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サムサラ(IOT)

どうも、おらうです!
サムサラ(IOT)について調べてみました。
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それではどうぞ!


企業概要

会社名: Samsara Inc.(サムサラ)
設立年: 2015年
本社所在地: サンフランシスコ、カリフォルニア州, アメリカ
従業員数: 約2,895人(2024年時点)
業界: IoT(モノのインターネット)およびソフトウェアプラットフォーム
上場年:2021年(NYSE)
ティッカーシンボル:IOT

本社


概要

サムサラは、物理的な運用を行う企業に対してIoTデータを活用した実用的な洞察を提供するプラットフォーム、
Connected Operations Cloudのパイオニアです。

Connected Operations Cloudとは。
さまざまな業界で使用される機器や車両をネットワークに接続し、リアルタイムでデータを収集・分析するクラウドプラットフォームです。
これにより、運用効率の向上、保守コストの削減、安全性の強化が可能となります。
例えば、物流業界では車両の位置情報やエンジンの状態を監視し、最適なルートを自動提案することで運送効率を高めることができます。


創業者について

創業者は、以前にMeraki(現Cisco Systemsの一部)を共同設立したSanjit BiswasとJohn Bicketです。
Sanjit Biswas(左)は、マサチューセッツ工科大学(MIT)で電気工学とコンピュータサイエンスの修士号を取得し、無線ネットワーキングの研究で知られるRoofnetプロジェクトを共同で主導しました。
2006年にJohn Bicketと共にMerakiを創業し、同社を2012年にCiscoに12億ドルで売却。
その後、2015年にSamsaraを共同創業し、CEOを務めています​。
一方、John Bicket(右)は、MITでコンピュータサイエンスを学び、分散システムと無線ネットワーキングの専門家としての経験を持っています。Merakiの共同創業者兼CTOとして技術面を主導し、Samsaraでも同様にCTOとして技術戦略をリードしています。

Sanjit Biswas(左) / John Bicket(右)


ミッション:

「物理的なオペレーションの安全性、効率性、持続可能性を向上させ、世界経済を支える」

このミッションのもと、現代のビジネス運営をデジタル化し、より良い未来を築くことを目指しています。
サムサラのプラットフォームは、リアルタイムデータの活用を通じて、企業が運営する物理的なオペレーションを改善し、
より効率的で安全な作業環境を提供しています。


市場規模:

サムサラの製品が使用される「現場業務(Physical Operations)」は、世界GDPの40%を占めると言われています。
2023年の世界GDPの総額は105兆ドル(約1.5京円)と推定されているます。IMF調べ

現場業務が占める世界GDP の割合

2023年時点でのサムサラのターゲット市場は約1220億ドル(約1兆7700億円)と推定されており、2026年には約2000億ドル(約2兆9000億円)に達する見込みです。
この3年間は、CAGR(年平均成長率)で18%成長となります。
特に、車両テレマティクス、ビデオベースの安全管理、設備監視、労働者管理の分野での成長が著しいとされています。
サムサラはこの急成長する市場で重要なポジションを占めており、今後も市場拡大の恩恵を受けることが期待されます。

ターゲット市場規模


事業セグメント

サムサラは「Connected Operations Cloud」と呼ばれる統合プラットフォームを提供しており、このプラットフォームは車両のテレマティクス、安全性管理、設備監視、労働者管理といった多岐にわたる機能をカバーしています。
これにより、物理的なオペレーションに関するデータをリアルタイムで収集、分析し、管理者が即座に意思決定を行えるようにします。

テレマティクスモジュールでは、車両の位置情報、走行距離、運転行動などのデータをリアルタイムで収集し、分析します。
このデータに基づいて、運転手の安全性を向上させるためのフィードバックやコーチングが提供されます。
ある顧客はサムサラのプラットフォームを利用して、運転手の行動をリアルタイムで監視し、危険運転を即座に修正するフィードバックを提供しています。
これにより、事故のリスクを大幅に低減し、保険料の削減にも寄与しています。

設備監視モジュールでは、工場や建設現場などで使用される機械や設備の稼働状況を監視し、保守管理を効率化します。
これにより、ダウンタイムの削減や生産性の向上が図られます。

また、サムサラのプラットフォームは、オープンAPIを活用して他のソフトウェアやハードウェアとの統合が容易に行えるため、企業の既存のシステムにスムーズに組み込むことができます。
これにより、企業はサムサラのプラットフォームを中心に、複数のシステムを統合して効率的なオペレーションを実現することが可能です。

