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「お菓子の健康」の相談窓口
「用途ごとに色んな種類があるけど、結局どれを選んだら良いんだろう…」そう感じた経験のあるシェフも多いのではないだろうか。
製菓を仕事にする人なら誰でも一度は直面するであろう、鮮度保持剤の悩み。
鮮度保持剤には、独特の難しさがつきまとう。それは何かと言えば、「自分がつくったお菓子に合うものを、何を基準にどうやって判断するか」という点に尽きるだろう。
鮮度保持剤は、用途やお菓子の大きさにあわせて様々な種類から自由に選ぶことができる。しかし一方、仮に「クッキー」ひとつ取ってみても世の中には数多のレシピや形が存在するため、選定基準が見えづらいという難点もある。
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鮮度保持剤は、人間にとっての薬と似ている。
薬には身体の不調を緩和したり、正常な働きを促すなど、健康的な生活を助ける働きがある。しかし適切な用法容量を理解しそのルールに則らなければ、期待される効果は発揮されない。
また、薬の効き方は人それぞれ異なるため、その人の置かれた状況や体の大きさ、その日の体調などを正しく把握することが服用する上での重要なポイントになる。
「いくら鮮度保持剤を使っても、適切な条件下でなければその能力は生かされません。だからこそ私たちは、お菓子以外の要因から幅広く考察し、衛生管理全般に関する包括的なアドバイスを行うようにしています」
そう話すのは、鮮度保持剤メーカー・鳥繁産業の品質管理課を統括する工藤豊さん。
鮮度保持剤を入れているのにお菓子がパサつく、色が変わった、カビが生えたーーなど、品質管理課には日々様々な相談が寄せられる。
[現役シェフ50名に質問] 鮮度保持剤や衛生管理に関する悩みはありますか?
・アルコール揮散剤を使用したところ、お菓子にアルコール臭がついてしまいました。
・乾燥剤を脱酸素剤対応の袋に入れても問題ないのでしょうか?
・菌検査で得た賞味期限内にも関わらずカビが発生しました。
・アルコール揮散剤と脱酸素剤、どちらも使いましたが翌日にはまるで別物のようになってしまいました。これはもう添加物がないと持たないのかもしれない。じゃあ日持ちさせなくてもいいか…と投げやりな気持ちになっています。
このような悩みを解消すべく、品質管理課では「お菓子の健康診断」と銘打ちお菓子と外装にまつわる様々な検査を実施。取り組みは2000年ごろからスタートし、これまでの対応件数は実に5000以上にものぼる。
「お菓子の健康診断」ではトラブルの解消に向けた注意点や適切な鮮度保持剤について記した診断レポートを作成し、シェフたちの課題解決に取り組んでいるという。
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「レポートは当然読んで納得してもらえなければ意味がないですし、特に衛生管理というのはシェフたちにとって副次的なものなので、そこは専門である私たちが表現に工夫を凝らしていかないといけないと思っています。
残念ながら、何にでも効く特効薬はありません。だからこそ適切に理解することが重要なんです。そこをどうやって伝えていくか、どうやって意識を向けてもらうかというのが私たちの永遠の課題ですね」
鳥繁産業
〒879-2461 大分県津久見市上青江4180番地
https://www.torishige.co.jp/
https://www.torishige.co.jp/consultation/(お菓子屋さんの相談室)