起業という選択と、自分らしい人生 ~コンプレックスを強みに変える旅~
皆様、こんにちは。広報担当の村山です。
私たちORCaは、「誰もが自分らしく活躍できる社会」の実現を目指し、現在は、大阪の谷町にてダウン症の方と共創するコーヒーショップ「HICARU COFFEE ROASTER」の運営などをしています。
今回は、ORCaの代表・山中に起業をするに至った理由やきっかけについてインタビューをしました。前回のインタビュー「過去やキャリアから、見つけたORCa代表 山中の生き方」を踏まえて読んでいただけるとより楽しんでいただけると思います!
弱みやコンプレックスに悩んでいる方
起業に対して興味のある方
自分らしく生きたいと願う、すべての人
そんな皆様にお読みいただきたいです!
ぜひ最後までお読みいただけると嬉しいです!
プロフィール
村山:早速なんですが… 貯金8万円で起業したって本当ですか?
山中:そうですね、23歳の時です。浪人をしているので一年遅れ、社会人一年目が半年経った頃に起業を決意しました。
村山:23歳!貯金8万円で起業って、なかなかできることじゃないと思うのですが、正直不安はありませんでしたか?
山中:いや、正直不安だらけでしたよ(笑)
でも、あの時起業しなかったら、きっと後悔していたと思います。
村山:なるほど…。
聞きたいことが多すぎるので、まずは起業という道を選んだきっかけから聞いても良いでしょうか?
起業という道を選んだきっかけ
山中:きっかけは、大学時代に遡ります。ただ、火種がついたのは20歳の時ですかね。
僕は中学生の時から学校の先生を目指していました。父親が経営者だったこともあり、事業を数十年と継続する難しさは小さな頃から感じていて。母は介護の資格を活かして生活を守り抜いてくれて。そんな両親は安定した生活と幸せを願い、育ててくれました。
18歳、当時は高校教員になることが夢でした。そんな夢を両親は全力で応援すると、教職課程を取得するために大学に進学することを応援してくれました。
教職課程には卒業単位以外にも必要だったので、大学2年生の時点で卒業するために必要な単位をほとんど取り終えていました。しかし授業で学ぶこと、塾講師をアルバイトでリーダーとして励んでいたときに、人生をかけて教師をするイメージがどんどん沸かなくなっていって。
そもそも、大学1年生の時にスペシャルティコーヒーに出会ったことが僕の人生を大きく変えたんです。
村山:コーヒーに出会ったことが、どのようにして起業を意識することに繋がっていくんでしょうか?
山中:出会ってからずっと、コーヒーショップは自分にとって家以外の第二の居場所でした。悩みや相談があればいつでも話を聞いてくれたバリスタさんや、その空間自体がとっても貴重な存在で。そんな魅力に惹かれた同年代たちが集まってコーヒーの魅力を発信したくて。大学生期間に学生団体を立ちあげ、活動に時間も労力も費やすことを決意しました。
村山:学生団体を立ち上げるという行動に移すくらいの魅力をその当時に感じたんですね。
山中:コーヒーは居場所を作れるっていうことに気がついて。コーヒー1つを淹れるという作業が、誰かの足を止めて、誰かと心が打ち解ける機会になって、居場所ときっかけ作りになるというところにとても魅力を感じています。コーヒーを飲む側になるだけじゃなくて、 人に対して提供する側に回りたいっていう、この熱量が僕の大学生活の精神を作りましたね。
村山:前回までのインタビューでも何度か「居場所」というキーワードが出てきましたが、学生団体の活動で「居場所づくり」の経験をしているんですね。
山中:学生団体で活動しているうちに、さまざまな機会をいただくんですが、活動の幅や規模が広がってきたり、継続した活動を行なっていくとお金が必要だということが分かってきて。出店活動や物販など、活動形態自体に金銭のやり取りが発生するようになりました。
村山:なるほど。お金を稼ぎたいという気持ちからビジネスに入ったわけじゃなく、自分にとっても社会にとっても活動意義の高いことをしていたら、そのままビジネスに変わっていったという感じなんですね。
就職を経験
村山:23歳で起業と聞いたのですが、卒業後すぐに起業をした訳ではないんですよね?
山中:実は、就職活動をしているときは、起業という選択肢は頭になかったんです。そもそも大学生活=人生最後の夏休み(自分の意思で活動できる自由な時間)と思って過ごしていました。
ただ、就職する直前になって、学生団体での活動や、活動を通して出会った仲間たちが、人生をかけて自分の夢に向かって突き進んでいる姿を見て不安を感じるようになりました。
就職をした企業は自分の背景やこれまでの活動を評価してくれました。でも土日に業務から離れるとずっとコーヒーと人生のことを考えていて。休日一人でコーヒーを飲みながら、「自分らしい生き方、自己実現ってなんだろう。」と色んな悩みが増え始めた時に、仲間の後押しがあって起業に踏み切りました。
村山:なるほど。周りの仲間の影響も強くあったんですね。
山中:彼らと話す中で、起業に対する漠然としたイメージが具体的になり、自分にもできるかもしれないと思えるようになりました。彼らの情熱や行動力に刺激を受けて、自分も彼らのように自分の力で道を切り開いていきたいと強く思うようになったんです。
23歳で起業
村山:そして、就職をしてから半年後の23歳に独立。
安定した道ではなく、起業という茨の道を選んだわけですね。
山中: はい。両親や周りの人たちを心配させるんじゃないか、失敗したらどうしよう、そもそも何でこのタイミングなんだろう。毎日仕事が終わると友人に電話をしながら散歩をしていたのを思い出します。しかしあの時起業という道を選んで本当に良かったと思っています。資金繰りに苦労したり、思うように事業が進まなかったり、たくさんの壁にぶつかりました。でも、その度に周りの仲間や家族に支えられて、ここまでやってくることができました。
村山:弊社が運営しているHICARU COFFEE ROASTERは、24歳で立ち上げたブランドですよね?
起業した当初はどのようなサービスを提供していたんですか?
山中:当時は、「オフィスタ」という事業をしていました。
オフィスタは、コロナでほとんどの人がリモートワークだった時代が終わり、オフィスに人が戻り始めた頃、出社意欲のある人などほとんどいないという現状から、オフィスに社会人の居場所を取り戻そうと、バリスタの出張サービスを立ち上げました。
また、店舗を持って独立しなくても、バリスタの人柄とかコミュニケーション能力とか個人の力を最大の武器として、活躍できる社会を作るために法人を立ち上げたのが株式会社ORCaのスタート地点です。
村山: やっぱり、居場所をつくるというところと、個人の力を活かすというところが軸になるんですね。
山中:そうですね、それが僕が大切にしている「オリジナルドリブン」という考え方です。
一人ひとりが自分の個性や才能を活かして、自分らしく輝ける環境を作るということです。僕自身、学生団体の活動を通して、自分の居場所を見つけ、自分らしく生きることの大切さを学びました。そして、起業してからも、この「オリジナルドリブン」という考え方を大切におり、社員一人ひとりが自分らしく輝ける会社、そして、社会に貢献できる会社を目指しています。
村山:弊社は起業支援も行なっている会社ですが、今いる環境だったりとか、組織の中でも自分が輝けるようなフレームに落としているのは、価値観はそのままに、生き方の選択肢を広げる。そういう事業をしている会社なんだっていうことが、改めて再認識できました。
本日も貴重なお話をありがとうございました!
山中:こちらこそ、ありがとうございました!