さらに、サムサラの強力なAIと機械学習機能は、膨大なデータをリアルタイムで分析し、企業の意思決定を支援します。
サムサラのプラットフォームで、運転手の行動データを分析して、安全性スコアを算出し、改善が必要な点を自動的に特定します。
このスコアに基づいて、各運転手にカスタマイズされたトレーニングプログラムが提供され、運転手のスキル向上と事故率の低減が期待されます。

最後に、環境面でもサムサラのプラットフォームは環境に配慮した持続可能なオペレーションの実現にも貢献しています。
例えば、車両のテレマティクスを通じてアイドル時間を削減し、燃料消費を抑えることで、二酸化炭素排出量の削減に貢献しています。
ある物流企業では、この機能を活用して、年間で数百万トンの二酸化炭素排出量を削減することができました。


製品やサービス

サムサラのプラットフォームには、以下の主要な製品とサービスが含まれています。

1.テレマティクス
サムサラのテレマティクスシステムは、車両の運行データをリアルタイムで収集・分析します。
これにより、運転手の行動を改善し、燃費効率を向上させることができます。

2.ビデオベースの安全管理
ビデオベースの安全管理システムは、車両内に設置されたカメラとAI技術を組み合わせ、運転手の行動をリアルタイムで監視します。
これにより、危険な運転行動が検出された場合、即座に警告を発し、事故を未然に防ぐことができます。

3.設備監視
サムサラの設備監視モジュールは、工場や建設現場で使用される機械や設備の稼働状況をリアルタイムで監視します。
これにより、故障が発生する前に予防保守を行い、ダウンタイムを最小限に抑えることができます。

4.労働者管理
労働者管理モジュールは、作業員の位置情報や作業状況をリアルタイムで把握し、効率的な作業スケジューリングを行うことができます。
これにより、労働者の安全を確保し、作業効率を向上させることが可能です。


実績

1.パートナーシップでつくる次世代の接続されたオペレーション

成果:
モバイルデバイスの使用が82%減少。
注意散漫運転が78%減少。

ユーザーの事業規模:
過去2年間で8つの拡張を実施。
3,400台の車両を保有。
5,000以上の資産を管理。
10,000人以上の従業員。

パートナーシップでつくる次世代の接続されたオペレーション


2.デジタル化による多くのROI(投資収益率)機会

顧客のROI:
・燃料費の節約(ルート計画やアイドリングの減少)
・保険料の削減
・道路上や職場での事故削減
・メンテナンスコストの削減
・資産の活用率向上
・労働者の採用と定着の向上

具体的な節約・収益効果:
・車両拘束時間の追跡による年間800万ドル(約11億6000万円)の収益増加
・自然災害時のダウンタイム削減による3500万ドル(約50億7500万円)の節約
・改善された可視性と請求書の自動化による3000万ドル(約43億5000万円)の早期回収
・適切な位置情報報告による1000万ドル(約14億5000万円)の税金最適化
・資産可視性の向上による1100万ドル(約15億9000万円)の節約
・温度監視とアラートシステムによる600万ドル(約8億7000万円)のコスト回避

デジタル化による多くのROI(投資収益率)機会


3.SAMSARAを使用することで8倍以上のROIを達成

・車両クラッシュコストの削減: 14%
・総保険料の削減: 24%
・燃料節約、アイドリング削減: 1%
・燃料節約、走行距離削減: 4%
・メンテナンスコストの削減: 9%
・車両コストの削減、寿命延長: 9%
・車両可用性の向上: 5%
・ドライバーの生産性向上、アイドリング削減: 14%
・ドライバー交換コストの削減: 2%

サムサラを利用することでの車両1台あたりの投資効果


新製品

2024年には以下3つの新製品が発表されました。

1.アセットタグ(Asset Tag) / 2.コネクテッド・ワークフロー(Connected Workflows) / 3.コネクテッド・トレーニング(Connected Training)


1.アセットタグ(Asset Tag)

アセットタグ(Asset Tag)は 小型で頑丈な工業用Bluetoothタグです。
これにより、Samsaraの広範なIoTネットワークに接続し、様々な場所で資産を追跡できます。
セルラーネットワークやGPSが不要なため、効率的な運用が可能です。

このタグを使用することで、資産の利用率向上、紛失や盗難防止、作業効率の向上が期待できます。
コスト効率の高いパッケージとして提供され、Samsaraの既存のネットワークを活用することで、他社に対する差別化要素となります 。

