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24h:魔法がとけないベルギー。

2023/11/01 ベルギー ブリュッセル🇧🇪
今日の始まりは深夜から。
結局私はモロッコ出身の彼の誘いを受ける事にしたのだ。既に0時を回っている。街へ出るには1人では危ないだろうし勝手も分かっていなかったのだが、2人なら、ましてや現地の人ならばと夜の街に繰り出してみた。

ぷらぷらと街を歩き、コンビニエンスストアに立ち寄る。お勧めだというお酒を教えてくれた。ベルギービールも有名だなと思い試してみたかったのだが、どうせそんなに飲めないだろうと諦めていた。飲めなかったら彼が飲んでくれるという安心感もあり、お言葉に甘えてチェリーのお酒を買ってもらう。

コンビニのお酒
チェリーのビール?

お店の近くのベンチで晩酌をする。好きな音楽の話からこれまでの生い立ちなど幅広いトピックの会話を展開した。彼は自分のペースで良いよと言いつつも、あまりにも私のお酒を飲むスピードが遅過ぎて面白がっていた。

夜の街には酔っ払いもそれなりに出没する。絡まれなければ特に気にすることも無いのだが、だとしても1人ではない安心感が得られたのは有り難かった。

我々も電動スクーターを使い、街を探索する事にした。雨が降って来て結構なびしょ濡れになる。それでも夜の街を徘徊する背徳感が勝り探究心に身を任せる事にした。

電動キックボード

観光の前に再びコンビニエンスストアに寄ってまず折りたたみ傘と飲み物を購入。私が丸い筒形のライターに興味を示しているとそちらも記念にとプレゼントしてくれた。

コンビニで買った飲み物

彼は現地に馴染みある人なだけあって、諸々の道を把握しているようだ。まずはグラン・プラスに案内してくれた。夜のイルミネーションがとにかく美し過ぎた。この場に来られただけでもこの夜の徘徊が正解だったと言っても過言ではない。グラン・プラスはヴィクトル・ユゴーが「世界で最も豪華な広場」と称えた程のベルギーが誇る世界遺産である。
広場の入り口にキリスト教関連と思われる装飾があり、一部が巡礼者達の痕跡を物語る様に禿げていた。やはり人気の観光、または巡礼地なのだと実感する。また彼は写真も拘って撮ってくれた。感謝である。暫く広場でその美しさに見惚れつつ記念撮影をしてもらい、再び街を電動キックボードで街を失踪する。

グラン・プラス
市庁舎
キリスト像
入り口付近の壁画

広場のすぐ近くには小便小僧が位置している。小便小僧は徳島でもみた事があるのだが、それに比べて綺麗な柵に収まり丁重に扱われているような気がした。ただし、いずれにしてもその名の通りその小僧のポージングは小便をしている様子であることをお忘れなきよう。

小便小僧

向かい側にあるホテルが5つ星だったのでそちらでも記念撮影をしておく。いつか泊まれる様になりたいねと、ドミトリー利用の2人で語りながら。

5つ星ホテル
5つ星ホテル

彼にキックボードに揺られる。ハロウィンパーティーの最中らしく仮装をした人々で溢れているバーを横目に夜の街を疾走した。そういえば今日はハロウィンだったなと思いながら。

街の景色に対して、ドワーフだベルギーっぽいな、マグリットの絵のオマージュだな。聖ミッシェル・聖ギュデュル聖堂に対しても、聖堂大きいな。とだんだん思考も夜が深まるに連れて浅はかになって行く。時刻は午前3時前。明日の予定もあるので今日は帰宅する事にした。

ドワーフの天井画
ベルギー仕様のドワーフ
マグリット
聖ミッシェル・聖ギュデュル聖堂
帰還

雨でびしょ濡れ。またまたドミトリーお馴染みの2段ベットを駆使して服を干す。きっと明日の観光はびしょ濡れのままだなと思う。それでも今夜街に出てよかったと思える時間だった。

