これにてコールドゲーム
おはこんにちばんは。
あまりにもインターネッツな挨拶をさせてもらいました、ウエムラです。
今回も今回とて今年リリースした曲にまつわる話をします。
年内に「今年リリースした3曲のライナーノーツ的なの書くぞ!」という己に課したタスクに己で苦しんでおりましたが、無事完遂出来そうで何より。ギリギリになりましたが。
リリースした順に書いていまして、
既に2曲分は書いておりますのでよろしければ以下よりご覧ください。
①ペンドロールにまつわる話
②Reborn!にまつわる話
本年度最後にリリースした曲は
"コールドゲーム"という楽曲でございます。
この曲についてのシバガキ的な話はXで本人がしておりますので、見てみてくださいな。
シバガキが言うておる通り、メチャクチャ久しぶりに作曲の方も食い込ませてもらいましてシバガキ先生との共作という形になっております。
弾き語りの方の曲はちょいちょい作っておりましたが、ミスタニスタでやることを想定して作ったのは本当に久しぶり。
コッテリとシバガキのアレンジも入っているけど、今回はちょびっと曲の話もする。
曲の話してから、歌詞の話、みたいな感じでいきます?オーケー?
まぁそっちがオーケーじゃなくても勝手にやらせていただくんやけどね!
まずは曲の話から。
弾き語りをするようになったことがきっかけで
また曲を書くようになったのですが、
そんな中で久しぶりに猛烈なコードリフへの欲求が湧いて来ましてね。
それを出来ればミスタニスタの3人でブチカマしたいと思い、隙あらばひたすらギターを弾いて考えておりました。
これまで「思いついたものを形にする」という作り方をしていたので、「やりたいことから形にする」は初めて。
そんなわけであーでもないこーでもないを繰り返していたのですが、ある日ふとイントロのフレーズの原案が降ってきて、そこからこの曲は転がりだしました。
コードリフを弾きたいという欲求で書き始めたので、曲のテーマについては特に明確なものはなかったんやけど、
「形にするならテーマが要るな」と思い、どんな曲にしようかということもそこから考え始める。
これもまた難儀ではあったけど、辿り着いたのは
・どうせならシバガキが書かなさそうな感じ
・溌剌さがありつつも優しい曲
というところでした。
ただ作曲については知見不足故に、具体的にどうすればそうなるのかは分からず。
言うなれば、バーンときてギューンとなってバシッとなる感じ。
あまりにも感覚の話なので言語化がクソ下手で恐縮なのですが。
けどマジでそういうイメージを抱えながら試行錯誤して1コーラスが完成。
慣れぬGaragebandでドラムを打ち込み、ヒトカラでへべれけになりながら歌メロを吹き込み、ちょっと緊張しながらミスタニスタのメンバー2人に送付。
これが原案。
ヒトカラで歌を録ったのでデモをよく聴くと裏で
「\ピコン!タッタラ〜♫/DAMチャンネル!」
と貴島明日香さんが言うてるのがうっすら入っています。
その後シバガキとこの曲について
「もうちょいやりようがあるよね」的なやり取りを経て、音源化に向けて手直しをしてもらい完成。
手直し後のデモを聴いた際、
「う〜んココはもうちょっと別のアプローチありそう」と自分でも思っていたところは変えつつ、
ウエムラがしたいことは残してくれており、加えて曲のしてのメリハリが出ていたことにメチャクチャテンションが上がったのを覚えている。
ほんまにすごい、頭上がらんでこりゃ。
で、こっから歌詞の話なんですが
それに差し当たって歌詞を載せます。
コールドゲームの歌詞はこんな感じ。
テーマについては先述した通りなのですが、
溌剌感と優しさが滲む感じにしたかった。
当時サンボマスターもかなり聴いていたのですが、同時期に銀杏やエレカシやフラカンとかもめちゃくちゃ聴いており、"熱量ある愛"とか"暑苦しい感情"みたいな要素を入れたくまして。
デフォルトでも割とそんな感じになりがちなのですが、今回はまさに「やるぞ!」と気概を込めて書いております。
故に"土属性"な感じもマシマシになっているのかも。
