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京都大学農学部森林科学科特色入試 の 最終選抜に落ちた話

【2024/01/18 追記】
久しぶりにこの文章を見返してみたのですが、あまりにも稚拙な文章で読んでいて(自分が)気持ち悪かったので、文章を推敲し直し追記修正を行いました。

どうも、皆さん。おーだーと申します。note更新は久しぶりですね。
私事でございますが、大学進学が決まり、これからの新たな生活の始まりに心躍らせている次第でございます。

今回の本題は、タイトルの通りでございます。つまらないことではあるのですが、私と同じ境遇の人は今年は自分含め二名しかいないという貴重な体験をさせてもらいましたので、活動縮小をさせていただいていたこの数か月間に一体何があったのかを皆さんにお伝えできればと思います。

ここに書いている情報は 2020年度入試 の情報です。
年度によって情報が異なる場合がありますので、受験を考えていらしゃる方は必ず京都大学の公式情報を見て行動してください。


1.経緯

夏が過ぎ、心地よい風が吹くようになってきた秋ごろの話です。
学校からの帰り道のある日 ある友人が私にこんなことを言ってきました。

「お前も京大特色受けないか?」


私は驚きました。誘われたことではなく、目の前にいる"彼"が受けるというのにまず驚きました。
彼は行動力が飛びぬけて凄まじく、軽口を叩くタイプ。
自分が挑戦すると決めたことを軽々と他人に勧めてくるのは予想できたので、誘われたこと自体に驚きはありませんでした。

ただ、(一般的に言われるような)いわゆる『学力』が京都大学の求める水準にはない目の前の彼が受けるというのですから、それには大変驚かされましたのです。

京都大学特色——そう聞いてまず最初に思い浮かぶのは理学部の数学入試でしょう。

数学入試は物凄く難しい数学の問題を解き、面接でその問題をどうやって解いたかの解説を行う方式です。数学入試は受験者数が多く、Twitter (現:X) の数学クラスタでもよく話題に上がってくるので 京大特色と聞くと、まずこの入試方式が思い浮かびます。

私は数学入試のようなイメージを京大特色に抱いていたので、数学力(というか計算力)のない私にとってはまさに雲の上のような存在でした。
しかしながら、調べてみると同大学他学部の入試方式は全く異なるではありませんか。

「この方式ならいける。自分の学びたい学問分野もそこで学べる」

そうして私は 京都大学農学部森林科学科 の特色入試に標的を合わせ、準備を始めました。

2.選択

私は高校の時に研究した森林土壌に関する学問を深めていくような進路を取るか、小学生の頃から勉強して自分の強みになっていた化学系に関する学問を深めていくような進路を取るか決めあぐねていました。

出来ることならどちらもやりたいのでありますが、残念ながら私の肉体は1つしかなく、寿命も限られていますから、どちらもするということはほぼ不可能に近いです。

・【おーだー:土壌化学への誘い】海月くららのゆるゆる配信

懐かしいですね。この配信の最後に私が申し上げている通り、この時期は化学系の学問分野に進み、森林土壌のことは一旦忘れようと考えていました。

ただ、この配信を境として、森林土壌に対してまだやり切れていない感を感じ始めているのも事実でした。そんな時期に京都大学特色の誘いを友人から受けたのです。

私は考えました。そして結論として、

「京大に受かったら森林をやって、落ちたら化学系に進もう」

そんな結論に至ったのです。

3.日程

京大特色(農学部森林科学科)では三段階の選抜が行われます。

第一選抜(書類審査)
第二選抜(面接・筆記)
最終選抜(共通テストの点数 / ボーダーは概ね720点)

まずは第一選抜に向けて書類を整えるところから始まりました。

4.準備

京大特色では殆どの学部学科に出願する際に、学びの設計書学びの報告書の提出が必要です。

森林科学科では学びの設計書を提出する必要がありました。
学びの報告書は3ページ。

・高校時代にどのようなことをして来たか
・志望理由
・大学生活でどのようなことを学び/その学びをどのようなことに生かしていきたいか

この項目には非常に時間を掛けましたが、幸いにも部活の活動がありましたので、書く内容には困りませんでした。

5.一次選抜突破

前項で「書く内容には困りませんでした」とか言っておきながら、自分はあまり自分自身の実績や成績を信用していませんでした。

部活動で森林土壌の研究をしていたとはいえ、実績はこうち総合文化祭への出場と滋賀サイエンスコネクションの海外派遣要員になったこと程度。
X (旧Twitter) 上にうじゃうじゃいる JSEC や ISEF などでバリバリやっている方々に比べると見劣りするような実績です。

学校でも不真面目だったので、「評定、4はあるけど4.5は絶対ない」といった具合でした。

そんな感じだったので落とされるならここで落とされるだろうと考えていたのですが、結果は合格。二次選抜を受ける権利を得られました。

あとからよく考えれば、JSEC や ISEF でバリバリやっているようなひとと会うことが出来る Twitter が異常空間なのです。特色入試を受験しようと考えているみなさんは自信を持ちましょう。

6.二次選抜

二次選抜は実際に京都大学へ出陣です。

朝、農学部棟の近くで待っていると、パッカパッカと何か変な音が。
なんと、遠くから馬を連れた人が歩いてくるではないですか。
自分は朝が非常に弱く、めちゃめちゃ寝ぼけてたので一瞬幻覚を見せられているのかと思いました(現実でした)

京都大学 農学部森林科学科は 筆記+面接の方式を採用していました。

筆記は英文で書かれた森林に関する文章を読み、設問に答える方式でした。
英文の難易度はそこまで高くなく、国公立二次を意識して学習されている方であればあまり詰まるところはないでしょう。

設問は森林や木質資源などに対する幅広い予備知識が必要となる問題が出題されました。

ただ、森林について専門的に学んだ現在であれば、「聞かれていることはごくごく当たり前のことだな」という感じることが出来る程度の問題です。普段から森林のニュースへの関心・あるいは木質材料の利用の知識を付けておきましょう。最近だとウッドショック関連もあるでしょうか。


面接においても森林に対する理解度を問われました。
また、書類選考時に提出した内容に関する質問もされました。自分が書いたことは覚えておき、確実に答えられるようにしておきましょう。

ちなみに、筆記用具を忘れた人のために、京大生協の人たちが筆記用具の貸し出しを行っていました。筆記用具は最悪忘れても何とかなります(?)

