初めての皮膚生検

　症状をググっていた頃に（ググるな）、これ診断がつかなかったら皮膚生検をやることになるのかもしれないなあ…と思って下調べはしていました。書類に穴をあける穴あけパンチみたいなやつで丸くエグるとか。そのあと縫うとか。局所麻酔はするとか。
　そういえば今は亡きおばあちゃんが、腕の皮膚にできた腫瘤を切り取って生検されてたなあ。懐かしいなあ。世話したのはお母さんだからよく知らんけど。

　7月1日。大学病院での血液検査でめでたくアレルギーを否定され、皮膚筋炎も否定され（されたのか？）、じゃあ何なのよってんでその日のうちに皮膚生検をやることになりました。予告はされていた。
　待合室で母に「皮膚を取られます」と告げると、「皮膚を取って見るのってもうやったんじゃないの？」と言われる。そうね。誤解を招く発言だったわね。
　死んだ細胞である剥けた皮やカサブタをむしって顕微鏡で見るのは既に前の病院でもやっているんです。それによってカビや寄生虫の類ではないと判明しています。大丈夫うつらないやつ。
　皮膚生検は、生きた皮膚細胞を真皮まで含めて採取して顕微鏡的に固定し、染色などもして、浸潤している血球やリンパ球などの状態を見るのです。

　処置室に呼ばれ、症例検討のため全身の皮膚の写真撮影をされました。前回は男性のお医者さんだったけど今回は女性だった。やはり写真撮影となると気を使うのでしょうか。知らんけど。下着は取らないけど。ブラの中にも湿疹あるんですよほーらほーらってしても、「他と同じような感じですよね？」で却下される。はい。別に撮ってほしいわけではない。

　撮影後、皮膚を採取する部位を検討します。なるべくできたばかりの湿疹がいいらしい？もう何度も掻きこわしてカサブタもげてクレーターみたいになってるのばっかりなんですけど。採取後のケアがしやすいのも重要ですよね。患者が自分で毎日洗うので。寝ながら無意識にむしっちゃうような場所もやばいですね。
　というわけで左脚の膝下あたりにあるデカめのクレーターをほじくることになりました。ペンで印をつけられる。

このへんから取る

　服を着てズボンだけまくって、ベッドに仰向けに横になります。しまったこれでは処置の様子が見えない！（採血の時ジッと見ていたい派）残念に思いながらお医者さんと補助をする看護師さんの様子をチラ見するのみ……。
　アルコール消毒をして、手術の時にかけるような穴の開いた布をかぶせられます。雑菌が入らないようにね。そして局所麻酔の注射です。これが痛いんじゃ……。針を刺される痛さに加えて、薬がちゅーっと入っていく痛みが……。「はい、今1番痛いとこ終わりましたからねー」と言われる。理不尽な気がしなくもないけど、麻酔もしないで皮膚をエグられたら痛みはこの比ではないでしょう。多分。知らんけど。
　しばらく待って、ちゃんと麻酔が効いたかどうか確認のためツンツクされます。いや見えないし感じないからどう確認してるかはわからん。実はグサグサ刺されているのかもしれない。そしたら「押される感じは残りますよー」と言われながら皮膚をもぎ取られます。「穴あけパンチみたいなやつ」の姿は見られませんてした。取った皮膚を瓶に入れるところは見た。ほんのちょびっとピンク色の肉片が。

　採取した跡の穴は縫います。縫う時ちょっと痛かった。引っぱられる感じがするし。そしてガーゼで蓋をして終了。当日はお風呂に入れません。濡らさないようにすればシャワーで洗髪とかOKらしいけどめんどくさいのでいいです。元々あまり風呂に入らない人なのです。毎日風呂に入れ派の攻撃に怯えながら生きてきました。攻撃されたことはないけど。閑話休題。
　当日はさらに飲酒も禁止。普段あんまり飲まないけどダメと言われると飲みたくなりませんか。運動も禁止です。するわけないだろ。陰キャなんです。おさんぽぐらいはするよ。

指示書が出るよ

　翌日以降もお湯には浸かれずシャワーにしとけという指示です。抜糸までの2週間、毎日泡でやんわり洗って、ワセリンと絆創膏で蓋をします。素手で塗らず綿棒などで塗りましょう。ワセリンは傷口を保護するもの。消毒薬とか抗菌剤とかは塗りません。それが現代の創傷処置だ。おばあちゃんの時もそうだったなあ。指示書しか見てないけど。

兼さんのふところに綿棒と軟膏をしまう。日々のうるおいが必要なんです。

　麻酔が切れたら痛くなるかと思ったけどそうでもなく。傷に力がかかるような姿勢をするとちょっと痛いな、ぐらいです。左側を下にして寝るの気を使う。

　ちなみに皮膚筋炎疑いなら筋生検というのもあり、筋肉や筋膜には局所麻酔が効かなくて痛いらしい。ならべくやらずにすませますよねそれは。

　4日ほど経過した跡はこんな感じ。Mastodonに上げたやつより血の塊が取れてて若干きれいというかよく見えます。