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山旅に失敗、街ぶらに街ぶらを重ねたルツェルン。

昨夜通った道を逆に辿り市街地へ辿り着く。
ルツェルンは昨夜も堪能したルツェルン湖と旧市街の街並みが美しいスイスの観光都市の一つ。

朝の湖畔の景色
卓球台
ルツェルン中央駅前

この地にやって来た理由はまた後ほど話すとして、まずは旧市街の方を観光する事にした。

ルツェルンの駅を過ぎて初めに飛び込んでくるのはカペル橋。14世紀に建設された木造の屋根付き橋。二股に分かれており、長くてなかなかの存在感である。

カペル橋入り口
中の様子
横から見た橋

橋を渡った先に広がる旧市街。これまた他のヨーロッパの都市と同様に過去にタイムスリップした様な気分が感じられる。
一通り街を散策した後、ルツェルン中央駅に引き返す。

駅で軽食を購入して電車に乗り込んだ。20分程の道のり。10分ほど行くと大きなカーブの所で目の前に巨大な山が現れる。
そう、今回ルツェルンを旅に組み込んだのは登山鉄道に乗るためである。ルツェルンの街からも見えていたのだが、近づくにつれてその大きさや青々しい草木がその荘厳さを持ってより力強く感じられた。
興奮して動画に収める。私は大学入学と同時にワンダーホーゲル部に所属し、登山を始めた。その当時は私がこれまで山好きになるとは思っていなかった、というかこの山に興奮する私に出会い、私が思っていたよりも山が好きだったという事実に気づいた。

駅の電光掲示板
プラットフォーム沿いの軽食屋
ミートパイ?

目指していた駅に着く。他にも数組の観光客が駅で降りる。
登山鉄道の駅は目の前だ。少し肌寒かった。

しかし、ここで事件発生。まさかのこの時期は既に登山鉄道は閉鎖しているらしい。これを目的にルツェルンに来たと言っても過言では無い。私のリサーチ不足ではあるものの、ネット上の情報ではこの時期、まだやっている可能性があるとのことだったので行けるだろうと踏んでいたのだ。窓口の方に登りに来たと伝えるともう積雪の為に登れないとの情報を伝えられた時は割とショックだった。それでも仕方ない。他に登れる所も無いとのことだった。

登山鉄道のある駅
プラットフォームからの景色
やってるかと思わせて来た看板
登山道の掲示板?
登山鉄道
紅葉がすごい
駅からかっこいいよね。

次の電車まで時間があったので駅の周辺散策に切り替える。登れはしないものの、やはり近くで見る山はより偉大で美しかった。
ただし散策と言っても何も無い。登山鉄道メインである為、麓には登山鉄道の旅客用に用意されたレストランの様な施設があったのだが、閉山中はもちろん休業中。駅の地下通路を通って湖畔に行ってみる。空気が澄んでいて気持ちがいい。湖に反射する山の姿を見ることが出来たので満足である。

周辺散策
湖に反射する山
反対側の景色
お水冷たい
赤いベンチが可愛い
放し飼いの犬かわいい

しばらく黄昏た後、電車の時間も近づいて来たのでプラットフォームに戻った。因みに、こちらの路線もユーレイルパス対象である為、別途チケットを購入しなくて良かったのは楽だったし登山鉄道への未練も最小限に抑えられる要因となった。

街に戻ってからは再び旧市街散策に入る。予定よりも早く戻って来てしまったのでかなりノープランの街ブラ。まあいつもなのだが。

取り敢えずムゼック城壁を目指してみた。こちらも14世紀に建てられた城塞で、そのすぐ横を歩くことが出来た。城というものはどこもそれなりに高いところに築かれるものなので少々坂を登る事になった。その途中にある展望台の様なところに双眼鏡の様なものが設置されてあった。こちらを覗いてみると、それは双眼鏡ではなく、かつての街並みが映し出される装置であった。こうした観光者への工夫というのが旅をしている中でインスピレーションを受ける源にもなる。とても面白いアイデアだと思った。その他にも道には遊び心溢れるアートが見受けられた。

街ぶら
アート
眺め良き
双眼鏡、じゃないやつ。

またそこで中国出身だという少女と出会った。一瞬の出会いだったが、少し言葉を交わす。私はGoProを旅のお供に持ち歩いていたのだが、彼女はかつてそれを使っていたもののiPhoneの画質の方がよくてこれしか持ち歩いていないという。GoProを持った人を前にしてそれを言うのかと驚きもするのだが、それだけ率直にものが言えると言うのも凄いことだなと感心した。

ムゼック城壁沿いの歩道を歩くとツィト塔をはじめとした塔を間近に見学できる。また、一部はマラソンのトラックの様な材質の歩道になっていたり、横に牧場があったり古今の融合がすごい。
SDGs関連の設置物もあった。

ツィト塔
時計
これまた景色良い
オブジェ
これも塔!
説明看板
みかん!
塔の説明
SDGs
???
トラック
ゴミ箱
こちらもSDGs

昨日スーパーで購入した軽食を少し食べる。こちらは山での行動食にしようと考えていたので、平地だともっと良いものを食べたかったなと思ってしまう。スティックキャロットは北欧などでおやつ代わりに食べられているイメージでどんなものかと買ってみたのだが、あまり美味しくなくて残念である。

