顧客分析はデータサイエンティストにならなくてもできる!
技術革新によって、人々の行動の多くをデータとして管理・活用できるようになった現在。消費者・顧客のデータを分析することは、ビジネス成功の必須条件といえます。
「顧客分析なんて自分には無理」というビジネスパーソンも多いと思いますが、分析という言葉に身構える必要はありません。データサイエンティストのような専門家にならなくても、データ分析はできるのです。
顧客分析とは
顧客分析とは、顧客の属性や購買行動などを分析することで、顧客がどのようなポイントで消費・購買意欲を持つのかを探る取り組みです。その目的は、サービス改善、新規顧客の開拓、マーケティング戦略の立案など様々です。
また、顧客分析は一度行えば終わりというわけではなく、定期的に実施する必要があります。顧客のニーズは、流行や市場環境の変化といった要因によって移り変わっていくからです。
顧客分析の例「RFM分析」
顧客分析を行う際は、目的にマッチした手法・フレームワークを活用することが近道となります。ただ、顧客分析には数多くの手法があり、それぞれ長所と短所があるので、適切な手法を選択することが大切です。残念ながら、ひとつの分析手法で顧客のすべてがわかる……なんてことはありません。
今回は例として、RFM分析を簡単にご紹介しましょう。RFMは「Recency(最終購入日)」「Frequency(購入頻度)」「Monetary(購入金額)」の頭文字で、それぞれの項目で顧客をグループ化することで、リソースの優先順位を明らかにする分析手法です。
・Recency(最終購入日):最終購入日からの日数が浅いほど評価を上げる
・Frequency(購入頻度):購入回数が多いほど評価を上げる
・Monetary(購入金額):金額の合計値が多いほど評価を上げる
これらの指標に対して3~5段階ほどのスコアを用意し、顧客を割り振っていきます。さらにそのスコアをもとにして、顧客を「優良」「見込み(優良候補)」「新規」「休眠」の4段階に分類することで、それぞれの顧客に合った働きかけができるようになるわけです。
ただし、RFM分析は「長期顧客」をうまく評価できないというデメリットもあるので注意が必要です。
顧客分析のポイントは「データを読み解いて活かすこと」
顧客分析の最大のポイントは「データを読み解いて、実際にビジネスで活かすこと」です。RFM分析で顧客を上手く振り分けることができたとしても、そのデータからアクションを起こさなければ意味がないわけです。
ただ、データを読み解くときに躓いてしまう人は少なくありません。数学の問題のように「答え」を追い求めてしまうからです。しかし、ビジネスや日常の場面では、決められた答えなんて用意されていませんよね。
例えば、あなたは「降水確率40%」という天気予報を見て、傘を持っていくでしょうか。降水確率40%というデータの読み解き方に正解・不正解はありません。傘を持っていくかどうかは、「荷物になるか」「服を濡らしたくない」などを踏まえて自分で決める必要があります。
この天気予報の例は、そのまま顧客分析にも当てはまります。顧客分析でも数学のテストのように100点満点の答えが用意されているわけではないので、データや状況からより確度の高い仮説を考えて行動に移すことが大切なのです。
実はこうした一連のデータ活用の考え方こそ、弊社でご提供している「ビジネス数学研修」の一部。「ビジネス数学」に少し興味を持っていただけたのではないでしょうか。
顧客分析というと「データサイエンティストが専門のツールで分析するもの」と考えてしまう人がいますが、誰しもが専門家を目指す必要なんてありません。データ分析の手法とコツさえ掴めば、十分に明日の仕事で活きる顧客分析を実践できるのです。
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