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AIさんに頼んで絵を描いてもらう話② ファンアートとしてのAIイラスト 

8月17日はラブプラス・小早川凛子さんの誕生日

8月17日、日本時間の午前0時をまわった瞬間、全国、いや海外も含めてたくさんのカレシさんが続々とお祝いのメッセージや画像をtwitter(X)にアップし始めた。
ゲームの画像や公式イラスト、所有するグッズ、自宅でのお誕生日会の様子やカノジョのイラストなどが続々と上げられる中、今年は昨年には全くなかった種類のイラストが複数アップされていた。
AI生成イラストである。より正確に言えば、小早川凛子さんの公式イラスト等で追加学習を行ってから出力された凛子さんのAI生成イラストである。

ヒロインの誕生日ごとに盛り上がるカレシたち

ラブプラスは2009年にコナミデジタルエンタテインメント社から発売されたニンテンドーDS用ソフト「ラブプラス」から始まるギャルゲー(コミュニケーションゲーム)のシリーズで、3人のカノジョ候補から一人を選び、エンドレスでおつきあいをする内容だ。
1作目のソフトは24万本を売上げている。続編はDS、3DS、スマートフォン、アーケードゲームで展開された。
つまり、少なくとも24万人以上の人々が、小早川さんをはじめとする3人のヒロインのいずれか、あるいは全員とおつきあいをしてきた計算になる。
だからヒロインの誕生日になると、普段ラブプラスに関する投稿をしていないアカウントがいっせいにお誕生日祝いのツイート(ポスト)をする。

お祝いツイート(ポスト)をしたいができない理由

幸せに溢れたお祝いツイートをチェックするのが私は好きだ。私以外にも、お誕生日ツイートを検索して見ているカレシ・元カレは多いだろう。
その中には、「自分も誕生日お祝いツイートをしてみたい」という方もいると思う。でも、「だけど~僕に~は画才がぁない~♪(西田敏行の歌真似で)」だったり、カノジョのお誕生日ケーキを買うのが恥ずかしかったり、グッズの収集をしていなかったりなど、「やりたいけどできない」人々がいるはずだ。

画像生成AIに賭ける(描かせる)

そんな中で現れたのが、画像生成AIだ。画像生成AIに特定の絵柄を追加学習させることで、特定のキャラクターそっくりの新規絵を生成することができる。
そこで、「ファンアートを描きたいし、描きたいビジョンもあるが、絵が描けない。でもPCはチョットデキル」人?たちが、画像生成AIを活用してラブプラスのヒロインのイラストづくりを始めていた。

特定のキャラクターを学習した学習済みデータやツールを販売することや、特定のキャラクターを出力したものを利用したキャラクターグッズを販売するようなことをすれば、著作権侵害になりかねないが、あくまでもファンアートとして出力し、SNSへのアップロードにとどまる行為ならば、法的には手描きのファンアートと同じ扱いになると思われる。
著作権侵害の判断基準は手描きも生成AIも同じと著作権の所管官庁である文化庁が言ってた。
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/bunkakai/68/pdf/93906201_09.pdf

新技術で広がる世界

カレシさんたちが画像生成AIに頼んで描いて貰った凛子さんのイラストは、それぞれ絵のタッチが異なっていて、生成者の個性や思いが表れていた。
そして、ほんとうに驚いたのが、これ手描きだよね?というレベルの作品もあったのだ。見抜けなかった…このAIソムリエである私の目を持ってしても。

このリハクの目をもってしても…

絵が描けないなら練習すればいいじゃない?と思われるかもしれない。それは100%正論だ。
でも欲しいのは自分の筆致でなく公式イラストっぽいのが欲しい…という人にとっては画像生成AIは福音だろう。
もちろん現実はそんな幸せな世界だけではできておらず、画像生成AIでつくられたイラストが有料で販売されたり、無許諾のグッズになってしまっている現状から目を背けることはできない。

それでもファン活動のひとつとして、AIさんに推しキャラのファンアート(俺の望むシチュで)を描いてらもらい、AIイラストであることを明示したうえで、ファン活動の範囲内・公式からガイドラインが明示されている場合はその範囲内で公開することまでは否定しなくてもよいのではないだろうか。

描けぬなら 描かせてみよう AIに

新しい技術は自分の表現(や暮らしを)を豊かにしてくれると私は信じる。
全肯定か全否定か、でなく、いい塩梅で新技術を活用すればいいじゃないかな?

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