美味しくなくて残念なやつ

城壁の終わりまで歩き、川に沿って再び市街地へと戻る。出口の装飾も可愛かった。

出口
振り返ってみた出口

その通り沿いにあった洋服屋が気になって入ってみた。全て古着からのリメイク品らしい。
結局購入するつもりはなかったのだが、ジャケットが可愛かったので試着だけしてみた。肩パッドが入っておりまたパツパツで断念。

洋服屋さん
可愛いジャケット

再びカペル橋を渡る。こちらのシステムも古今折衷。水路システムによる小さな滝が出来ていたのだが、改めて水が綺麗である事を確認できた。因みにこれは正確にはロイス川の堰というらしい。木の板を抜いたりはめたりして水位を調整している様だ。

カペル橋
カペル橋
なんか装置
入り口正面
めっちゃ水綺麗
説明看板
カペル橋の途中にある祭壇
屋根の中腹にも物語が
何かのシステム!

そして旧市街散策に戻る。どの建物も古風で装飾が美しく歩いていて飽きなかった。一度歩き疲れてカフェで休憩する事にした。甘いものが食べたくて入店。選んだ場所はカフェというよりもケーキ屋さんだったのだが、これがとても美味しかった。メルベイユというものらしいのだが、味が複数あり迷いつつもホワイトチョコのものをオーダー見た目も可愛いしこれまた大正解。メレンゲのふわふわした食感が普通のケーキとはまた違った美味しさを演出していた。

窓の配置が面白い
え、芋虫?
ハングルっぽいなにこれ。
装飾綺麗
きっと観光名所
こちらも装飾すごい
最後の晩餐だー。
メルベイユ
大きいのもある
ラッピングも可愛い

カフェの横では作っているところを間近に見学することが出来る。とても興味深い。

作ってる所見学

流石にお腹が空いて来たということで、お昼を食べる事にした。名物のチーズフォンデュを検討するも高くて断念。結局レストランでお得なランチメニューを注文した。お得と言っても良いところだったらしく、良いお値段だった。もちろん美味しいし店主の方の接客が素敵だった。

レストラン
ランチメニュー

その後は美味しいものが食べたい欲がより爆発。スイスに来ているのだからとチョコレートを購入する事にした。
ショーウィンドウに並んだ美しいチョコレートたち。店員さんに尋ねるとそれぞれのチョコレートについて説明してくれた。しばらく悩んだ後、2粒のチョコレートを購入した。店員さんがトングを使って丁寧にチョコレートを扱う姿が印象的だった。

おチョコレート様
購入!

安定に楽しい街歩き。

なんか、可愛い眼鏡屋
つた。

目指してやって来たのはライオン碑。自然の岩壁を削って作られた瀕死状態のライオンはフランス革命時代、王家を守る為に宮殿の警護に当たっていたスイスからの傭兵を偲ぶ目的の為に創られた。

木々が生い茂る水辺の奥にその姿を見ることが出来るのだが、木漏れ日による演出と少し肌寒い事も相まってより一層その瞳に寂しさが潜んでいる様に感じられた。いやはや、これは本当に写真よりも実物が良い。その美しさは画面に収まりきらないものなのだと諦めて鑑賞に浸った。

ライオン碑
ちょっと近づく

黄昏ながらベンチで先程購入したチョコレートを頬張る。美味しい。美味しすぎてこれまた幸せ過ぎる時間だった。贅沢過ぎるなとベルギーでケチってしまったが、やはり食には払うのもありだなと思った。チョコ一粒でこんなにも幸せになれるのなら安いものだと。

チョコレート!

ライオン碑には公衆トイレが併設されていたのだが、かなり面白いデザインだったのでつい撮ってしまった。旅する中で色んなトイレに出会って来たが、これまた新しいタイプ。

おもろいトイレ

ライオンに後ろ髪を引かれながらその場を後にする。先程の幸せを噛み締めつつもリンツに入ってみた。日本でも有名なリンドール始め、マカロンまであるとは。でもやっぱり高いなと思うのだが、この時は確かマカロンを買ってしまったんだと思う。

リンツのリンドール
ホールケーキ
マカロン!