あと歌詞のイメージを決める際に、Mrs. GREENAPPLEを聴いていたこともあり
「青春感ある要素も欲しいな」みたいなことも思ってて、何となく15〜16歳のころの自分を思い出しながら書いていたりもする。
そんな経緯もあり、"真っ直ぐさ"、"青春っぽい切なさ"みたいなのもこの曲の要素ですね。
これまで今まで色々と歌詞を書いたけど、真っ直ぐに感性を歌ったものは存外少ないんですよね。
なんとなく気恥ずかしさがあったり、上手く定義しきれなかったりで。
しかしながら、"大事なものの大切に仕方"を考えてみる内に「お、今ならなんかそういうのもいけるかも」という気持ちなりまして、これまたこれまで書いたことがないことに挑戦することに。
手探りではあるけど、己の感性に忠実に、けどキャッチー且つ丁寧にをモットーに言葉を選んでおります。
("大切に仕方"云々についてはペンドロールにまつわる話の時にした内容にも関わるところがあるので、気が向いたら読んでみてください。)
そんな感じでザックリと方向性を決めてからは、とある報われなかった少年を主人公にしながら自分の感性やら感覚やらを詰め込み倒しております。
野球のモチーフにしているのは
少年→青春→野球
というだいぶ安直な連想ゲームから得た着想なのですが、結果として個人的にしっくりくる形でまとめられました。
内容としては
"補欠の野球少年の様々な挫折"みたいな内容になっており、
叶わなかったアレコレを野球に準えながら描いております。
主人公的なのを据えて歌詞を書くってのは初めてだったんですが、勝手に己でこさえたシナリオに己で情みたいなんが湧いちゃって大変でした。
けど考えてて楽しかったのでヨシ。
溌剌さと優しさをテーマに書いている本作ですが、完成した歌詞を読み返してみると
「主人公の少年、ちょっと情けないな!」となる。
情けない要素は書いている時にはあんまり意識してなかったので、恥ずかしさもある。
けど、人モノ場所に限らず何かしらに対する思い入れについてのウエムラ的感覚はちゃんと書けたような気がしております。
ザクッと内容にも触れる。
野球の盤面が進むが如く何事も流転していくわけですが、勝つにしても負けるにしても何かしらの結末ってものはその試合に参加しているからこそ得られるモノです。
今年のM-1の個人的パンチラインである「やらない後悔よりやって大成功!」は本当にその通りなんですが、やるにはその土俵に立てている必要があるんですよね。
その点でコールドゲームの主人公は土俵にすら立てていません。
もちろん、この主人公にはその土俵に立つために出来ることだったりやるべきことだったりってのがあったのかもしれませんが、結果としてはその試合に参加すらできておらず、それ故にただただ思いを携えることしかできないわけです。
じゃあそれでも尚残るどデカい愛みたいな感覚って何なんだろうと考えてみたところ、酷く独りよがりな半ば祈りにも似た感覚かもしれないなと。
彼についても、度胸がないから飛び込めない、飛び込めないから吠える。
これはもう笑っちゃうくらいに情けない遠吠えなわけです。
それでも捨てきれないものがあるので、自分が関与せずともせめて満ち足りたものであることを祈っているんじゃないでしょうか。
思いついたリフと歌ってみたいことが起点となって出来た本作ですが、シバガキが"土属性"と言うてたように"ミスタニスタ!"って雰囲気ではないと思う。
けど、誰もが抱えたことがあるであろう気持ちに寄り添える仕上がりではあると思うので、グッドミュージックなんじゃないかと自負しております。
お暇なときにチャリに乗るなり走るなり歩くなりしながらこの曲を聴いて色んな感情を発散していただけると嬉しいかも。
もし知り合いに中高生男子が居たらオススメしてください。
P.S.
小学生のころ2年弱ほど少年野球をしておりました。
野球では状況を見つつランナーの進塁是非を選手に教える"ランナーコーチ"という役割があるのですが、うちのチームでは略して"ランコー"と読んでいました。
いや、何がどうって話ではないんやけど、今思うとドエラい略し方してんなぁと。