見出し画像

税法大学院のすすめ~大学院免除を選んだ理由~

タイトルにもあるよう税法大学院へ進んだ理由をお話しします。

税理士の資格を取得するには様々な道があります。
税理士試験5科目合格による官報合格。
公認会計士などの別資格の取得による税理士登録。
国税OBとして一定年数勤めることにより税理士資格を取得する方法。
そして簿財+税法1科目+大学院免除により税理士資格を取得する方法。
私は簿記論、財務諸表論+消費税法+大学院免除により税理士資格を取得しました。

何故大学院免除を選んだか?

私が大学院免除を選んだ理由は2つあります。

①大学院修士課程を修了し、論文を提出し、審査が通れば税理士試験の税法2科目が免除される。

②税理士試験の長期化を避ける。

①について、税理士試験は1科目につき合格率10〜15%ほどの5科目に合格する必要があります。
しかし、税法免除の要件を満たす大学院修士課程にて相当数の単位を取得し、かつ、修士論文を作成、国税審議会より認定を受けることで税法科目2科目の免除を受けることができます。

こちらの方法について、官報合格vs 大学院免除の議論がよくSNSで盛り上がっています。
やはり王道は5科目突破の官報合格で、官報合格した方の努力は並々ならないものがあり、常に尊敬すべきものだと思っています。

一方で大学院免除は、個人的な意見ですが、試験勉強からの逃げとも捉えられる傾向があり、また実務において試験勉強をしていない科目の基礎が身についていない、実務ができないというように捉えられることもあります。

実際に私もこの業界で働き始めた当初は法人税や所得税について非常に難しく感じ、官報合格を目指した方がよかったかなと思ったこともありました。
ただ、官報合格であっても大学院免除であっても、実務を経験しながらいかに知識や経験を積んでいくことが大事だと思うようになりました。

結局のところ税理士資格の取得の方法など瑣末なことで、税理士となってからいかに勉強し、お客様に貢献できるかが大事かと今では考えています。

②については、単純に働きながら5科目合格は長期化する恐れがあったからです。

税理士試験は最短でも2年はかかると思っています。ただ、これは受験に専念し、初年度3科目、次の年に2科目とる必要があると思います(働きながらこの方法をとれた方はめちゃくちゃ尊敬します)。
5〜6年で5科目とれたら優秀ですが、10年超かかる場合もあります。
私が税理士試験取り掛かったのが28歳のときで、簿財の合格が30歳。ここから2年くらいで3科目とれたら良いなくらいには思っていましたが、そこは難関試験。そんな甘くないと考えていました。
税理士になった。でも気づけばアラフォーなんてことも。
私は正直プライベートも楽しみたいし、結婚もしたかったので、30代を試験勉強に全て費やす可能性があると思ったらぞっとしました。

そのためできるだけ長期化を避けるために、大学院免除という確実な方法を取りました。

誤解を避けるために言いたいのは、大学院免除が決して楽な道というわけではありません。

仕事をしながら平日や土日に講義を受け、試験を受け単位を取得し、2年間で論文を書き上げる。

実際きつかったです。

大学院の友達や職場の同僚で大学院に通っている人もいましたが、留年や休学している人も多数いました。
仕事が激務の中、大学院に通い論文を書くことに耐えられなかったり、論文を書くことがどうしても苦手で書けない人もいます。中には指導教員との相性が悪く大学院を辞める人もいました。

私も仕事が激務の中、指導教員の力添えもあり、なんとか書き上げることができ、資格を手にすることができました。
これは私にとって大きな自信になり、また試験勉強では得ることが難しい税法の読み方、考え方が身につきました。

安易に大学院に行くことをお勧めすることはできませんが(お金もかかりますし)、税理士試験に行き詰まってる方はぜひ大学院免除の道を考えてみてはいかがでしょうか。

いいなと思ったら応援しよう!