役立たずと言われて嫌儲に追放されたケンモメンだけど、ひろゆきを論破しちゃいました~横浜地裁・放置車両編~

ひろゆきとはとくに関係ないケンモメンでございます。

このたびは、ひろゆきが根拠不明確な情報をもとに、誤解を招きかねない法的知識を広めているようで皆様には大変ご迷惑をおかけします。

ひろゆきは幼いころに(以下略)

今回の記事は、先日、ネットを騒がせてしまったこのツイートに関する解説です。

横浜地裁の敷地内に謎の車両が放置されて邪魔になっているという件です。

いろいろ真偽不明な情報をもとに、憶測で、日本の裁判所はけしからん!という言論が飛び交っておりますので解説していきます。

1.我々調査隊はひろゆきを論破するためにジャングルの奥地に・・・まで向かう必要はとくになかった

ひろゆきのこのツイートをパッと見た印象はこうです。

その1「自分の土地に勝手に車を止められても、他人の財産である車を土地の所有者は移動出来ないという判決」というツイートについて

→んな判決どこででたのよ。ソースがないなら、それ、あなたの想像ですよね

ただし、善意解釈をしてこれだけをみれば、自力救済の禁止に関する判例を言っているとみることもできなくはありません(後述するように判決とって強制執行すりゃいいだけなのに、なぜかこれを見て、車両を移動することは完全に禁止されてるんだ―と思ってる人がいますけどんなこたーない)。

その2「判決に不服な土地所有者が「勝手に止められた車を移動できないなら、裁判所はどう解決するのか見せて貰おうか!?」と車を裁判所の敷地に置きっぱなしに」というツイートについて

ソースどこよ。ソースがないなら、これ、あなたの想像ですよね

NNNの動画で放置車両の張り紙が見られますが、以下のような文言が書いてあるだけです(読めない部分は~~と表記)。

「最高裁長官 横浜地裁所長に次ぐ 公正な裁判してください」

「百五十万件の本人訴訟弱者が毎年不正判決に泣き寝入りしている
国家国民に勝ちを産まない邪裁判
無駄な浪費をしいられ取っ返しのつかない人生をぶち壊している
国家国民の為求・裁官自覚・自粛を」

「横浜~~
裏金汚職と買収屋
相続文書偽造屋
詐欺・虚偽告訴の嘘つき
面会録音の偽造屋である~~
国民の知らぬ間に 雁字搦め 好き勝手やりたい放題デタラメ法曹界」

どこにも駐車車両に関する訴えなど書いてありません

むしろ、相続文書偽造屋という文言があることを考えると、相続に関する紛争を本人訴訟で争っていたものの敗訴したため、それに不服なだけではないでしょうか。

というわけで、ひろゆきを論破しておきました。

なお、私のあずかり知らないソースがある場合には謝罪しますので、ぜひソースお願いしますね。

ない場合には、「はい、俺の勝ち。なんで負けたか明日までに考えといてください」

このほか、痛いニュースのこの部分を画像ではってる人もいます(※画像は同痛いニュースの記事より引用)。

画像1

「な・・・なんだってーーーーー!!」

とMMRばりに驚きたいところですが、MMRと同様にこれもソースなしです。

2.違法駐車車両をどうすれば良いのか法的解説編

これだけで終わると論破しただけになってしまいあんま役に立たない記事なので、実際には違法駐車車両がどうなっているのかについて解説していきます。

(1)自力救済は原則禁止されている

民法では、たとえ違法な状態をただすためであっても、いわゆる実力行使は原則として禁止されています。

本件でいえば、違法駐車車両を横浜地裁の所長がスト2のボーナスステージみたいにぶっ壊したらAUTOです。

※サイ太先生は誤解されやすい人なので念のため書いときますけど、これネタで書いてます(なお、これはファイナルファイトのハガー市長が実力行使をしている場面)。

もちろん、ありとあらゆるケースで実力行使が禁じられているわけではありません。

こちらをぶん殴ってきたやつを正当防衛で殴り返して制圧するのは違法ではありません。

最高裁も「私力の行使は、原則として法の禁止するところであるが、法律に定める手続きによったのでは、権利に対する違法な侵害に対抗して現状を維持することが不可能または著しく困難であると認められる緊急やむを得ない特別の事情が存する場合においてのみ、その必要の限度を超えない範囲内で例外的に許される」(最判昭和40年12月7日・民集19巻9号2101頁)としています。