7.二次選抜突破

一次選抜と違って、今回は確かな手ごたえを感じてました。

筆記試験は確かな手ごたえ―—まるで進研模試を解いているかのような―—があり、予習の甲斐がありました。
面接の方も実際のデータを踏まえつつ、自分の意見をしっかりと発言することが出来たように感じました。

ちなみに、面接はかなり長めなので 非常に長い待ち時間があります。長すぎたので少し寝ましたが 何の問題もありませんでした。(バレなかっただけかも)

結果は合格。倍率2倍を潜り抜けて二次選抜を合格することが出来ました。

8.共テ対策

共通テスト対策は自分の一番の穴であった国語を埋め、8割を狙うという作戦で行きました。既に8割に到達している教科を9割に上げるより 7割の教科を8割にする方が簡単ですから、これは定石でしょう。

共通テスト対策パックなどを使い勉強し、直前にはパックで180/200 を取ることが出来るほど万全にして共通テストに臨みました。

9.国語大爆死

直前まで古文/漢文の調子が良かったので、本番でも古漢から解き始めたのですが...。漢文は意味取り違えるわ、古文はなんかよくわからんわで時間を使い、元々点数をコンスタントに取れていた現代文を解く時間が無くなりました。つまり、解く順番を完全に間違えました。

結果国語は惨敗。127/200 という点数を取ってしまい、かなり不味い状態に。国語で 33点のビハインドを背負ってしまった形になってしまいます。

結局、直前に国語の調子が上がっていたのはパックタイプの問題の傾向に慣れが生じたゆえのまやかしだったのです。共通テスト初年度ゆえ、予備校が準備したパックと本番との傾向には大きな差が生まれることは容易に予想できるはずですが、これは後から振り返ったから分かることであって、当事者の視野というのは本人が思っているより狭いものなのです。

その焦りが尾を引き、稼ぎ頭の地理(90点台目標)でも8割基準で数点しかアドバンテージを得られず… 英・理で巻き返したものの、国語のビハインドが大きすぎたため、京大特色傾斜に直した点数で全体 700/900 となり、丁度20点、最終選抜のラインに届きませんでした。

(因みに筆者は数弱でもあります。より正確には 計算能力が著しく弱いです。なので算弱です。頭の中に数字を置いておくことが非常に下手なので、塾講師の端くれをしてる今でも生徒さんの方が計算が早いことが多々あります。これは共通テストのような処理能力を測る試験と滅法相性がわるく、数学が稼ぎ頭にならないことは自分でも理解していたため、数で耐えて理英地で荒稼ぎして8割越えるというプランを組んでいたのですが。結果はご覧の通り。)

10.最終選抜不合格

予想はしていましたが、最終選抜は不合格でした。
なぜ予想がついていたかと言うと、昨年度もセンター試験の点数が10点足りずに同方式で落ちている人がいらっしゃったからです。

京都大学「慈悲はない」

今回のボーダーは、「概ね720点」という含みを持たせたものだったのですが、これは共通テストがセンターに比べて難化する可能性を考慮したものでありました。平均点が前年度のセンターに比べて上昇した今年はボーダーが720点から上がることはあっても下がることはないと考えたのです。

結果は不合格でした。

11.進路について

自分は浪人を考えていませんでした。私の性格からして宅浪は不可能で、次の年度も予備校に通わせる経済的余裕は私の家庭にはありませんでした。
また、自分自身が早く高等教育を学びたいという気持ちもありました。

それとは別に、京大特色の対策をしていくうちに自分が全く森林分野の興味について諦められてないことにも気づいてきました。
学校や予備校の先生にはあまり伝えていない大学でしたが、前期試験を受ける大学を森林科学科のある大学に路線変更。

(もちろん、あんな共通テストの点数で二次力があまりない自分が京大に突っ込むのは無謀に近く、大学のネームバリューもあまり気にしてなかったので別の大学です。京都の森林科学科がある大学…どこやろなぁ…)

今に至ります。

(2024 追記)
結果としてこの選択は良かったかなと思っています。
化学系に進むのも面白かったでしょうが、小学生時代からの化学の知識の貯金を支払い続ける一方でやりたかったことはやれずに、気力のない没個性的な人間になっていたかもしれません。

12.感想

大学受験を完走した感想ですが、しんどかったですね。
特に今年はCOVID-19や大学入試改革(何が変わった?)などに振り回され想像以上にしんどかった一年でした。

「進学先は駿台か河合塾か」と冗談を言っていた同じ部活の友人(冒頭の友人とは別)も「もうこれはやりたくない」と言っていました。(ちなみに彼は旧帝推薦に通ってます。すごいですね。)

最後になりましたが、私を高校生活の間支えてくださった担任の先生・顧問の先生・予備校の先生京大入試の対策を一緒に考えてくださった先生方
そして、海月くららさんをはじめとした、大学入試期間に応援してくださった水槽メンバーの皆さんにこの場を借りて感謝の気持ちを伝えたいと思います。ありがとうございました!

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