2人で並んで歯磨きをする。シャワーは終えているとは言え、もう既に3時を回っていた。チェックアウトの時間は10時。少量とは言えお酒も飲んでいたのでこの時刻に間に合うのかすら不安である。その旨を話すと彼は私が寝ていたら起こしてくれると言った。有り難くその言葉に甘える事にした。

9時40分くらいに起きる事ができた。というか起こしてもらえた。
急いで身支度を整え階下へ降りる。キャリーはモロッコの彼が階下へと運んでくれた。私が両手で力一杯にやっと持ち上げることの出来るキャリーを男の人は片手で持ち上げられるのだなと感謝共に生物学的力量の差を感じる。若干悔しくもありつつ、運んで貰える側にいることに関してはラッキーだなと思ってしまった。

ロビーでチェックアウトを済ませた後、少しだけロビーでゆったり時間を過ごす。ここでも彼がコーヒーをご馳走してくれた。スニッカーズとワッフルだったか、どちらが良いか聞かれ折角ベルギーにいるのだからとワッフルを頂く。流石に貰いすぎだったので断りはしたのだが、結局スニッカーズも半分くらい分けてくれた。旅のお供として頂こう。

そんなお砂糖ツカワナイヨ

しかし彼はまだ色々尽くしてくれ、散歩がてらにコンビニエンスストアで飲み物まで買ってくれてしまった。何も返すものがなく申し訳ない気持ちになる。しかし彼ともそこまで。用事があるとの事だったのでお礼を言って別れた。昨夜彼がいなかったら、話しかけてくれなかったら、ベルギーの滞在がこんなにも充実したものにはならなかっただろう。いつか彼がお店を開いた時に是非お店に駆けつけたいと思った。

ストロベリージュース

ところで、散歩中に目にしたベルギーの街並みたるや。昨夜は暗がりだったこともあり見えていなかったものが見えてくる。何やらメッセージ性の強そうなアートやヌテラのゴミにはベルギー国民のチョコ愛を感じた。

メッセージ性が強そうなアート
ヌ、ヌテラ?

1人になってからはベルギー観光をしに街へ繰り出す。まずは昨日も訪れたのだが、グラン・プラスや小便小僧周辺を目指してみた。

ブリュッセルの街並み
壁面アート多め
たくさんのビール
街の様子

小便小僧は昨夜は私達だけの空間だったのだが、流石目玉観光地。日中は観光客達でごった返していた。昨夜しっかりと写真を撮って貰っておいてよかったと思う。この時間帯では人が映ってしまうことは避けられないし目の前に長居は出来ないだろう。

小便小僧周辺の様子
小便小僧

ところで、昨夜はお店が閉まっていたのだが、小便小僧の像の周辺には彼にあやかったお店が軒を連ねていた。オランダ同様、ベルギーもそこら辺のリテラシーが高いというのかなあ、これは。まあ完全にネタ枠なんだろう。

リテラシー。

チョコレート屋にも立ち寄ってみた。やはりベルギーの旅にはチョコレートが必須だろう。店内も王道のものから一風変わったチョコレート等様々な種類のチョコレートで彩られていた。
入りはしなかったが、チョコレートミュージアムというものもある様で、ベルギーのチョコ愛を感じる。

チョコレート屋さん
お菓子屋さん
チョコレートミュージアム
チョコレートミュージアムの看板

途中立ち寄った本屋で日本の漫画を見てここまで普及しているのかと日本人という繋がりしかないのだが、嬉しくなった。

漫画

グラン・プラスは夜中とはまた違う美しさを誇っていた。昨日はイルミネーションによる幻想的な姿を見せてくれていたが、今は今で建物自体が美しい。装飾の細部までしっかりと見る事ができ、夜とは異なる美しさを持っていた。広場では絵描さんが風景画を販売していた。また、広場周辺の建物には観光案内施設も設置してあり、観光の要となっているようだった。

市庁舎
グラン・プラス
グラン・プラス
国旗たち
絵描さん
壁画
キリストの像

広場に面した建物の一つにマグリットのスーベニアショップがあった。ベルギーは彼の生まれ故郷である。彼の作品が好きなので、ついポストカードを買ってしまった。この旅、なんだかんだ買ってしまってないか?と自分を戒めつつも、この時の物欲には抗えなかった。

