかく美しくて戦い方も優雅で。力のカードと無陀野の戦闘シーンを最前近くで見られたのは本当に素晴らしい経験でした。傘を使った殺陣も、アンサンブルの方の雨過転生もパワーアップしていて、さらにアンサンブルの方の獅子の動きも激しく見応えがありました。特に13日は1階B列だったこともあり、もの凄い迫力でした。
 無陀野のローラーブレードもそうですが、安全第一としながらあそこまで迫力のある演技、演出をするために途方もない努力と試行錯誤があったのではないかなと思うと嬉しいですね。
 前回もパネルを使った演出が多くてすごく面白いなと思ったのですが、今回も月詠戦の地下の柱だったりと舞台という限られた空間の中で限りなく広く見せるのが上手いなと思いました。
 そしてパネルと言えば鬼側の新キャラ、練馬偵察部隊の真澄隊長のシーンですね。真澄隊長の透過能力ってどうやるんだ? と思っていましたが、あのパネルの使い方は本当に良かったです。音楽もテンポが良くて、あのパネルによって真澄隊長が消えたり現れたりする表現は、真澄隊長の身のこなしの軽さも感じられてとても素晴らしかった。真澄隊長って前線で十分戦えるくらい身体能力は高いのにそれを見せないし、派手さはないけど確実に仕留める強さがあって、それを存分に発揮してくれた良い見せ場でした。

 同じく鬼陣営の新キャラ並木度さんもすごく良かったです。みんな癖が強いキャラの中すごく安心感のあるキャラで、舞台での並木度さんを見てたらこの人こそ先生になった方がいいんじゃないかと思えてきましたね。でも真澄隊長に指名されて小さくガッツポーズしてたり可愛い一面もあって、原作で見た以上にみんなのお兄ちゃん感があって新しい魅力に気づけました。

 先程月詠には触れましたけど、今回は桃側の新キャラ4人を本当に楽しみにしてました。絶対に舞台映えすると思っていたし、神門と四季のシーンは桃源暗鬼という作品そのものの根底に関わるターニングポイントなので、ぜひ劇場で観たいとずっと待っていました。

 特に桃巌深夜役の武子さんの演技が印象的でした。深夜は感情の起伏が大きいし前回の唾切とは違うベクトルで悪役に振り切れてるキャラで、武子さんの演技も原作のイメージの通りで凄く引き込まれました。盤面を引っ掻き回す様子は嫌だな〜と思いつつも、やっぱりこの作品に絶対にいなければならないキャラクターだなと改めて感じました。

 桜介も本当に原作のイメージ通りでした。戦闘シーンも一段と激しくて、ハラハラするシーンでも見ていてとても楽しかったです。桃源暗鬼はどのキャラクターもみんな強いですが、桜介の戦闘は特に見応えがあって、桜介の感情にも乗せられてとても楽しいですね。無陀野との戦闘で1階センターブロックの上に鎖を通すシーンはとても驚きました。あれを間近で見られたのはかなり良い経験でした。欲を言えば下から見てみたかったですけどね。
 また矢颪VS桜介のシーンもこの練馬編の山場の一つですし、矢颪が好きというのもあって一番好きな戦闘シーンかもしれない。桜介が倒れている矢颪の顔を蹴るシーンは、演技だってわかっていてもやや心が痛いくらいでした。それくらいお2人とも本気でぶつかり合っていたんだなと感じられました。それに矢颪は今回色んな武器を使いますし、それぞれに合わせた戦い方を見せなくてはいけない大変な役だろうなと思いますが、より矢颪碇の魅力を感じられてすごく嬉しかったです。翼で戦う矢颪碇、そして堕天使の咆哮を劇場で見届けられて本当に良かったです。

 そして神門と四季のシーンは本当に凄かったです。話の流れ知っていてもずっとドキドキしながら見てました。出会ってすぐに何でも話せる友達になっていくテンポの良さと、深夜によってどんどん疑心暗鬼になっていく様子のテンポの良さが、じわじわと嫌な展開になっていく漫画とはまた違った舞台ならではの良さでした。
 戦闘シーンの迫力はなかなか言葉にするのが難しいですね……本当に見応えがありました。四季と神門の本気のぶつかり合いを劇場で、あのお二人の演技で見ることが出来て良かったです。神門の本気には深夜のあのムーブが起因していると思うと複雑ですが、でもあの戦いを経て四季と神門は鬼と桃太郎の将来について考えられたと思うので、やっぱり物語として大きなターニングポイントだなと思います。また、ビルの屋上という高所でのアクションや空中戦を舞台空間で魅せるのも上手いなと思いました。舞台桃源暗鬼は全体的に広い場面や空間を想像させる演出がすごく上手いように思います。この場面も激しいアクションが多くて、また銃のアクションって直接斬ったり殴ったりするよりも見せるの難しいと勝手に思ってるんですけど、すごく引き込まれる演技でした。
 最後に羅刹学園メンバーが練馬を離れる時に神門が見送りに来るシーンはちょっと泣きました。あのシーンの阿部さんが本当に四季ならそうするだろうなぁ、本当に四季くんがいるなぁという演技で、それに応える酒寄さんの神門の心から嬉しそうな様子に、本当にこの2人に演じていただけて良かったなと思いました。

 本当に前回に引き続き、そして前回よりパワーアップしていて素晴らしい作品だったのでもっと色々書きたいことはあるはずなんですが、この時点で1ヶ月以上温めていてこれ以上書くといつ書き終わるのか分からないので、ここで収めておきます。
 本当に素晴らしい作品だし劇場でまた見られて良かったです。原作で次にくる華厳の滝編はかなり長いしキャラクターも増えるので、正直舞台化は難しいかもなという気持ちもあるのですが、ここも大好きな話なのでいつか見られたら嬉しいです。矢颪の過去が明かされる話だし、今回過去の匂わせもあったので華厳の滝編やってくれたら嬉しいですね。

 以上、遅れに遅れての投稿ですが舞台桃源暗鬼練馬編の感想でした。

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