病人、ラーメンを食う
ラーメンが食べたい。
この前、父が旨そうに食っていた『これ絶対うまいやつ!』が食べたい。
よし、作ろう。
まず、時短のためにポットのお湯を入れた取っ手付きの小さい鍋を、ヒーヒー😭言いながら両手でやっとこさIHの上に置く。
なぜヒーヒー言うのか。
それは私が関節リウマチだからである。自己免疫の異常により免疫細胞が自分の関節を攻撃しているので関節が腫れる。よって、少しの刺激で手首と指がズキズキと痛くなるのだ。
とんでもない痛みで眠れず、声も出ないくらいの痛みでほぼ寝たきりの生活を送る羽目になった。
お湯の入った鍋を運ぶ。こんななんでもないことが痛い。非常に困る。
次に、ラーメンを入れるどんぶりを出した。食器棚から出す時うっかり片手で持ってしまい。手に激痛が走った。こんななんでもないことが痛い。非常に困る。
液体スープの袋も麺の袋も、手に力を入れると痛いので口で開ける。
液体スープの袋に中身をよくしぼり出せと書いてあったが、手が痛くて断念。手元が狂い少しこぼす。
袋の中を見ると、まだ油脂分が残っている。もったいない。液体スープの袋に麺をつっこみ油脂分を回収する。我ながら天才だ。
タイマーが鳴る。味見をするために麺を箸で掴む。手が痛い。我慢して口に運ぶ。上手く茹でられた。またヒーヒー言いながら鍋を傾けてどんぶりにラーメンを入れる。
ここにきて、少し動き回ったせいで膝が痛み出す。泣く😭
完成。
卵でも乗せれば良いんだろうが、トッピングを乗せる余力は残されていなかった。
手が痛くてどんぶりが持てないし、麺を箸でつかむと麺の重さに手が負けるので台の上にのせる。口元に近くなるので犬みたいにしてラーメンを食べる。美味しい。
私の食事はいつもこうです。
犬の食事はこうです。
お~~~可愛いでちゅね~~~いつ見ても。これはお誕生日ケーキを食べてるところでちゅね~~~お~~~よしよしよしよし。ムチュ!!ムチュムチュチュチュ💋
はあ可愛い。可愛いと言いすぎて、別のものを見て可愛いと言っても「自分のことかな?」という顔でこちらを見てきます。この現象、犬あるあるみたいですね。犬は可愛いですからね。間違いではありません。前足だけでも可愛いし鼻湿ってて可愛いし、呼んだら来てくれるのも可愛いし、体当たりされても犬パンチされても可愛いです。
母は飼い主バカなので、いつも「キムタクに似てる~💕」と犬を褒めています。
あと、私の犬は毛がちゅるんちゅるんです。なで心地最高です。ほおずりすると顔面毛まみれになりますが、それがまた良いんですよね☺️
匂いを嗅ぐのも最高です!!!
たまに、おでこのにおいを嗅いだときに母の化粧品の匂いがしてウッとなります。化粧品の匂いがくさいわけではありません。麦茶を飲もうとしたのに、めんつゆを飲んでしまったら、ウッとなりますでしょう?それと同じです。
あと犬特有の生臭い息。これを嗅ぐと最高に幸せな気分になります。体のにおいも嗅ぐと口角が上がります。犬吸いサイコー😃⤴️⤴️
犬の『ふがふがとしたにおい』
それは非常に強大な力を持っています✨✨
そのにおいを嗅ぐと、この世のありとあらゆる悩みから解き放たれ、宇宙💫への扉が開かれるのです!!!!
目の前には、きらめく星々が広がり、大きな暗闇は私を優しく包み込んでくれます🌠
ただそこには己と犬のみが存在し
“生きていることの素晴らしさ”
を感じることができます😌🙏
生まれてきたのに意味なんてない。
生きているのに意味なんていらない。
自分に価値なんかなくても良い。
今を懸命に生きる!!
これこそが、人生においてとても大切なことなのです✨✨✨
ふと気づくと、リウマチの痛みや苦しみ、社会人としての義務や役割、口座の残高、財布の中身、諭吉の人数、ただの紙切れと化した宝くじ、私の頭の中を占めていた様々なおそろしいものは、すっかり影も形も無くなっていました。
半年前のことです。ラーメン作るのにもヒーヒー言っていたのが懐かしいです。
未だに重いものをもつと痛むのですが、この頃よりはなんとかマシになっています。