アセットタグ(Asset Tag)


2.コネクテッド・ワークフロー(Connected Workflows)

Connected Workflowsは、安全性、メンテナンス、ルーティング、労働力管理などのワークフローを自動化するツールです。
サムサラのオペレーションデータとインサイトに基づいて機能し、さまざまな業務フローをデジタル化します。

この製品を導入することで、労働生産性の向上、従業員のエンゲージメントの強化、リスクの低減が実現します。
例えば、事故が発生した際には、自動的に事故調査のワークフローが開始され、原因究明と再発防止が迅速に行えます 。

コネクテッド・ワークフロー(Connected Workflows)
コネクテッド・ワークフロー(Connected Workflows)
コネクテッド・ワークフロー(Connected Workflows)


3.コネクテッド・トレーニング(Connected Training)

コネクテッド・トレーニング(Connected Training)は、サムサラのAIインサイトを活用して、フロントラインワーカー向けにターゲットを絞ったトレーニングを提供するプラットフォームです。
従業員のリスク要因やスキルに基づいて、必要なトレーニングを自動的に提供します。

このプラットフォームにより、従業員の安全性の向上、事故の再発率の削減、保険コストの削減などが期待されます。
また、専門的なスキルに関するカスタムコンテンツを作成できるため、特定の業務環境に最適化されたトレーニングが可能です 。

コネクテッド・トレーニング(Connected Training)
コネクテッド・トレーニング(Connected Training)


ビジネスモデル

サムサラはサブスクリプション型の収益モデルを採用しており、各顧客は月額または年額でソフトウェアの使用料を支払います。
このモデルは、顧客に対して安定した収益を提供すると同時に、サムサラにとっても予測可能な収益基盤を構築することを可能にします。
契約期間は通常3〜5年であり、顧客が複数の製品を組み合わせて利用することで、追加収益が見込まれます。

サムサラのプラットフォームは、単一の製品だけでなく、複数のアプリケーションを提供するため、顧客は自社のニーズに合わせて柔軟に利用することができます。
例えば、ある顧客は、まず車両テレマティクスを導入し、その後、ビデオベースの安全管理、設備監視、労働者管理といった追加機能を順次導入することで、プラットフォーム全体の価値を最大限に引き出しています。
このように、サムサラのビジネスモデルは、顧客との長期的な関係を構築し、収益の安定性と成長性を両立させるものとなっています。


収益の安定性と成長性を裏付けるものとして、SaaS(サブスクリプション型の収益モデル)企業の重要指標であるARRも成長し続けています。
2025年第1四半期ARRは、1.176Bドル(約1705億円)でした。(前年同期比 37.3%成長)

ARRの成長

ARRとは?
ARR(Annual Recurring Revenue)は、年間で繰り返し得られる収益の総額を示す指標です。
通常、サブスクリプション型のビジネスモデルにおいて使用され、契約に基づく安定的な収益を測定します。
ARRは、新規顧客からの収益、既存顧客からの更新による収益、ならびにアップセル(追加購入)による収益を含む一方で、解約やダウングレードによる収益減少も考慮されます。
ARRは企業の成長性やビジネスの健全性を測る重要な指標であり、投資家が事業の安定性や将来の収益を予測するために活用されます。


また、フリーキャッシュフローは2024年第2四半期から黒字転換し、続伸を続けています。

フリーキャッシュフロー(FCF)の黒字転換

フリーキャッシュフローとは?
フリーキャッシュフローは、企業が日常の運営と資本支出を終えた後に手元に残る現金を示します。
これは、企業が将来の投資や株主への配当に使える資金を示すため、投資家にとって重要な指標です。


アメリカの株式市場に上場している300社のソフトウェア企業の中で
ARRが1Bドルを超え、かつフリーキャッシュフローが黒字化
している企業はサムサラとクラウドストライクの2社のみとなっています。

フクロウとファルコンの2強


ターゲット業界

サムサラのプラットフォームは、さまざまな業界で幅広く利用されています。

上位5業界
・輸送(Transporation)20%
・建設(Construction)17%
・卸売、小売(Wholesale & Retail)15%
・フィールドサービス(Field Service)12%
・物流(Logistics)11%


ケース(業界別)

