コロナ感染者は被害者?加害者?
未だ落ち着きを見せないコロナウイルス。感染者(陽性患者)のルポって割とある気がするんですけど、濃厚接触者のルポってなりやすい割にあんまりないよなと、自分が思ったのと、まあ濃厚接触者になってみて、危機感を覚えながらもどこか他人事だったコロナについて改めて思ったことがあるので、その備忘録、みたいな。
濃厚接触発覚
お盆前に仕事の関係で、夜行バスで出張をした。
地方から名古屋の便で、名古屋に1週間ほど滞在し帰ってきた。
帰ってきた次の日は、接客の業務にあたった。
夕方、見慣れない番号から電話がかかってきて
「私、◯◯バス会社のものですが…」
どうやら出張の際の行きの便にコロナの陽性患者が同乗していたため、自分が「濃厚接触者」にあたる可能性があり、保健所に連絡するため電話番号と住所を教えてほしいとのことだった。
ああ、まあそうですか。という感じで、住所と電話番号を伝えると
「では保健所に連絡してくので、保健所からの連絡をお待ちください」
1時間ほど待ってみるも電話が来ない。
さっきバス会社から電話が来たのが15:30だったので、現時点で16:30。17時以降に保健所みたいな公的なところって仕事しないんじゃない?と思うと、いやそもそもさっきのバス会社の電話、うっかり電話番号と住所言っちゃたけど詐欺だったかも、なんて思い始める。
そこで県のコロナ関連の相談窓口に電話。
事情を説明すると、そういう場合でも保健所から濃厚接触者と判断されなければ連絡は来ないと言われた。
詐欺の可能性については、そのような情報は確認できないので、バス会社に再度問い合わせてくれとのこと。
バス会社に再び電話。
「保健所に連絡したんですけど、そこからさらに別の保健所に連絡をする必要があるみたいでそこで滞っているかもしれません。再度電話してみますね」
催促したみたいになって申し訳なかったが、会社の上司から
「まだ保健所から電話はこないのか」
となんども自分も催促されていたので許してほしい。
あと詐欺かもとか疑ってごめんなさいね。
保健所からの連絡〜PCR検査
そのあと保健所からすぐ連絡があった。
体調確認と感染対策等の注意事項、PCR検査を受けてほしいという話は想定内だったのでが、驚いたのは、やたらと
「陽性には滅多にならないので安心してください」と言われたことだった。
翌日PCR検査を受けた。
ドライブスルー式で保健所の地下駐車場に通され、運転席の窓を開ける。
鼻に綿棒を突っ込んで粘膜を採取。
これが地味に辛かった。
口から綿棒出てくるんじゃないかと思うくらい鼻の奥まで突っ込まれた。
検査結果は早ければ当日の夕方。
自分自身が陽性、もしくは同じタイミングで濃厚接触者になった人が陽性だった場合は2日以内に結果が帰ってくると言われた。
結果は陰性。友人に
「院生だから陰性だったわ」
というと
「陰キャだからでしょ」
と言われた。
は?
とはいえ万が一があるので濃厚接触した日から2週間は経過観察(朝夕の体温測定や体調の報告。アプリとかでできる)と自宅待機をするようお願いされた。
こちとら生まれてからずっと外出自粛をしてきた生粋のインドア派なので、その辺りは全く苦ではなかったのだが、問題が一つあった。
コロナ感染者は被害者?加害者?
自分は現在会社の社員寮みたいな共同アパートのようなところに住んでおり、キッチン、トイレ、風呂などが他の人と共有なことである。
陰性だったこともあり、皆、大変だったねと言ってくれ、私を誹謗中傷するようなことは決してなかったが、それでも日々の過ごし方を少なからず変えてもらう必要があった。(もちろん自分も最大限感染対策に気を使ってはいる)
自分自身特に体調の変化はなく、これといって困ったことはない。とはいえ、もしかしたら自分が新たな感染源になるかもしれないと思い、日々神経質に、精神をすり減らしながら過ごしている。
自分で夜の街に行っていたとからならともかく、上司と日程なども相談した上で行った出張でたまたま同乗者にコロナの陽性患者がいたというだけ。
正直な気持ち、自分はどちらかといえば被害者の気分である。
クソ暑い中でもマスクは外さなかったし、消毒スプレーを持参して感染対策を行っていた私が、濃厚接触者!?自業自得ならともかく、そんなたまたま!?みたいな。
しかし私がとらなければならない対応は加害者の対応ある。
私自身が感染源になる可能性を捨てきれないからだ。
この、自分自身の気分は被害者なのに取るべき対応は加害者だというズレが今の私の精神的な疲弊を生んでいるのだ。
最後に
濃厚接触者になったからといって、PCR検査で陰性が出てしまえば安心できると思っていたが、私個人のちっぽけな健康なんかよりも、周りの人に気を配らなければならない(感染対策も含めて)ことの精神的磨耗がきつい。
悪いことをしたわけではないのに責められているような気分だ。
こればっかりはどちらかというと、自分自身の精神性というか自己肯定の問題だとは思うけれど。
なので世の中の方々みんな気をつけてほしい。
コロナの感染対策は公益性の高い行為のように思えるけれど、実際は私益のための行為だったりするんだと思う。
周りの人のこととかどうでもいいので自分のために手洗いうがいしてくれ〜〜〜。
と、そんな感じ。