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時代はデータか。 - Innodate
愛読書の1つである「はじめて考えるときのように」の序盤(P30)で、このような言葉があります。(早速、本題まで長くなりそうな雰囲気)
「考える」っていうのは、耳を澄ますこと、研ぎ澄ますこと。
だから、考えている間中、その人は考えていない人と同じように行動してていい。いろんなことをして、いろんなものを見て、いろんなことを感じて、いろんな思いがよぎる。
ただ違うのは一点のみ。「あ、これだ」という声にその人は耳を澄ましている。その一点だけ。
あとはおんなじでいい
株式投資をしている人であれば、SNSや企業サイトなどからたくさんのデータを得て、投資判断に繋げていると思います。そのデータ(=点)をどれだけ頭に溜めて、どう点と点を繋げるか。
私は、自分なりの今後のストーリーを作る上で、この点と点を繋ぐ事が非常に大事だと思っています。
そして、ふとした瞬間に、頭の中で溜めておいたデータが、繋がり出し、この点とこの点が繋がれば、今後こうなっていくのではとストーリーが出来上がったりします。そのふとした瞬間を待つことが、考えることだとこの本では説明しています。(たぶん)
さて、最近私に中で、この瞬間が訪れた銘柄があり、それがInnodateでした。では、どう繋がったのか説明していきたいと思います。(銘柄紹介はまだかいな)
それは、この記事を見た瞬間でした。
ざっくりですが、合成データの生成と検証に莫大な計算資源が必要になってくるという内容です。この記事を見たときに、2026年問題を思い出しました。大規模言語モデル(LLM)の学習に必要な高品質なテキストデータが2026年までには枯渇する可能性が高いという問題です。
その点については、いつも私が参考にさせて頂いているbioshokさんは、「データの枯渇はポストトレーニングや推論スケーリングによる合成データによって問題ないという意見がフロンティアモデル開発組織のコンセンサスになってきているが、代わりに計算資源は今の何桁も上のものが必要なので、フロンティアモデル開発組織は1,000億ドル(gpt4の千倍)というインフラ費用を至る所で出しています。それと専門家による教師データの作成も今後トレンドとして大きくなる」と回答頂きました。
ここで、「2026年問題」「記事内容」「bioshokさんの回答」が繋がり、AIの更なる発展の為にも高品質のデータを扱い、それを提供しているInnodateが今後大事なポジションを取る可能性があるというストーリーが僕の中で繋がりました。
さて、やっと本題です。Innodateについて触れていこうと思います。(やっとかいな、すみません)
米国ニュージャージー州リッジフィールドパークに本社を置くデータエンジニアリング企業。1988年に設立され、AIやデータソリューションの提供を中心に、企業のデジタルトランスフォーメーションを支援しています。
ビジネスモデル
主に、大型テック企業やAI開発を行う企業に対してデータアノテーションやクレンジング、AIモデルのトレーニング用の高品質なデータセットを提供しています。これらのサービスは、AIや機械学習のシステムがより効果的に機能するために不可欠な作業です。
事業セグメント
・デジタルデータソリューション(DDS) 売上割合85%
Innodateのメイン事業であり、AIデータ準備サービスやデータエンジニアリング支援サービスを提供し、企業のAIモデル開発やデータ管理を支援。
・シノデックス 売上割合3%
医療記録のデジタル化プラットフォームを通じて、医療業界向けにデータ変換サービスを提供。
・アジリティ 売上割合12%
マーケティングコミュニケーションプラットフォームを提供し、企業の広報活動やマーケティング戦略を支援。
では、ビジネスモデルに出てきた言葉の説明をしていきます。下記の作業がInnodateのメイン事業になります。
・アノテーション作業
AIや機械学習のために使用される画像や音声、テキストデータに対して意味付け(タグ付け)をする作業です。例えば、りんごが写っている写真データに「りんご」とタグ付けをします。
・データのクレンジング
データの品質を向上させるために、データの誤りや重複を修正・削除、表記の統一、古いデータの更新、形式の統一などを行い、AIモデルがより正確に学習できるようにデータを整理します。
・データセット作成
データをクレンジングし、そのデータにアノテーション作業を行い、膨大なデータの中から有用なものを選定し、AIが効果的に学習できる形に整備します。このデータセットで機械学習モデルを訓練したりします。
ここで一度まとめると、AIや機械学習のために、クレンジングし、アノテーションを施したデータをデータセットとして企業に提供しており、その主な提供企業は、Google・Microsoft・Apple・Amazon・Snowflake・Boeing・Sony・Hewlett Packard・Deloitte・𝕏などです。
そして、Innodateは、設立して35年ほど経っており、様々な経験を有し、各業界特有のデータに精通し、顧客ニーズに合わせてカスタマイズしたデータソリューションを提供できるのが強みとなっています。
また、世界のAI市場規模は、現在6,211億ドルと推定されており、2023年の5,153億ドルから大幅に増加、2032年までには2兆7,404億ドルと年平均成長率は20.4%で成長していくと見込まれています。
このAI市場において、データセットは必要不可欠であり、Innodateも恩恵に預かる可能性が非常に高いと考えています。
それでは次に、直近の業績を見ていきたいと思います。
売上高: 5,220万ドル (前年同期2,220万ドル、前期3,260万ドル)
純利益: 1,740万ドル (前年同期40万ドル、前期±0ドル)
1株当たり利益(EPS): 0.35ドル (前年同期0.01ドル、前期-0.01ドル)
利益率: 33% (前年同期1.8%、前期0%)
業績を見ると、2024年Q3では、前年同期、前期を比べ、大幅に業績を改善し、伸ばしています。
2024年6月に発表された内容ですと、世界最大手のテクノロジー企業5社のうちの1社(企業名は明かしていません)から大規模言語モデル開発プログラムの受注が2つあり、その金額は約4,400万ドルと、Innodateの四半期売上に相当する額となっています。この事から、Innodateの売上は今度益々上昇していくと思われます。
また、最近ですと、JPモルガンやバークレイズなどが株式を購入していることがわかっています。
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では、最後にチャートを見ておこうと思います。
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2024年7月17日から10月22日までの68日間でダブルボトムを形成し、その直後の良決算で株価は大きく上昇。
その後、50日移動平均線あたりまで下落しますが、再度出来高を伴い、10日線、21日線を上抜いています。
また、セクターランキングは197位中26位と上位に位置しており、RS ratingも最高の99。
IBDの総合評価であるComposite ratingも98となっており、高いパフォーマンスで非常に評価が良い会社となっています。
2年前に株価3ドルと、すでに2年で15倍となっていますが、今後も直近の決算のような売上及び利益の増加が見られれば、更なる上昇が期待できます。(ちなみにforward PERは58)
まとめ
AIの発展には、更なる高品質で莫大なデータが必要不可欠であり、そのデータを供給しているのがInnodateです。
特に、今後は医療や金融などの専門的なデータが必要になっており、経験豊富なプレイヤーであるこの会社は注目だと思っています。
ぜひ、この記事を見られた方は、Watch listに加えてはいかがでしょうか。