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おすすめ本紹介 「放課後探偵団」(相沢沙呼・他/東京創元社)

収録作品と作家さん。
「お届け先には不思議を添えて」(似鳥鶏)
「ボールがない」(鵜林伸也)
「恋のおまじないのチンク・ア・チンク」(相沢沙呼)
「横槍ワイン」(市井豊)
「スプリング・ハズ・カム」(梓崎優)

 

全編書き下ろしの学園ミステリ・アンソロジーです。
東京創元社からデビューした1980年代生まれの若手作家さんが「学園」というくくりで若い読者層に向けてミステリを書く、というのがこの本のコンセプト。
学園ミステリなのでどれもライトな感じで読めますが、その一方で、本格ミステリとしての芯はしっかりあって、「さすが東京創元社!」という感じです。
 
中でも、絶対的におすすめしたいのが、梓崎優さんの「スプリング・ハズ・カム」です。
 
よく、POPや帯で「二度読み必至!」なんて惹句を見かけますよね。
でも、そのコメントが最も相応しいのがこの「スプリング・ハズ・カム」だと思います。
これより「二度読み必至」のミステリはそうはないです!
 
読み終えた瞬間に、「あれ?」「何がどうなってるの?」「そんなわけない…よね?」ってなって、絶対にページを戻っていくこと請け合いです。
そして、読み返してみて、「あ……本当だ。そんな……すげえ……」って絶句すると思います。
なんかもう、三点リーダーばっかり使ってますが、そのくらいあっけにとられます。
 
梓崎優さんは兼業作家さんなので、とても寡作な方です。
2008年デビューで、本は2冊しか出ていません。
でも、寡作な分、ひとつひとつの物語のレベルが高く、どれを読んでもハズレはありません。
この「スプリング・ハズ・カム」もこのアンソロジーでしか読むことができない上、電子書籍にもなっていないので読まれた方は多くないかもしれませんが、機会があればぜひ読んでいただきたい一冊です。

放課後探偵団 店頭POP

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