近くのヘンテコな筒形の建物に入るものこれはきっと普通の映画館だろうと再び街へ出る。

奥の円柱の建物

次なる目的地は聖レオデガー教会。カペル橋からも見えるこの建物は二股の塔が目を引くローマカトリック教会だ。内装の荘厳さはこれまでの教会同様に美しかった。

聖レオデガー教会
装飾が素敵
同じく。
聖堂内、正面
聖堂内、後方
お墓
装飾が可愛い

中の観覧を終えて道を進むとギャラリーに遭遇。外観に惹かれて躊躇するも勇気を出して入店してみた。中には男性が1人。スタッフらしく、好きにみて良いと言ってくれた。一通りギャラリー内を散策させて頂く。私がじっくり鑑賞していると先程の彼が話しかけてくれた。彼はアメリカ出身でスイス人の方と結婚し、今はルツェルン在住らしい。彼自身はカメラマンであるものの、奥様はアーティストでこのギャラリーの店番をしていた様だ。これからピザを頼むのだが好きにみていて良いとのこと。ギャラリーは絵画の販売もしているらしく、私が気に入って見入っていた作品と同じ作者の作品で既に売却済み、発送用に梱包されていた作品も見せてくれた。また、他の作品もこの作家は既に亡くなってしまってここにはこれしかないという話や彼の気に入っている作品を紹介してくれた。私も学生である旨を話すと、特別に割引してくれるというが、流石に旅中であるのと、私はまだ人の絵を購入出来るほど財力に余裕がある身でもない。いつかは購入出来る日が来たら良いなと思いつつも今回は遠慮する事にした。鑑賞だけはじっくりとさせてもらいお店を後にした。
これまた良い出会いであった。

アートギャラリー外観
お気に入りの絵
同じく
亡くなった作家さんの作品
1ブース

湖畔を優雅に歩く。日もくれてきた。ルツェルン湖の対岸には青々とした荘厳な山が連なっている。
この景色を見られただけでもやはりこの地に来た価値があったなと思った。

湖湖畔
湖畔
ご飯横の歩道
双眼鏡もある
雪山
これは何?
え、可愛い。

そして最後に、イエズス会教会に入る。こちらは17世紀に建てられたバロック建築の教会。聖レオデガー教会ともまた違うより豪華絢爛な装飾にバロック様式の特徴が感じられた。こちらの外見もなかなかに目を引くものとなっている。教会は信者でなくても心を落ち着けてくれる場所として機能していると思うのだが、この時も暮れていく日を思って黄昏るに相応しい場所として機能した。

イエズス教会外観
ゴシック様式の内装
内装
オルガン
これは何だろう。
貝殻模様かわいい

しかしこの時は何に追われていたのだろうか。謎に焦りを感じ、もうこの地を後にすることを考える。最後の最後に駅周辺を散策してから反対側のホステルへ向かう。

観光名所
夕暮れのカペル橋
カペル橋からの眺め
ポストコレクション
羊飼いの銅像

荷物をピックアップして再びルツェルン中央駅に戻って来た。こちらの駅舎、今回は何度も利用する事になった場所だが、後から知った話、有名建築家のカラトラヴァによって1984-91年に再建されたものだったらしい。また、駅前にあった建造物はかつての駅舎の名残だったそうだ。

ルツェルン中央駅
プラットフォーム
乗る電車

電車に揺られてチューリッヒへと辿り着く。こちらは乗り換えの駅で本日の目的地ではない。ここで待つのであれば、もう少しルツェルンに居れば良かったのではと少し後悔するももう遅い。
チューリッヒ駅の散策に出かけた。こちらもヨーロッパの古い建築だったのだが、所々に現代アートの展示がなされている。乳がんに対しての設置なのか、巨大な乳房の模型には驚いた。重要なことではあるのだが、日本との教育の差を感じる。

印象的なオブジェ
乳房の模型

Wi-Fiを求めて入ったお店にWi-Fiはなく、とりあえずゆっくりしてからお手洗いだけお借りした。店員さんにWi-Fiの有無を聞いた時に、Wi-Fiはないけどトイレはあるよ、と言われたのだ。同僚になんだその返答と突っ込まれていたが、やはりこちらはセットで聞かれるものらしい。事実、その情報を貰えたのはありがたかった。

カフェでの注文

チューリッヒから次の目的地へもユーレイルパスではなく別途チケットが必要であることが発覚。駅員さんに聞きつつ日本で言うみどりの窓口の様なチケットカウンターでチケットを購入した。少し混んでいて整理券が発見されるシステム。この日の予約がいっぱいになってしまわないか少し焦ったことは記憶している。

ゲットしたチケット
まだ行き先が出てこない。

まだ少し時間があったので謎に駅の外に出て見る。キャリーケースもあったのと既に夜も遅い。少しだけ外に出て謎にトラムと駅舎の外観だけ拝み、直ぐに駅舎内へと戻った。次回はチューリッヒもしっかり滞在したいものである。

駅の出口
駅舎の外観
トラム
こう言うの撮っちゃう。
すごいアーティスティックなゴミ
電車見学
連結部分
かっこいい
なんか撮っちゃう。

やっと電車の時刻。電車に乗り込んだ。この時はヨーロッパで自身初めての寝台列車。コンパートメントに分かれているタイプの鉄道で、個人的にはハリーポッターのホグワーツ特急を思わせるその作りに感動していた。この後この様な電車はちょくちょく乗る事にはなるし、デザイン的に似ているわけではないのだが。

コンパートメント
中から見たらこんな感じ

6人用のコンパートメントには、青年2人と一緒に座る事になった。
計3人なので1人2席ずつ使う。寝台でも座席が倒せる仕様ではないので2席づかいは有り難かった。また、彼らが私のキャリーケースを上に上げてくれた。ありがたい。

こちらも乗り過ごすのが不安であるが、まあ何とかなるだろうと電車に揺られながら目を閉じる。

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