ただ、放置車両の存在については「緊急やむを得ない特別の事情が存する場合」とは言えないので、原則通り、実力行使は禁止されています。

(2)じゃあどうすればいいのか?→判決とって強制執行しなさいよ

車をぶっ壊してどかすのが禁止されているのであればどうすればいいのか?

簡単です、所有者特定して訴訟を起こしてください。
土地の所有者は放置車両によって、土地を不法占拠されて土地の一部を使えない状態になっています。
この場合には、所有権に基づき、妨害排除請求というものができます。

つまりは、「所有権が妨害されてるので車どこせやコラ」というものです。

土地を不法占拠しているのでついでに損害賠償請求訴訟も提起するのも良いでしょう。

車の所有者が、正当な権限に基づいて車を置いていることが立証できないかぎり、認容判決が出るでしょう。

強制執行の流れはちょっとめんどいですけど、簡単に言うと明らかに価値がないボロボロの車両なら無価値と判断されて廃棄処分になります(つまりはただのゴミと同じ)。
価値がありそう(売れそうな)車であれば、価値があるなら競売や売却決定というものがされます。

(3)放置車両の所有者を特定するには

さて、今回はNNNの動画にあるように、取り囲んで任意の説得をしているのを見る限り、車両の所有者がわかっているようなので問題ありませんね。

ただ、放置車両の中には所有者がわからないものも当然あります。

ナンバーがついている場合には、運輸支局で登録事項等証明書を請求すれば所有者がわかるはずです(軽自動車だと弁護士会照会など)。

また、警察に連絡することも忘れてはなりません。放置車両は盗難車であることも多いので、その場合には本当の持ち主さんが持って行ってくれるでしょう。

さて、それではご丁寧にナンバーまで外している場合はどうでしょうか。これはけっこう困りどころです、ナンバーがないとさすがに所有者を特定することは困難です。

この場合には、遺失物法でいう準遺失物という処理が考えられます(遺失物法2条1項は「準遺失物(誤って占有した他人の物、他人の置き去った物及び逸走した家畜をいう。次条において同じ。)」としている)。

つまりは落とし物と一緒だから警察に届け出ましょうという考えです。

※さすがにこれ実際にやったことはないので、ナンバーのない放置車両の処分に自信ニキがいたらぜひコメント欄でどうすべきか書いていってください(レベルをあげて物理で殴るはご遠慮ください)。

(4)日本の法律は被害者が損をするようにできてしまっている

このように、放置車両については解決方法はあります。

ただし、日本の法律は万能ではありません。
日本の法律では、訴訟をしても全ての損害が賠償されるわけではありません。
あくまでも立証に成功した損害についてのみ賠償されます。

被害者が怪我をしていれば慰謝料で多少の調整も可能ですが、放置車両だとそんなものはないですよね。アメリカのように懲罰的損害賠償の制度があれば別ですが、そんなものはないので、仮に被害者を特定できてもやられたほうが損するようになってます。

放置車両のケースでは、以上のように解決方法はありますが、被害者は多大な労力や費用をかけることになり、まさに泣き寝入りを強いられることになります。

このへんがおかしいというかたは是非、声をあげて政治家に訴えましょう。

3.横浜地裁はどう対応したか

ひろゆきから以下のような挑戦状を投げつけられた横浜地裁はどう処理したのでしょうか。

横浜地裁所長「庁舎管理権に基づきレッカー移動させた、QED証明終了」

4.最後に

以上のとおり、私も大変心配しておりましたが、2chを作って以来、ひろゆきも少しは明るくなったようです。

どうぞ皆様、ひろゆきを暖かく迎えてやってくださいまし。

本当は良い子なんです。

と書こうかと思ったのですが、ひろゆきさん、賠償金の不払いの問題はどうしたのでしょうか

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