マグリットのスーベニアショップ

再び広場に出て暫く建物の外観を堪能してみた。お腹が空いて来たので近くのフライドポテト屋に立ち寄ることにした。やはりヨーロッパはどこでもフライドポテトを名物と謳っているらしい。ソースが選べたので迷ったのだが、冒険せずにBBQを選択した。安定の味である。折角なので広場に戻り建物を鑑賞しながら頂くことにした。ポテトはテイクアウト用に片手で持てるような入れ物の仕様になっており、広場には公共のゴミ箱も設置されているので食べ歩きにはありがたい。

ベルギー、フライドポテト

そしてやはり、ベルギーに来たらワッフルを食べなくては。これまた広場近くのワッフル屋さんに入店する事にした。その道中で可愛い子供たちに出会った。瞬時に癒される。

おっちゃんナイス!
えぇ。
これは持ち主、見つかるといいな。止まってくれい。

話を戻すと、ワッフルにはどうやら種類が大きく分けて2種類あるらしい。朝に食べたのとは別のブリュッセルワッフルを選ぶ事にした。
キャラメルソースたっぷりで中々に甘い。私は多分もう一つのワッフルの方が好きなんだと思う。もちろん美味しかったのだが、ふわふわのワッフル生地がアイスクリームとソースによってヒタヒタになってしまったのだ。まあトッピングももりもりだったので他のを選ぶ術もあるが、私が食べたものも甘党の方にはおすすめである。ところで、サービスでついて来たジンジャークッキーが美味しかった。

ワッフルのメニュー
ブリュッセルワッフル

街ブラの途中、本当に意味もなくガチャガチャを回してみたくなってしまった。ハートの石。こちらもお守りにと、そのドキドキ感を味わいたかっただけなのだが。茶色位系統の石が出て来た。割といいじゃ無いか。まあ何に使うのかは知らないけれども。

ガチャガチャ
出て来たやつ。

ベルギーでもどうやらゴッホ展が開催されているらしい。やはり人気なのだなと。また、街の至る所にドワーフがいた。

ゴッホとドワーフ

夜中に外観だけ見ていた聖堂は中のステンドグラスやパイプオルガンが綺麗だった。また、外観の銀杏並木に秋を感じさせられる。これまた夜とは異なる美しさで私を迎えてくれた。

聖ミッシェル・聖ギュデュル聖堂
聖堂内のステンドグラス
聖堂内の様子
聖堂内の展示
聖堂外壁の装飾
聖堂から眺めた街並み

意外とまだ時間に余裕があったので昨夜のモロッコの方におすすめしてもらったアトミウムへ行く事にした。アトミウムは1958年のブリュッセル万国博覧会の折にモニュメントとして建設され、現在も当日会場として使用されていたエゼル公園に位置している。

券売機が見つけられずプラットフォームに着いてしまった。発車直前なので取り敢えず電車に飛び乗ってしまう。途中乗り換えの駅で無事チケットを購入出来た。

チケット購入場所
無事入手
電光掲示板

駅は中々にアーティスティックなデザインで彩られていた。チャップリンの壁紙を見つけて個人的に興奮を覚えた。

チャップリン!
ベルギーで初見の改札

改札を出たら矢印、というか人の波に沿って行けばアトミウムに辿り着いた。フロントのある建物が狭いこともあり、チケット購入列は混雑していたが、10分ほどでチケットを購入出来た。また、私は使える所が限られているとも聞いていたのだが、国際学生証を提示したことで学生料金で入場出来たのでラッキーだったと思う。

アトミウム
下から見たアトミウム
ポストコレクション

館内にはお手洗いがないというのでフロントで済ませてからアトミウムの入場列に並ぶ。確かトイレは使用料が 2ユーロだった。トイレの前に老父が座っているので彼に代金を支払ってからトイレに入れるシステムとなっていた。

