ビジョ引退
9月第一週のある日の朝、起きてスマホを見ると先生からのメッセージが入っていました。馬のオーナーならわかると思いますが、朝早くの連絡は良くない知らせであることが多いです。
とてもイヤな汗をかきながら電話しました。脚が良くなったと思われたビジョが軽い調教に出たらまた脚が痛くなったと。最悪の知らせでなくてよかった…私はためらいもなく先生にお礼と、ここで引退の旨を伝えました。
実は、怪我をしたレースから2か月くらい、復帰できなければ、引退としようと決めていました。もともと、今年いっぱいで引退と決めていたこともあります。
でも、いざ先生に伝えた後も1時間くらい動けませんでした。ビジョに申し訳ない気持ちもありましたし、自分のこれまでの判断に対しての判断等々…つくづくダメな馬主でした。極めつけは、ラストレースになった(怪我した)7月15日、自宅で仕事をしていて金沢にも行っていませんでした…
ビジョの今後について、今のところは怪我を治し、乗り運動ができるようになったら適度な運動をしてまずは体調を整えることを優先していきたいと思っています。
引退と決めた翌週、さっそくビジョが帰ってきました。可愛い顔をして、少しほっそりして、穏やかな表情で。馬は賢いと言いますが、たぶん、自分が引退なのだということが分かったのでしょう。今まで、休養時にも戻ってきていましたが、その時とは全く違いました。
基本的に人間に向かって何かをするとか、そういう性格ではないので穏やかで従順な子です。ただ、異常なほどに寂しがり屋で、一頭にしてしまうと泣き叫んでパニックになってしまいます。本当はそういう性格の子です。とても繊細です。
ただ、スイッチが入ると、扱いにくかったはずです。担当厩務員さんや、調教を担当して下さった方、レースに騎乗していただいたジョッキーの方々には感謝の気持ちしかありません。たくさんご迷惑をおかけしたと思います。
ビジョが戻ってくる前にオルディーに話をしました。ビジョが戻ってくるよ、これからは、ビジョのことと、オルディーと、ってなるけれど、決して嫌いになったわけではないよ。気持ちは変わらないからね。と伝えましたが、分かってくれたかどうかは永遠の謎です。ただ、考えてみればオルディーとの意思疎通はかなりできるようになりました。ただの甘えん坊なのにどうして人間に対して攻撃的になってしまうんだろう?と考えつつ、常にヒヤヒヤしながらダメなことは絶対ダメ!と本気で向き合いながらコミュニケーションを取った結果、気づけばお利口な子になっていました。とはいっても、常に周りを良く見て、私が何をすると困るのか、つまり悪戯をどうしようかな?と考えている子なので、油断はできません。これはオルディーには内緒ですが、そのいたずらも最近はほぼ先読みできているので、概ね楽させてもらっています。
飼い主的には、忙しくなります。今のところ乗り運動はオルディーだけなのでなんとかなっていますが、これから2頭になったらどうしよう😂私の体力が持つのか…乗馬技術も向上させるため、もっとがんばらないといけないですね。
これからも馬たちに色々教えてもらいつつ、人馬で頑張っていきたいと思います。
最後に、現役時、ビジョを応援して下さった皆さま。本当にありがとうございました。これからもビジョを見守っていただけると大変励みになりますので、よろしくお願いいたします。