物流業界では、サムサラのテレマティクスとビデオベースの安全管理を組み合わせることで、運転手の安全を確保し、事故を未然に防ぐことができています。

建設業界では、重機の使用状況を最適化するために、サムサラの設備監視モジュールが活用されています。
これにより、機械の稼働率が向上し、稼働コストが大幅に削減されました。

エネルギー業界では、労働者管理モジュールを利用して、現場での作業スケジューリングを効率化し、作業員の安全を確保することが可能となっています。

このようにサムサラのプラットフォームは、各業界での運営効率の向上とリスク低減に寄与しています。


事業戦略

サムサラの事業戦略の中心には、「ランド・アンド・エクスパンド」戦略があります。
この戦略では、まず顧客に基本的なソリューションを提供し、その後に他のサービスや機能を追加することで、顧客あたりの収益を増加させます。
例えば、ある顧客は初期段階でテレマティクスソリューションを導入し、車両の運行管理を改善しました。
その後、同じ顧客はサムサラのビデオベースの安全管理システムや設備監視モジュールを追加導入し、さらなる運営効率の向上とリスク管理の強化を図りました。
このように、サムサラは顧客のニーズに応じた柔軟なサービス提供を行うことで、長期的な顧客関係を構築しています。

「ランド・アンド・エクスパンド」戦略 / Land and expand strategy


「ランド・アンド・エクスパンド」戦略に則り、新規顧客の獲得と既存顧客へのアップセルとクロスセルがバランス良く行われながら、
ARRを拡大させています。

過去3年間、新規顧客と既存顧客へのアプローチがバランス良く行われている。
バランス良い顧客獲得を行いながら、ARRも続伸。*再掲

アップセル (Upsell) / クロスセル(Cross-sell)とは?

アップセル(Upsell)は、顧客に対してより高価格または高機能な製品やサービスを提案する販売手法です。
顧客が興味を持っている商品よりも上位の選択肢を提供することで、顧客単価を引き上げ、ビジネスの収益を向上させることが可能です。

クロスセル(Cross-sell)は、既存の顧客に対して関連商品や追加サービスを提案する販売手法です。
顧客が既に購入した製品やサービスに補完的なものを提案することで、一回の取引でより多くの商品を販売し、顧客あたりの収益を最大化できます。


また、潜在的顧客は、世界に約325,000社あると推定されています。
これは、現在の既存顧客数(17,500社)に対して20倍弱となります。

潜在顧客数(325,000社)は、既存顧客(17,500社)の20倍弱


クロスセルに関しては、2つ以上の製品購入は顧客に浸透しており、3つ以上の製品購入は伸びている傾向にあります。

複数製品の購入が浸透しつつある。

「ランド・アンド・エクスパンド」戦略を通して、潜在顧客の獲得やクロスセルの浸透によるARR拡大余地が残っていると考えられます。


業績

EPS(水色)は、2024年度にプラスに転じました。
売上高(緑色)は、続伸を続けています。

EPS


売上高


直近決算(2024/6/6)

⭕️EPS:実際$0.03 予想$0.01
⭕️売上高:実際$280.73M 予想$272.39M
前年同期比売上高成長率:37.4%
ガイダンス:
❌来四半期EPS:実際$0.00-$0.01 予想$0.01
⭕️来四半期売上高:実際$288M-$290M 予想$287.16M
⭕️2025年通期EPS:実際$0.13-$0.15 予想$0.12
⭕️2025年通期売上高:実際$1.205B-$1.213B 予想$1.20B
Memo:
期末ARR11億7600万ドル、前年比37%増。
ARRが10万ドル以上の顧客は前年比43%増の1,964社。


株価の動き(2024/9/4現在)

6月6日の決算でIPO後に初めて決算ミスがあり、翌日から大きく株価が下がりました。
現在はそこから盛り返し、過去最高値付近にいます。


次回決算

2024/9/5 引け後(日本時間 2024/9/6早朝)


まとめ

・サムサラは、物理的オペレーションのデジタル化におけるリーダーとして、成長を遂げています。
・同社のプラットフォームは、幅広い業界で利用されており、顧客のニーズに応じてカスタマイズ可能な点が魅力です。
・AIと機械学習を活用したリアルタイムデータ分析により、オペレーションの効率化と安全性向上を実現しています。
・サブスクリプション型のビジネスモデルにより、安定した収益基盤を持ち、持続可能な成長が期待されています。
・長期的な視点で見た場合、サムサラは技術革新と市場拡大の両方でポテンシャルを持っています。


以上となります。
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前回の決算とカンファレンスコールをまとめています。
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