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きにもとめず

配信でリリースがされてから一週間ほどが経ちました。オレムト、きにもとめず。
そして、このタイミングで改めて一曲目から聴いてみる。

作品を作ってる時に意識していたのは、「時間が止まる」ような感覚だった。
再生ボタンを押して一音目が聴こえた瞬間、その音に風景が包まれて、時間の進む感覚とかそういうものが全部なくなる音楽、っていうのがたまにあって、なんか今回はそういう物にしたいなーーーと思っていた。

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この作品を作り出したのは去年の秋頃。その頃おれは色々な関係で作りたかった音源が作れないことになって、どうしようってなって、次に進むべき道をひたすら模索していた。

そんな中、ある日の帰り道、電車が止まって、大幅に遠回りして帰らなければいけなくなった。そんでまあ、せっかくだし楽しむしかないかあって思って、ちょっとお酒飲んで、電車に乗り込んで、音楽を聴きながら本を読んでた。その時たまたま持っていたのが「アンビエントミュージック 」に関する本で、そんな音楽を聴いていたら、全く知らない風景と、電車が止まって彷徨う人々と、ちょっとの酔いと、そんな全部が合わさって、今まで一つの音楽知識としてあった「アンビエント」が一気に自分の体の中に入ってきたような、そんな感覚になった。定期的になんかあるんだよな、こういうやつ。
で、今までアンビエントを作ろうなんてそんな大層なこと考えたこともなかったんだけど(無理だと思ってたし)なんか、やってみたい!と思えて、何より素直にめちゃくちゃワクワクした。色んな迷いが吹き飛んだ気がした。


そんで、早速制作をはじめてそこからは一気に、、、、とか言いたいところだけど、今回は今まで体験したことないくらい、、、何度も頓挫した。
でも考えてみたらそれはそうで、まあ今回はキーボードで作ったわけだけども、俺はキーボードなんてろくに弾いたことがなかったのだ。笑 作ってみて思い出した。
音の作り方もわからないし今まで築いてきた知識とか経験が全く生かせない。これはびっくりした。笑

でも、その時は実際そういうことがやりたかった、というのも本音。なんていうかギターでまた作品を作っても良かったんだけど、少しマンネリを感じてて、作ればそれなりに良い作品がまた作れるんだけど、なんかワクワク感とかがあんまりなくて、自分で作る前から完成形が予想できちゃうような、そんな感じがあって、一回全くゼロのところから作りたかった、ってのがあったんだよな。


てなもんで、最初は勢いで作れて何個かいい物ができたけど、そっからはどれだけ作っても同じような曲ばっか。そんで、どれも誰かの猿真似みたいだし。とてもじゃないが、これは作品とは呼べない、世には出せない、と思った。

で、もうやめやめーーーーって、思って、制作も止めるんだけど、その何日後かにはまた作ってみたりして。笑 良くも悪くも諦めが悪いんだよな〜俺。そんで、なんか悔しいしむかつくから、とにかくダメでもいいから作りまくった。収録されずに消えた曲の種が無数にあった。気づいたら時間だけが過ぎていった。でも、色んな可能性を探っていくうちに、少しづつ進むべき道が見えてきた。やっと「作品」として見えてきた。

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という感じで、なんとか完成まで漕ぎ着けて今に至る、と。
すごい、赤裸々、こんなこと書く必要あるんかな?まあいいか、なんでも。そんで、とにかく、今は音で勝負をしたい。音楽で。そりゃまあね、リリースするってなったら、こうみえてアレコレ宣伝のこととかも色々考えてるし、最善を尽くしてるつもりではあるけども。

作ってるときは、そういうのは全く排除して。自分が一番興味あるものだけを作りたい。おれはそういうものが聴きたい。で、まあ、いま、改めて聴きかえすと、もちろん妥協なく作ってるし、良いやん、って思うんだけど、やっぱまだまだ、だな、とも思うし、全然まだやれる、って思えるから次があるし。

自分のことすらよくわからない。周りのことなんてもっと分からない。何が良い音楽で、何が売れる音楽で、とかなおさら。だから、そんなことは、きにもとめず、自分の感性だけを、自分が面白いと思えるものだけを作っていきます。それでしか行けないとこに、興味があるっす。お後がよろしいようで!
またそのうち〜〜〜!

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