またアトミウムの入場前にカメラでの記念撮影が必須。カメラマンの女性にどこから来たの?イギリス?と聞かれてかなり浮かれた事を白状しておく。生粋の日本人であるのだが、中国やフィリピン、東南アジアの国々出身だと間違えられる顔立ちらしく、日本人にすら出身国を当てられない事には慣れている。自分で見ても全然似ていないとは思うのだが、モロッコではベルベル人と、現地の先住民と間違えられた程である。しかし、欧米人に間違われたのは確か初めてだったように思う。きっと顔立ちというよりもマッキントッシュのチェック柄のコートがイングランドらしさを醸し出していたのだろう。
また、恐らくイギリスに多様な人種の人々が暮らしているのだろうと思われた。

アトミウムは各フロアエスカレーターか階段で繋がっている。万国博覧会の様子やアトミウムの建設過程を学べる展示や展望台、空間アートのフロアなど実に多様な内容であった。
空間を駆使した光のアート、中々に見応えがある。アトミウムから見るブリュッセルの街も見晴らしが良く綺麗だった。

アトミウム内展示
アトミウム内展示
アトミウム内展示
アトミウム設計図
万博の様子
アトミウム管内
階段
エスカレーター
空間アート
展望台からの景色

見学を終えて再び市街地へと戻る。
チョコレート屋に入ると一粒のチョコレートを試食として食べさせてくれた。試食も頂いてしまったし体験したい思いもあり、折角なのでチョコレートの量り売りを旅のお供として購入した。中々のお値段に少し躊躇いケチケチの量である。
店内にはチョコレート以外にもカラフルな飲み物が沢山売られていた。お菓子の家が実在するのであれば内装はまさにこの様なものとなるのだろうなとファンタジー要素の強い内装で視覚的にも喜ばせてくれた。

チョコレート量り売り
購入!
😍
なんのドリンク?
こちらもカラフル

滞在も残り数時間。ブリュッセルの街は芸術的と言うか、遊び心に富んでいて歩いているだけで楽しかった。昨晩からの出来事を回想しつつ既に訪れた道を通って帰路へと向かう。徐々に日も暮れて来た。こうした時間はやはり寂しさを感じずにはいられない。今日も1日が暮れていくのだと。

自転車??
カートゥーンの世界
日本人だと読めないフォント
カラフルな横断歩道

電車の時間も近づいて来たのでホステルで荷物を受け取り、地下鉄を駆使してブリュッセルNoord駅へ向かった。少し早めに着いたので駅を探索してからラテとパニーニを購入した。カフェのゴミ箱のデザインはポイ捨て防止のための捨てたくなる工夫がされているのだろうか。個性的なそのフォルムに興味が惹かれた。
今日も観光優先でご飯らしいご飯は食べていない。11月初日、寒空の下で飲むラテは美味しかった。

地下鉄の入り口
ブリュッセルNoordの駅
パニーニ
ラテ
ゴミ箱

無事電車に乗り込み夜景を見ながら目的地へと揺られていく。長期の旅だと移動が困難だと言う人もいるが、私は割とこの時間が好きだなと思う。

フランクフルト行き
プラットフォーム
電車内の様子

2023/11/01  ドイツ フランクフルト🇩🇪
電車に揺られて行き着いたのはドイツのフランクフルト。時刻は21時半。30分程歩くと今日の宿に行き着くようだ。石畳の道でキャリーケースを引くのは楽ではなかったが、歩けないこともない。徒歩で向かう事にした。途中、現地のちびっ子が自転車で私を追い越して行った。「グットラック!」と喝をくれる。

フランクフルト到着
駅構内
ホステル

22時前、無事辿り着きチェックインを済ませた。
ホステルのロビーには卓球台があったり作業スペースがあったりと宿泊客で賑わっていた。自室へも一度外に出てから別棟に入るシステム。中々の規模のホステルのようだった。私の部屋は7人程の部屋だったと思う。特にお互い干渉せずという感じで重い思いの時間を過ごしているようだった。

私は一度荷物を整理してからロビーで作業をする事にした。Wi-Fiが得られる貴重な環境。この先の旅路と溜まっている所属団体のタスクを少しだけ進める事ができた。

フランクフルトの滞在は短い。明日しっかり観光できるように日付が超える前には寝床についた。

今日も今日とて長い1日であった。

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